採用担当者が語る!「履歴書の書き方」のコツ⇒職歴なし既卒者のアピールポイント
職歴なし既卒者には「履歴書」が重要
最初に知っておいて欲しいことは、「職歴なし既卒者」の方が就職活動をする場合、基本的に職歴あり転職組と同じ枠組みで就活をしなくてはいけないということ。
既卒者の就職活動では、応募者に職務経験があることを前提として採用活動が進んでいきますが、(何らかの事情があって)職歴がない場合、職務経験がないことが採用活動においてマイナス評価となりがちです。
正直、就職活動は簡単ではありません。だから、「どうせ採用してくれる会社はない」とネガティブ思考となってしまい、就職を諦めてしまいがちでしょう。
一番ネックになることは、履歴書と職務経歴書の「職歴欄」に記載することが無いということです。
しかし、ここで知っておいて欲しいことは、コツさえ押さえれば、職歴がない人でも十分採用される可能性はあるということです。職歴がなくても「履歴書」と「職務経歴書」には、合格できる書き方というものが確かに存在しています。
この記事を読んで、書類選考の通過率が格段に上がる「履歴書」の書き方のノウハウを掴んで欲しいのです。
では、順番に確認していきましょう。
※なお、履歴書の書き方(初級編)はこちらの記事でも書いているので参考にして下さい。
職歴なし既卒者の履歴書の書き方(アピールポイント)
結論から言いますと、職歴がない方(または少ない方)の場合、
履歴書には、以下の3点をアピールポイントとして記載するようにして下さい。
① 募集職務に適合していること
② 人間性
③ やる気
① 募集職務に適合していること
⑴ 募集職種と関連する学歴・職歴を記載
既卒者の場合、本来であれば、過去の職務実績から募集要項に合致している人物であることをアピールすることになります。
しかし、職務経験がない場合は、入社しても募集職種の業務をこなせるポテンシャルがあることを客観的にアピールしましょう。
履歴書の「学歴欄と職歴欄」を記載するときには、募集職種との関連性を意識しながら、自分が過去経験してきたあらゆることを記載するようにして下さい。
職歴がない人(職歴が少ない人)はこのように考えて下さい。
「職歴を書くことができないため、諦めてしまうライバルがいるはず」
だから、職歴についてうまく工夫して書くことができれば、ライバルと差別化を図ることが必ずできる!
⑵ 卒業後から現在まで空白期間を設けない
新卒の方とは異なり、既卒の方は、卒業後から現在に至るまでの職歴と学歴を記載する必要があり、採用担当者はその点に注目して履歴書を読んでいます。
だから、履歴書を書くときには、学校卒業後、現在に至るまで、空白期間を設けることなく学歴または職歴を記載するように工夫して下さい。
学歴や職歴として書くことは、これ以上ないとなっても未だ諦めてはいけません。
これ以上本当に何もないのか。アルバイトやインターン、資格試験を受験するために通った予備校をアピール材料として使うことはできないものか。
法律事務所など一定の専門性のあるところで研修したことはないか、ボランティアは活用できないものか。海外旅行なども使うことはできないか。
起業しようと考えた経験を面接に生かすことはできないか。
最後に調整するので、まずは色々なアイディアを出して見ましょう。
学歴と職歴には、空白期間が生じないように、数多く書いて欲しいのですが、単に沢山書けばいいというわけではありません。
学歴と職歴を書く際には、書類選考に通過しやすいポイントに気をつけて、最後に調整する必要があります。この記事の終わりにも採用者の視点として記載しています。
なお、空白期間についての書き方については、職務経歴書の記事の「嘘は書かない、でも本当は書かない職務経歴」の項目に記載しているので、参考にしてみて下さい。
② 人間性に問題はないということ
⑴ ありのままの人間性を表現
採用担当者は、「仕事を頑張ってくれそうな人」「一緒に働くと楽しそうな人」を探しているので、応募者する側としても、自分の人間性が伝わるように工夫する必要があります。
「この人と一緒に働いたら、どんな感じだろう?」
履歴書の記載から具体的にイメージできるようにしましょう。嘘を書く必要はないですし、自分を着飾る必要もありません。よく見せようと思っても採用担当者に見透かされてしまうので、ありのままの自分を表現しましょう。
採用担当者は、
「その会社の雰囲気に合うか」
「担当職務で接点を持つ人とうまくやっていけるか」
