転職潜在層にアプローチできる「採用広報」とは?キャンディデートジャーニーマップを用いて徹底解説!
みなさんご無沙汰しております。
即戦力RPOです。
本日は採用において一番多い悩みであろう「母集団形成」についてお話ししたいと思います。
母集団を形成する方法として、スカウト送付数を増やす、ペルソナにあった媒体選定をする、タイトルをABテストするなど、様々な手法がありますが、今回は潜在層に最も有効な母集団形成の方法をお伝えします。
4500文字とかなり超大作になってしまいましたが、最後までぜひご覧ください!
1.母集団形成ができていない企業の特徴
『採用ができない!』と嘆いている人事ほど、新しい変化に対する柔軟性を持っていないと感じます。皆様もご存知の通り、少子高齢化の影響による採用市場の変化は、多くの企業にとって課題となっています。
状況が大きく変わったにもかかわらず、市場分析が不十分であったり、古い採用手法を続けていたりすることは、多くの組織で見られる課題です。市場やビジネス環境は絶えず変化しており、成功するためには適切な対応が必要です。
あともう一つ、顕在層にしかアプローチしていない企業が多いです。
みなさん、採用広報に力を入れていますか?
採用強化、母集団形成のために、スカウト送信だけに力を入れるという間違いをしていないでしょうか?採用広報はどの企業でもできて、かつうまくいくと採用に莫大なインパクトを与えることができます。
2.採用広報は「転職潜在層」にアプローチが可能
YOUTRUSTが行った「求職者・候補者の転職意識の実態」に関するインターネット調査結果において、約3300名の20歳から49歳までの男女にアンケートを実施しました。その結果、転職潜在層は7割にのぼり、一方で顕在層はキャリア市場に対して3割しかいないという結果になりました。
この結果を見てわかる通り、顕在層だけでなく、並行して潜在層にもアプローチしている企業は安定的な母集団形成ができており、ここで採用の差がつきます。
実際に60%の人が最初から希望していなかった企業に転職を決めているので、いかに潜在層にアプローチすることが重要かがわかります。
潜在層に対してしつこく口説き落とす企業もいますが、それよりも採用広報を強化して、自社の「認知」をあげることから始めましょう。
では具体的に採用広報はどんなことを行うのか見ていきましょう。
3.採用広報とは?
採用広報とは基本的な募集要項だけでなく、具体的な仕事内容や働き方、雰囲気や現場の声をコンテンツとして配信することを指します。
例えば、どんなにいい商品があっても顧客に認知をしてもらわないと売上にならないですよね?皆様が今手にとっている商品も、テレビのCM、SNSの口コミ、街中のポスターなど広報から『認知』に至っていると思います。
このように、商品の購買フローと同様、会社も候補者に認知してもらわないと採用に繋がらないのです。
ではこの採用広報を用いて潜在層の候補者に自社を認知してもらうには具体的に何をすればいいのか。
それは「キャンディデートジャーニーマップ」を作ることです。
4.キャンディデートジャーニーマップとは
キャンディデートジャーニーマップとはマーケで使用されるカスタマージャーニーマップの採用バージョンであり、求職者の「認知」から「内定承諾」に至るまでの行動を要素分解し、フレームワークとしてまとめたものです。
では早速具体的な作り方を見ていきましょう。
4-0.ペルソナ作成
まずペルソナ作成です。
認知は不特定多数ではなく、自社がターゲットととおいている人物に伝えることが重要です。このターゲットを『ペルソナ』といいます。
ペルソナとは「自社が採用したい理想の候補者」のことを指します。
年齢、住まい、転職の軸と、細かく設定すればするほど解像度が高くなり、ペルソナに刺さる濃いコンテンツを作ることができます。
一方でペルソナを設計しなかった場合、当たり障りのない募集記事やコンテンツを作成してしまい、結局誰に向けた記事か伝わらず、母集団形成ができないというオチになります。
また、市場感を見ずに自社の理想とする条件を詰め込み過ぎるのもよくないです。必ずMUST要件(採用する上で必須の条件)とWANT要件(なくても問題ないがあったら嬉しい条件)を設けましょう。
ペルソナを作り終えましたら、本格的にキャンディでートジャーニーマップを作っていきます。今回は選考に入る前の段階の「認知」「興味」「検討」「志望」まで作成します。
4-1.「認知」
認知とは候補者が自社を知ってくれる”きっかけ”の部分であり、先ほど設計したペルソナに刺さるようなコンテンツを作らなければなりません。
というのも、認知段階の候補者の心理は「企業名を聞いても知らず、なんの印象も抱いていない状態」なので、不特定多数向けのコンテンツは余計刺りずらいのです。
例えばジュニア層向けのエンジニアをペルソナにおいた場合、
「1年で年収300万から500万にあげたエンジニアのキャリアパス」や
「ジュニア層エンジニアがミドル層エンジニアになるための最短ロードマップ」など、現在置かれた立場に共感したコンテンツは刺さりやすいでしょう。
このように、認知の段階では採用に直結する内容よりかは、自社のPV数を上げるために『どうやったらペルソナに刺さるのか』を焦点において作成しましょう。
また、自社を知ってもらうきっかけを増やすためにも、なるべく様々なチャネルを使用することを推奨します。その中でもTwitterは拡散力、ユーザー数が圧倒的多いため、採用広報にこれから力を入れたい方におすすめです。
4-2.「興味」
「興味」は候補者が企業への関心を強めた時のフェーズです。
このフェーズに入ると、より具体的な部分まで知ろうと、求職者自ら企業研究を行います。
