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偶像の先に

本題に入る前に断っておきたい。
今回のテーマは”女性アイドル”であるが、執筆者はそれを詳細に語れるほどの知識は無い。
そのため、万が一有識者とされるオタクの方々がご覧になられる場合は、この点ををご容赦頂ければ幸いである。
また、あくまで女性アイドルをテーマにしているため、本投稿では男性アイドルについては取り扱わない。
この点もご理解頂ければ幸いである。

思い返すと幼少の頃から女性アイドルに多少なりとも興味があった。
勿論、すべてを網羅しているわけではなく、各グループのほんの一部にしか触れてきていないけれども、ミニモニ。にはじまり、AKB48やその姉妹グループ、その他のアイドルグループの楽曲を聴いたり、MVを見ていた。

高校生活も終わりが近づいてきた頃、それまでよりも注目して見始めた女性アイドルが、乃木坂46である。
その後、大学生になる前後にリリースされた欅坂46のデビューシングルには衝撃を受け、今ではその内容を思い出せないが、当時メンバーたちが主演をしていたドラマもなんとなく見ていた。
それでも、ライブや握手会に行くほどではなく、冠番組や音楽番組で見ているだけで十分だった。

そんな中、初めてライブに行った女性アイドルが、日向坂46である。
日向坂46としてのデビューカウントダウンライブの初日と、その年の年末に開催されたライブの2日目に行った。
それまでは、ロックバンドのライブやフェスばかりに参加していたが、アイドルのライブはそれらとはまた違う盛り上がりがあって、純粋に楽しかった。

ライト層ではあるが、日向坂46にハマったのは、前身(改名前が正確か)のけやき坂46時代から放送している冠番組がきっかけだった。
MCとメンバーとの掛け合いが面白く、当時は何度も見返したりもしていた。
年末にやっていた、女性アイドル王道の胸キュン系のクリスマス企画を見たときは、軽くメンバーにガチ恋しかけたことも覚えている。

ハマり始めてからもう3年半以上経つ。
現在は、当時ほどの熱量はないものの、冠番組は毎週チェックしており、ライブも時間があればオンラインチケットを買って視聴する。
先月開催されたライブも、なんとかリピート配信を使って初日の公演だけを見た。
グループの悲願でもあった約束の卵、東京ドームでのライブを見ることができて満足していた(有識者によると、2日目のライブはより盛り上がっていたらしく、そちらを見られなかったことが少しだけ残念だったが)。

そんなライブが終わって数日して、ひとりのメンバーの卒業が発表された。
こんなライト層でさえ驚いたので、有識者たちはどう感じているのだろうと、SNSやまとめサイトを覗いてみると、彼らの驚きや落胆、寂しさが感じられた。

ただ彼らによると、どうやら少し前から卒業するのではないかと噂されていたらしい。
ブログやライブ直前のコメントなど、いわゆる「匂わせ」があったらしい。
また、演技力や番組でのコメント力、ひたむきに努力する姿や他のメンバーを思いやる様子など、とても評判の良いメンバーである彼女だから、卒業しても活躍できるのでは、という見解もあるようだ。
後出しじゃんけんのようで卑怯だと言われてしまうかもしれないが、個人的にも、比較的卒業が早いメンバーであろうことは想像していた。
だから、勿論驚きはしたものの、少し時間が経ってから、「まあグループを卒業しても頑張れそうだしな」と思い、妙に納得もしてしまった。

思い返すと、彼女のヘアスタイルの変化が、この度の卒業を示唆していたのではないか。
彼女は元々比較的髪の短いメンバーであったが、ここ最近はずっと伸ばしていた。
これは勿論、様々な事情があってのことではあろうが、髪を伸ばすことで、天真爛漫な少女のようなアイドルらしいイメージから、少しずつ大人な女性らしいイメージに変えたかったのかな、と勝手に考えている。

アイドルを目指している中で、実際にアイドルとしてデビューして、ライブや音楽番組、その他のコンテンツで活躍できるのは、ごく僅かであろうことは容易に想像できる。
しかし、そんな彼女たちでさえ、アイドルとしての活動を終えた後、誰しもがドラマやバラエティ番組にコンスタントに出演できるわけではないだろう。
アイドルとして活動できる期間は限られている中で、活動終了後に同じように華やかな世界で生きていくのは大変なことであろう。
だからと言って、表舞台で活躍していたアイドルが卒業後に一般企業に就職するケースは実際にはどれほどあるのだろうか。
恐らく、彼女たちのセカンドキャリアは限られているだろう。
そう考えると、月並みな言葉になってしまうが、アイドルは過酷な仕事であると言えるだろう。

以前から疑問に思うのだが、アイドルを目指す場合、女性アイドルとしての活動終了後のことをどういう風に考えているのだろうか。
女優になりたいのか、バラエティ番組に出たいのか、会社員になりたいのか、アナウンサーになりたいのか、もしくは先々のことは考えていないのか。
果たして、彼女たちは、偶像の先に何を見ているのだろうか。
もし奇跡的にアイドルにインタビューをする機会でも得られた時には、少し聞いてみたいものだ。

最後になるが、この度卒業するメンバーには、その夢を叶えるために、今後も心身の健康を第一にしながら頑張ってほしいと、陰ながらエールを送りたい。
いつだって、未来は味方だ。
1stアルバム『ひなたざか』のCMより。

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