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腕折れて、夏

タイトルの通り、骨が折れた。
苦労している、というような状況を表しているのではなく、物理的に折れた。
いつもはひねったタイトルにしがちだが、今回は直球勝負だ。
まあいつもと言いつつ、約8か月ぶりの更新だが。

厳密に言えば、剥離骨折。
ちょうど1か月くらい前に、勢いよく転倒した際に手のひらを地面につき、橈骨頭という肘の近くの骨が少し剝がれたらしい。
負傷したのが利き腕ではない左腕だったこと、また詳細は割愛するが、業務中の怪我のため労災がおりる予定であることが不幸中の幸いだろう。

とはいえ、腕の骨折によるQOLの低下は深刻だ。
シンプルに生活していてあらゆる場面で不便を感じるが、何よりこの生活をしていると、キーボードを打てないことが致命傷である。
それこそ最近まで、手首から脇の近くまでギプスで固定をしていたため、ほとんどキーボードを打つことができなかった。
この記事も、つい数日前にようやく手首の部分をカットすることができたから書けている。
また片腕しか使えないと、本を読むのにも一苦労だ。
結局、腕が折れていることに加えて、その前に発生したいくつかのトラブル(ギックリ腰、Wi-Fiルーターの原因不明の不調)と祖父の死(故人の希望により亡くなった後に体調が悪かったことが知らされた)を言い訳にして、ここ1か月以上ほとんど研究活動らしいことをしなかった。
正直今の生活であれば、足の骨が折れたほうがマシだったかもしれない。

では最近は何をしているのか。
まず午前中に近所の接骨院に行って、腕と腰の両方の治療を受ける。
既にリタイアされた大先輩方も含め、おそらくどの患者よりも接骨院に通っている自信がある。
スタッフも、常連として対応してきている気がする。
午後には、その日にやらなければいけないことにしょうがなく取り組み、疲れたら30分くらい昼書けている
夕方には体力低下を防ぐために少し散歩をする。
夕食を食べて以降の記憶はあまりない。
とにかく怠惰な生活だ。

これでも多少はマシな日だ。
本当にひどい日は、1日のうち大半をベッドの上で過ごす。
腕にギプスを巻いているのと腰が痛いのが相まって、あまりよく眠れていない。
どうしても昼に強烈な頭痛が襲ってくる日が定期的にあるのが現状だ。

そんな中、心と体力に余裕がある日にのみ、研究っぽいことに取り組む。
最近分かったことだが、先行研究を読んだり、調査に行ったり、調査データをまとめたりする作業には、想像以上に体力を使うようだ。
正直この夏に研究をガンガン進める予定だったから、大誤算もいいところだ。

とにかく、骨折が辛いことは痛いほどわかった。
おそらくいつ骨折しても困るのだが、夏に骨折すると辛いポイントがいくつかあるように思う。

ひとつは、夏の汗とギプスの相性が最悪だ。
特に最初のほうは腕が痒くなって仕方なかった。
ギプスの下に汗がたまったときの不快感たるや、すさまじい。

そして何より、世間が夏を謳歌している中、独り家に籠って悶々としているときの惨めさは想像を絶するものだ。
夏の曲が流れる度にむなしい気持ちになり、どこからか花火の音が聞こえる度に悲しい気持ちになる。

追い打ちをかけるように、何人もの同級生から結婚報告が届いた。
晩婚化が進んでいるとはいえ、26歳にもなると、結婚することも別に不思議ではない。
結婚をする気のない身からすると、特段他人の結婚に嫉妬するようなことなはなく、むしろ幸せそうな報告を聞くだけで嬉しい気持ちにもなる。
ただ同時に、今現在愛したいと思える人すらいないことに対する虚しさと、このまま将来が見えない状態を独りで何年も続けなければいけないことに対する絶望感が、頭の中を支配する。

こんな状況だからか、それともいつも以上に身の回りのサポートをしてもらっていることを実感しているからか、同居している両親の優しさもやけに沁みる。

夕飯以降の記憶はあまりないが、甲子園がある日は、ソーダ味のガリガリ君を食べながら熱闘甲子園を見ていることだけはしっかり覚えている。
今年のテーマソングももちろんいい曲だが、やっぱりスキマスイッチの奏が最高だ。
イントロを聞くだけで、あの夏の主役たちがすぐに浮かぶ。
今吉晃一に何度憧れたことか。

https://youtu.be/J5Z7tIq7bco


追伸
基本的に入浴時も片手しか使えないが、そのせいで週に1回は耳にお湯が入ってしまう。
こよりの作成頻度は、幼少期に市民プールに行ってたとき以来だ。

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