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あれだけ気をつけていたのに

相変わらずそれなりに忙しい。
もちろん、一生懸命に働いている会社員や、目標に向かって真摯に努力している受験生、子どもの未来に不安や希望を抱いて日々苦労している父親や母親など、職業欄に「大学院生」と書くことで辛うじて世間体を保っている人間とは比べ物にならないほどに忙しい人は世の中に大勢いる。
彼らに心からの尊敬の念を抱くと同時に、「とはいえ忙しさは他人と比較するものではなく、自身の過去と比較して相対化するものだよな」と言い聞かせて、ひとまず心の平静を取り戻す。
自身が、どうやら絶望的なキャパシティの小ささであることを、つい最近まで気がつかなかった。
本当にこれまでなんて幸せな人生だったのだろう。

そんな不器用な性分であるという自覚は、日々の行動に変化をもたらしている。
これまで人生で重要だとは微塵も思わなかったメモをしっかりと取り、To Doリストもいっぱいにしている。
カレンダーには先々の予定まで記入し、思いついたらすぐに修正を加える。
これまでは、締切をオーバーすることはめったになかったものの、毎回のように締切直前であたふたしていたのだが、努力の甲斐もあってか、最近は締切に余裕を持てることもしばしばある。
これが「成長」ってやつなのかもしれない。

しかし、つい昨日、意図して締切をオーバーするどころか、寧ろ締切の存在そのものを完全に忘れていた。
都合上履修している学部生向けの講義の小テストの提出を逃してしまった。
直接成績に関係なく、諸事情により仕方なく履修しているとはいえ、こんなミスをしたのはいつ振りかわからない。
これまでいそいそと取り組んできた締切を守るという努力が、ちょっと無駄になった気分だ。
さすがに少し落ち込んだ。
思い返せば、この土日に予期せぬトラブルが発生し、それに対応しているうちになんだか疲れてしまった。
結局、講義の連絡事項が記載されているメールが画面上に通知されるまで、小テストのことなど1ミリも思い出すことはなかった。
気をつけていても、忘れてしまうものは忘れてしまうのだろう。

「まあしょうがないか」と言い聞かせつつ、また次の締切が迫っていて時間もないにもかかわらず、ああでもないこうでもないと苦心しながら文章にしている。
やはり、悔しい気持ちから切り替えることができず、完全に引きずっているのだろう。
あろうことか、締切を忘れて見ていたものが、さらば青春の光のYouTubeチャンネルにアップされている、最高にしょうもない動画だったことも、うまく切り替えのできない原因のひとつだろう。

メモを取る習慣をつけるように、努力して変えられる部分はあるものの、なんだかんだ言って人間の根本は変わらないのだろう。
小テストのことを忘れていた時間を研究のために使っていたら、もう少し後悔は小さかったはずだ。
さらばの動画が面白かったのが、せめてもの救いだ。

追伸
みんなのフォトギャラリーを初めて使ったが、この便利さはヤバい。
中毒になってしまいそうだ。


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