徒歩でトラムで香港ヴィクトリア・ピークへ!旅の終わりが近づく
司法試験に合格できずにいた僕が、勉強に煮詰まり、初めての海外旅行へ行った時のお話をしています。
今回は第11話であり、香港島のヴィクトリアピークに行ったときの話を書いています。
香港島のヴィクトリア・ピークを目指す
さて、今日は香港島で有名な山頂からの景色を見ることが旅の目的だった。できれば夜景も見たい。
タピオカミルクティーを飲みながら、山頂にあるヴィクトリア・ピークを目指すことにする。
ヴィクトリア・ピークにいくためには、ピークトラムという箱根登山ケーブルカーのような乗り物に乗ることが通常のようだ。
多くの観光客はピークトラムに乗って山頂へと登っていく。
僕も、他の観光客と同様に、ピークトラムのチケット売り場まで行ってみた。
節約根性⇒ピークトラムの料金
しかし、山頂までの往復の値段を見て、乗ることを迷ってしまった。
(往復料金は700円ほどだったが、何せ、僕は貧乏旅行をしていたので、節約意識に駆られてしまったのだ)
散々迷った末、結局、チケット代を節約することにする。ケチった僕は歩いて山頂まで行くことにする。
しかし、これが失敗の始まりだった。
ケチることほど高くつくものはない。
ヴィクトリア・ピークまで歩いて登る
ひたすら坂を登る。
歩く歩く。ひたすら歩く
坂は結構な勾配だ。
暑い。汗をかく。
歩く、休む。
くたびれる。
しかし、歩いても歩いても、一向に山頂に辿りつく気配がない。
道を間違ったのだろうか。
1時間ほど歩いただろうか。
途中、(人にはあまり会わなかったけど)何度か道を訪ねる。
英語のせいなのか、よく解らない。
「お前は台湾から来たのか」
僕は台湾人に見えるらしい。
山頂はまだ先だ。
TAXでビクトリア・ピークへ
流石に徒歩で山頂まで行くことは無理だと悟った僕は、
たまたま通りがかったタクシーに乗り込んだ。
「ビクトリア・ピークに行ってくれ。」
「OKOK」
流石にこの位の英語は簡単に通じるのだ。
僕はホッとして外を眺めながら、汗を拭き拭きする。
TAXの中は、外よりも涼しく、リラックスモードに入りかけていた。
しかし、車が走り出してから気が付く。
「んっ?」
おかしい。
何故だかおかしい。
なんだろう、この違和感は。
しばらくして、明確に違和感の正体に気がつく。
「そう、タクシーは山を降りはじめたのだ!!」
これはおかしい。僕は何度も「ヴィクトリア・ピーク!」と連呼した。
しかし、それでもタクシー運転手は、笑顔で「OKOK!」というのだ。
TAXは山の麓へ…
「むむ、近道があるのかもしれない。。」
そのように善意解釈することにしたが、
しかし、タクシーは結局僕が登ってきた坂を全て降りきった。見事なまでにスタート地点まで戻ってくれた。
「やれやれ…」
山の麓まで来てしまったことは仕方がない。
でも、TAXはどこまで走るのだろう。
タクシーは走る。さらに、街中を走っていく。
しばらくして止まる。
タクシーの運転手は公園の前で車を止める。
僕はTAX運転手に、一応尋ねる。
「ここがビクトリア・ピーク?」
「YES」
仕方がないので、料金を払って車を降りる。
タクシー料金は1500円ほどだった。
やれやれ、こんなことならば、大人しく700円払って、ピークトラムに乗っておけばよかった。。
TAX運転手に、一応「ありがとう」と言って、立ち去るのを見送る。
さて、ここはどこなんだろう。
そこは「ビクトリアパーク」
公園の入り口に地図があったので、近づいて地図を見ると、そこには公園の名称が書いてあった。
「ヴィクトリアパーク」
「…」
「やれやれ」
自分の発音の悪さに頭を抱えた。
再びビクトリア・ピークへ
さて、ここからどうしよう。どこに向かおう。
迷ったがここで引き下がるわけにはいかない。
屋台で軽く腹ごしらをした後に、再度ビクトリア・ピークを目指すことにする。
今度はピークトラムに乗って、通常ルートで山頂を目指すことにした。
ピークトラムに乗ると、10分ほどで山頂に無事たどり着く。
呆気ない。こんなに簡単に山頂に着くのか。
山頂には通信施設などがあるのだろうか。入ることができないエリアがある。
でもヴィクトリア・ピークからは香港島や九龍の超高層ビル群が一望できた。
日が暮れてきたので夜景を見てから帰ることにする。
平日のせいか、夜景を見ている観光客の数は少なかった。
僕は夜景を見ながらたたずむ。
夜になり、フェリーの時間も気になってきたので、ピークトラムに乗り山を降る。
スターフェリーで九龍へ
香港島に別れを告げて、スターフェリーに乗り込んだ。
明日は日本に帰国するのだと思うと、急に旅が名残惜しくなってくる。
司法浪人で勉強に煮詰まっていた僕にとって、
また、初めての海外旅行だった僕にとって、
今回の旅は刺激的だった。
貧乏旅行だったけど、僕にとっては楽しい旅だった。
シンガポールではとんでもない目に遭い、
九龍でも恐ろしい目に遭ったけど、
でも、旅に出てよかった。
旅に来て何か変わったのだろうか。
何も変わらなかったのだろうか。
スターフェリーを降りるが、チョンキンマンションのあの暗い部屋に帰る気にはなれずにいた。
九龍の夜の街を散策し、香港の空気を感じる。
夜中2時になっても賑やかな街、それが香港だった。
眠くなったのでチョンキンマンションに戻るも、
10階にあるゲストハウスまでは、階段で登ることにした。
この記事を書いた人
湯川 七八貴
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