印象に残りやすくするためにも、『自社にしか語れないミッションや展望=ストーリーテーリング』の力が非常に重要になります。
例えば社員インタビューや創業者インタビューなどメジャーなものだけでなく、「候補者からよくいただく質問を一問一答式で答えてみた」など、候補者が次のフェーズに踏み込みそうな内容を作るといいです。
SNSで拡散されやすいnoteや、広報の採用媒体と言われるWantedlyを活用することをおすすめします。
4-3.「検討」
検討は応募するかどうか迷いフェーズです。
候補者は先ほどの興味とは異なり、本当にこの企業でいいのかネガティブな要素を探し始めるだけでなく、『この企業に入ったら何ができるのか』と現実的なメリットも探し始めるのです。
まずは「EVP(従業員価値提案)=企業が従業員へ提供できる価値」をアピールすることから始めましょう。福利厚生や、メンバーのキャリアパスなど、企業ごとにEVPが異なりますが、競合と市場を分析した上で、自社が提供できるEVPを定めましょう。
続いてネガティブな要素についてです。これに関しては、あえて社員同士で課題について話し合い、『どうやったらもっと会社が良くなるのか』というポジティブ方面に転換するのも一つの施策です。
強みだけでなく、弱みも含めありのままの姿を伝えることで、求職者からの信頼を勝ち取る事ができます。ラジオやYouTubeなどメンバーの雰囲気が伝わるチャネルで発信するのを推奨します。
4-4.「応募」
本格的に選考に入る第一歩目のフェーズです。
特に潜在層の求職者はあまり転職に対して前向きに考えていないことから、荷が重い選考を望んでいません。そのため『まずは話を聞いてみたい』というカジュアル面談の場を設けることは効果的です。
ただここで一つ注意していただきたのは「認知」〜「検討」まで、どんなにいいコンテンツを作っても、人事の人柄に問題があったり、グリップ力が弱いと離脱につながってしまいます。
面談時に自社の課題や要望など、一方的な話ばかりになっていませんでしょうか?
例えばエンジニアのカジュアル面談であれば、
『今この課題があるので入社したらこのポジションでこんな成果を出して欲しい』と自社の課題や願望を一方的に伝えるのではなく、
『3年後に〜〜まで会社を成長させたいんですけど、今こういう課題を抱えていて、そこで〇〇様の経歴を拝見し、ぜひ弊社でお力添えいただきたいと思いました』など、働く未来を想像させてくれる面談だと、候補者の温度感を高める事ができます。
上記であげた①~④のフェーズのうち、自社はどこに課題があるかを特定して、優先順位をつけてコンテンツを作成していくといいです。
5.採用広報コンテンツよく使われるチャネル
◾️Wantedly
月額5万円から始められる採用媒体。ストーリーコーナーがあり、社員インタビューから創業ストーリーなど、自社について自由に発信することができます。記事が上位にランクインすれば、多くの候補者の目に留まり、「認知拡大」に繋げることができます。
◾️Notion
エンジニアの採用要件をまとめたチャネルとして使用されることが多く、開発環境や、使用言語、福利厚生など、エンジニア採用について具体的な部分まで知ることができます。(https://note.com/konkon4192/n/n8986aadb9656)
◾️Green
PR記事、社員の声、インタビュー記事と三つの枠が設けられており、自社の魅力を伝えることができます。
PR記事→主にプロダクトや資金調達について発信
社員の声→在籍している社員のインタビュー
インタビュー記事→社内の一名に(代表やCTOが多い)企業の魅力や入社のきっかけなど濃い内容を語ってもらう
◾️採用ピッチ資料
企業の取扱説明書のようなものです。会社の売上、待遇、福利厚生、給与テーブルなどこれを見るだけで企業の概要を知る事ができます。
はじまりはSmartHR社でしたが、今では多くの企業が真似しています。応募数が5.3倍に増加だけでなく、企業のPV数が増加したりなど、さまざまな効果が見られます。
◾️note
各SNSでシェアをしやすいことから、SNS×noteは親和性が高く、良質なコンテンツを書けば多くのユーザーに拡散してもらえるのが特徴です。採用広報だけでなく、ノウハウの発信や自己紹介で使用する方も多いです。
◾️SNS
自社の日常をSNSで発信することで、会社の認知を拡大するだけでなく、個人にファンをつけることができます。稀にDMでカジュアル面談を希望する方もいるため、思いがけない接点から採用に至ることもあります。
◾️自社ブログ
自社のタイムリーな情報を届けることができる。
・メルカリ(https://mercan.mercari.com/tags/blog/)
・サイバーエージェント(https://developers.cyberagent.co.jp/blog/)
が開設していることが多く、エントリー前に現在開発しているプロダクトや、言語の活用術、チームの目標など社員になった気持ちで企業の魅力を知ることができます。
◾️YouTube
メンバー同士の会話を載せることで、働いている人の雰囲気を知ることができます。一番親近感が湧く採用広報ですが、撮影や編集などその分手間もかかるため、あまり取り入れていない企業が多いです。
まとめ
採用広報について理解が深まったでしょうか?
今まで顕在層にしかアプローチしていなかった企業様もこれを機に広報に力を入れ、潜在層の候補者にもアプローチしてみましょう。
最後、告知になりますが、自社の採用広報を強化したい方はぜひ下記お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください!
即戦力RPOでは採用広報の支援も行っており、会社のストーリー作成やNotionページの作成など、多方面で支援させていただいてます。