香港チョンキンマンションの深夜エレベーターで経験⇒アフリカ系黒人に助けられた
司法試験に合格できずにいた僕が、勉強に煮詰まり、初めての海外旅行へ行った時のお話をしています。
今回は第9話であり、チョンキンマンションのエレベーターで人生最大の危機から、アフリカ系黒人の集団に助けてもらったときの話を書いています。
高熱が下がり、起き上がる
重慶大厦のゲストハウスに部屋を借りる。
疲労困憊したせいか、昼間から高熱で眠り込んでしまった。
部屋の中は、昼間でも真っ暗なので時間の感覚がなかったので、小さな窓越しに建物の外を見る。どうやら今は夜中らしい。
部屋の外に出て、ゲストハウスの時計を見ると夜中の12時を回っていた。随分と長い間、意識を失っていたようだ。
しかし、幸いなことに熱は下がり、体調は元に戻ったように感じる。お腹も空いていた。
香港、九龍の夜の街へ
ひとまず街中へ出て、何か食べることにする。
帰りに迷わぬよう、ゲストハウスの名前と所在階数を頭に叩き込む。宿に入るときは客引きと一緒で感じなかったが、チョンキンマンションの内部構造は入り組んでいるように感じる。
エレベーターに乗り1階へ降りる。なかなかエレベーターはやってこない。
建物内部には電気はついていない。
やっとエレベーターが来る。中には誰もいないので、一人で下に降る。
チョンキンマンションの表の出入口は閉まっているようだったので、裏口から外に出る。
夜中なのに、何故だかインド人の女性がたくさん屯していて、地面に座っている。
「ちょっと、すみません」と言いながら、外に出る。
夜の九龍エリアを散策
夜の九龍エリアを歩き回る。
コンビニエンスストアのようなお店を見つけて、焼きそばパンのようなものと、ペットボトルを買い込んだ。
そのまま夜の街を散歩をすることにする。
チョンキンマンションの隣には、シェラトンホテルがあり光り輝いている。ボロ宿に止まる僕には天国のように見える。
同じ宿なのに、ここまで格差があるものかと感じながら、いつかはシェラトンホテルに泊まりに来てやるぞ!と思い、ホテルを眺めながら散歩を続ける。
九龍エリアにはすぐそこに海があった。海を臨む公園で一人ご飯を食べることにした。
ご飯を食べ終わり、公園をぶらぶら散策していると、向こうからインド人の二人組みがやってきて話しかけられる。
しかし、シンガポールで痛い目にあっていた僕は、逃げるように立ち去った。
香港の夜は賑やかに感じた。
夜中の2時3時になっていただろうか、部屋に戻ることにする。
夜のチョンキンマンションでの恐怖体験
チョンキンマンションに戻り、建物に入りエレベーターが来るのを待つ。エレベーターは奇数階しか止まらないようだ。
エレベーターで11階まで行き、階段で10階まで降りることにする。エレベーターはなかなかやって来ない。
やっと来たエレベーターに乗り込むことに。すると、さっきは誰も居なかったはずなのに、後ろからドカドカとアラブ系黒人が数人乗り込んできた。
アラブ系黒人たちの身長は、皆2メートル以上あったと思う。
大きな人に囲まれて、なんだか異様な雰囲気を感じた。
僕の第六感は「これはやばい」と感じていた。この黒人たちは僕を襲おうとしていることを感じ取ったのだ。奴らの目つきからもその意思が読み取れた。おそらくナイフかなんかも持っていたと思う。
「人生終わった」
そう思うと、汗が吹き出してきた。
「やばい」
「これは真剣にやばい」
観念して目を閉じる。
と、次の瞬間、エレベーターが止まり、ドアが開く。新たに乗り込んでくる黒人達が数人いた。
今度はアフリカ系の黒人のようだ。今回も同じく2メートル以上の大男達だった。
アフリカ系の黒人に助けられた
僕は頭が真っ白になっていた。
こんな大勢の大男に、夜中に、狭いエレベーターの中で囲まれているのだ。
恐怖で体が固まっていた。
しかし、このアフリカ系の黒人達との出会いが、僕の命を救うことになる。
そのアフリカ系の黒人は、エレベーターに乗り込んだ瞬間に、今僕が置かれている状況を察したようだ。
アラブ系の黒人たちをジロっと睨み付ける。
時が一瞬止まった気がした。
次の瞬間、アフリカ系の黒人は僕に向かって、目で語りかける
「今のうちに行け」
僕は何も言わず、急いでそのままエレベーターを降りる。僕が降りると、エレベーターは上へ上がって行った。
僕はアフリカ系黒人に命を救われたと感じた。本当にヤバかった。
無事、宿に戻る
僕は階段で10階まで上がることにする。
チョンキンマンションの建物内部でウロウロとして、迷いながらも、なんとかゲストハウスにたどり着いた。
受付には係の人がいて、おかえりと言ってくれた。
僕はそのまま部屋に入り眠ることにした。
この記事を書いた人
湯川 七八貴
https://7korobi-8oki.com/rising/
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