ということを、履歴書の文字から想像し、あと写真からも想像しています。
(写真を貼っていない人も一定数見受けますが、写真は重要です。私も写真が無いばかりに書類選考を通過させなかったこともあります)
⑵ 卒業後から現在に至るまでの行動・経験でアピール
新卒の人の場合、学生時代の活動を通して、その人の人間性をイメージすることになりますが、
既卒の人の場合、採用担当者は、応募者の卒業後から現在に至るまでの行動を通してどのような人間性を持っているのか?ということをイメージしています。
だから、履歴書には、自分の人間性に問題がないことが推測される文字を書いておく必要があります。
学校を卒業後、「自分はどのように考えてそのような行動を取ったのか」ということを相手に分かりやすく説明できるようにするとともに、文字でも表現できるように練り込みましょう。
なお、採用担当者は、学生時代の活動についても、注意を払って読んでいます。その人の持っているバックボーンには注意を払っているので、読み手が分かりやすく理解できるように、文字化して記載することが重要です。
採用担当者は、会社に対して合理的な説明責任を負っているので、おそらく「こういう人だろう」という直感をもって、あなたを書類選考で通過させる事はできません。
この人は、一定の考えのもとで「このような経歴」を踏んでおり、「経験を通じてこのように成長」していることから、人間性に問題はないだろうということを会社に対して合理的に説明できないと、採用において何か問題が生じたときに責任が問われてしまうのです。
⑶ 趣味・特技、自己PR 、志望動機でアピール
履歴書を書く場合には、趣味・特技、自己PR 、志望動機などの欄を通して、そのような側面をアピールすることも重要です。
これらの欄に書く際には、より一層突っ込みポイントを多く設けておくことが重要になります。「この人はどういう人だろう?」ということを私生活などを通じてアピールしましょう。
実際に面接で「この人に会って質問してみたいな?」と思わせることが重要となります。
趣味、特技の欄は、自分が人に語れるものを、また、今までの人生の中で他人に興味を持ってもらったものを書くようにしましょう。
誰か第三者と、自分にはどのような隠れた才能や面白さがあるのか?ということを話していく中で新たな発見できることもあります。
休日の過ごし方を振り返ってみると何か見つかるかもしれません。
ボランティア経験、部活動や旅行経験についても、何か視点を持って記載することも良いでしょう。
志望動機や自己紹介については、職務経歴書の記事に詳細記載しているので、参考にしてみて下さい。
③ やる気は十分あること
新卒の方はもちろんのこと、既卒で職務経験がない人(または少ない人)の場合はとりわけ、自分には将来性があることはやる気でアピールするしかありません。
「過去このような経験をしてきたから」
「現在もこのように努力をしているから」
入社後もおそらく活躍してくれるのではなかろうか?ということを、履歴書の記載から採用担当者に想像してもらわなければなりません。
この人であればポテンシャルがあるかも?と感じてもらえるためには、募集要項に記載されている職務内容について、「この人ならできるかも」と思ってもらう必要があるのです。
では、そのように思ってもらえるためには、一体どうすればいいのか。
答えは結構簡単ですが、多くの方が実践できていません。
やることはただ一つ、募集要項を熟読することです。
・過去の経験
・現在取り組んでいること
・これから取り組もうとしていること
のうち、募集要項に関連することを丁寧に記載して、採用担当者にアピールする必要があるのです。
現在勉強中のことや、バイトや学校で勉強したことも、十分アピール材料となります。
一貫して、自分は「このような考えを持って行動してきた」ということをアピールしましょう。
たとえ現在は何も勉強していないとしても、これから勉強することとして、「現在、この資格などの勉強をしている」ということも有効でしょう。
勉強しているというからには、実際に勉強しなければなりません。面接で質問されることも踏まえて、学び、ポイントを抑えておく必要があります。
「やる気があること」の書き方についても、職務経歴書の記事の「嘘は書かない、でも本当は書かない職務経歴」の項目に記載しているので、参考にしてみて下さい。
職歴がないという悩み⇒発想転換を
既卒の方の場合、とりわけ30歳を超えている方の場合は、職歴がないことは大きなマイナスポイントであることに変わりはありません。
