占い師という仕事にいま一度立ち返る
2024年6月に、占い界を震撼させる出来事がありました。
要約をすると、Xでフォロワーが5万人以上いた人気占い師が過去数ヶ月に渡って他人の著作物を盗用したという騒動でした。
この騒動を耳にした時、
「そのうち出ると思った」
というのが正直な感想でした。
私自身、過去に記事を盗用された経験があるからです。
私の周りでこのようなことが起こっているということは、
他にも同じようなことが大事となって表に出るのではないかと予測をしていたのですが案の定でした。
上っ面での商売
今回の件でよく分かったのが、
占いの知識はなくても初心者に分かりやすいふわっとした文章であれば、
フォロワーを獲得することが出来る上に書籍化や企業案件も受けることが可能だと言うことです。
「分かりやすいものをより手軽に!」
という消費者のニーズに応えることが出来れば商売として成り立つ土壌があるので、
このような状況になったのだと考えています。
ネットやSNSの普及のため記事数を多く投稿することが求められているため、
掲載サイト側もコピペチェックをまともにしていなかったというのも問題ですね。
実際に今回の事件で問題になった人同様に近年急成長をしたアカウントを持つ占い師で、
個人の鑑定ではなく企業案件の執筆を専門に行っている人が多いのもうなずける話です。
思想なき占い師は占い師にあらず
占いというものは信ぴょう性もなければ科学的根拠もないものです。
強いて言えば心理バイアスは関わって来ると思いますが、
基本的に占いというものは太古の昔から先人たちが紡いできた集合知の結晶です。
その集合知をいかに使用して相談者のニーズに応えれるかが、占い師の価値だと私は考えています。
言うならば昔は村に1人はいた相談役みたいな立ち位置です。
そもそも占い師の「師」とは、「指導者」という意味があります。
そのため、この仕事は占いという知識を使い迷っている人を教え導くものが王道のものだと私は思っています。
占い師がある程度の地位を確立するためには、
的中率は当たり前のこと相談者に道を指し示す力がなければいけません。
そのためには、占い師には思想が必ず必要となります。
哲学、宗教、政治、事情、歴史、心理etc…
様々な知識や思想体系をインプットをして的確にアウトプットをする必要があります。
のんべんだらりと生きているだけでは占い師として大成は出来ないのです。
有名なところだと、玉音放送の草稿を作った安岡正篤が私が思うオールドスタイルの占い師だと思います。
安岡正篤には政治だけでなく経済界の重鎮も顧客になっていたとの事ですが、
それは安岡正篤の思想がしっかりとしていたためアドバイスが的確だったからです。
こういった思想家としての占い師は必要なことだけを話すので、
自分の聞きたいことしか聞かないテイカー基質の相談者にとって耳の痛いことを言う相手でもあります。
そのため、耳障りの良いことしか言わない占い師は人気がでがちです。
しかし、残念なことにこういった占い師は長く活動をすることが出来ません。
なぜなら、テイカー気質の相談者に精神的に消耗させられるからです。
また、私は個人のことを鑑定しない占い師は良い占い師だとは思わないです。
現場に立っていなければ占いやアドバイスの腕はすぐになまってしまうからです。
占い師は現場に出て実践してなんぼなのです。
占い師は割に合わないしごと
占いを仕事にするのは、場所も仕入れも必要が無い上に参入障壁が低いためよく「儲かる仕事」と思われるみたいですがそんなことは全くありません。
書籍代は馬鹿にならないし、常に勉強をしていなければならないためタイパ、コスパ共に最悪の仕事です。
占いが好きで好きでたまらない人で、なおかつシビアな経済感覚がある人でないと続けることすら困難です。
そろばんを弾きながら商売をしているから今回のような問題が起こるわけです。
良い占い師を見つけるためには?
SNSで良い占い師を見つけるために重視をして欲しいことは、
・過去にどういう背景があるのか
・今はどのような生活を送っているか
・どのような文章に触れているか
・文章の雰囲気は?
・人生に満ち足りているか
観察をすることです。
この当たりのところがしっかり分かれば自分に合う占い師か判別がつくからです。
忘れないで欲しいのが、すぐに役に立つものや成果が出るものを教える人はすぐに廃れるということです。
SNSでフォロワー数が少なくても、素晴らしい占い師はたくさんいます。
どうか目と耳を澄まして発見してみてください。