しかし、「職歴がない又は職歴が少ない」ということは、変えようもない過去の事実であり、そこで思い悩んではいけません。
職務経験がある人しか採用しない方針の会社は確かに多いです。どんなに頑張ったところで、そもそも貴方はその会社に採用されることはありません。
人材募集している企業が10社あるとすれば、8社程度は、そもそも職歴なしの既卒者を採用するつもりはないものと考えておいた方が良いでしょう。
自分のことに興味を持ってくれない会社のことで思い悩み、その会社に猛アタックする方法を考えることは無意味ですし、無駄な努力に過ぎません。
まずは発想を変えて欲しいのです。
10ある企業のうち2社程の会社は、職歴がない既卒者でも「採用しても良い」と考えている点に着目しましょう。
2割ほどの会社は、職歴なしの既卒者でも受け入れてくれるのですから、変に自分をよく見せる必要はありません。職務経験がないという事実をありのまま自信を持って曝け出せば良いのです。
過去から現在に至るまでは、職務経験がないことを隠す必要はありません。
「現在、自分はどのような状態にあるのか」
「そのような状態に至った原因は何か」
「いま現在、将来に向かって、どのように考えており、何をしているか」
ということを論理的に簡潔に説明できるようにするとともに、文字で記載できるように練り込む作業が重要になります。
上記の点については、面接でも必ず質問されるのであり、書類選考の際にもその点が評価されて書類審査の合否が決せられます。
履歴書全体からみて、採用側が理解し共感できるように記載することです。面接で話してみたいな、と感じてもらうことが重要です。
書類審査の通過率が上がる履歴書の書き方
ここまでは、職歴なし既卒者が履歴書でアピールするポイントについて、主に応募する側の視点から記載してみました。
しかし、実際に採否を決めるのは、採用担当者ですから、採用担当者の視点で読み直してみる必要があります。
採用担当者は、履歴書項目を一つ一つ詳細に見るというより、「結局この人はこういう人なんでしょ」と一言で整理しようとしています。
複数の候補者を並べてみて、
『この人はこういう人だから面接に進めてみる』
『この人はこういう人だから書類審査は通過させない』
という判断をしている現状を理解して下さい。
ですから、貴方も「私はこういう人です!」という一貫したメッセージを履歴書の記載を通して採用担当者にぶつけて見て下さい。
履歴書を出す応募者としては、個別の項目について、採用担当者に対して一貫した一つのメッセージを伝えることができるように、整理し直す必要があります。
履歴書は、最後の見直し作業が非常に重要なのであり、書類審査の合否を分け目となる重要ポイントになります。
書類審査にパスすることは容易ではありません。しかし、書類審査を通過さえすれば、内定への道が見えてきます。
学生時代そしてこれまで、何を思って、どのように考え、どのような人生の選択をしてきたのか。ということをストーリーを持って語れるようにしましょう。
その他の履歴書アピールポイント
最後に、細かなことかもしれませんが、採用担当者が結構注意を払って見ているポイントについて記載します。
配偶者欄
配偶者がいるか、結婚しているのか、子供がいるのかいないのか、ということを注意している採用担当者は結構多いものです。
この人は採用されないと困ることにはならないだろうか?
とか、
この人は結婚していて子供もいるから、頑張るしかないはずだ。入社したら活躍してくれるだろう!
ということを、考えたり話したりしています。
婚約者がいて、採用されたら結婚するつもりです、ということもアピールポイントになったりもします。結婚するから頑張ってくれるだろう!ということです。
大学時代の部活動、役職
学生時代に運動していたことは、会社によってはプラス評価に働くケースが多いでしょう。
・実績はどうだったか
・どのような目標に向かって頑張っていたか
・役職は何だったか
・現在も部活やスポーツと関わりはあるのか
スポーツ系のネタは、書いておいて損はありません。なるべく記載すると良いでしょう。
最後に 〜就活に挑む皆様へ〜
書類選考に通過することは、一般的には容易なことではありません。
しかし、一定のお作法に則って書くことができれば、書類審査の通過率は飛躍的に高まるでしょう。
何度も読み直してブラッシュアップしていくことが重要です。
職務経歴書も書く必要がある方は、そちらも早めに準備しておきましょう。
↓職務経歴書の書き方のコツはこちらから↓