【蓮ノ空】蓮ノ大三角の隠しモチーフについて考察してみる
「蓮ノ大三角の三人にはアンデルセン童話という共通モチーフがある。」
そんな与太考察を思いついたので、以下に記す。
きっかけは2024年12月25日、クリスマス。
『Link!Like!ラブライブ!蓮ノ空スクールアイドルクラブ』にとあるカードが実装された。
[KEY of Like!]藤島 慈 である。
藤島先輩推しである私は当然手持ちの石をぶっぱして、無事おむかえすることができた。
早速特訓ボイスを聞くと、
「これが『KEY of Like!』。 私の過ごした、おもちゃ箱のような三年間を詰め込んだ、私と、仲間と、みんなの曲だよ!」
と言っていた。
「おもちゃ箱」というワードと、兵隊のような衣装から、ああこれは「おもちゃの兵隊」モチーフなのだろうな、と思った。
そういえば、「おもちゃの兵隊」というワードはよく聞くが、元ネタというか、源流を私はよく知らない。
そこで少し調べてみると、すぐにわかった。
アンデルセン童話「すずの兵隊」。
「マッチ売りの少女」や「おやゆび姫」などは読んでいたが、これは知らなかったのであらすじを調べて驚いた。
"一本足の"兵隊のおもちゃが
窓から"落ちて"
流れ流れて元の家に"帰ってきて"…
最終的にすずの"ハート"になる。
藤島慈ィィィ―――――!!!!!
横転(よこまろ)びである。
活動記録で「この曲は藤島慈の三年間の集大成である」とは言っていたが。
よもや卒業を目前にして藤島先輩が「すずの兵隊」であったと知ることになるとは思わなかった。
ひとつのモチーフが浮き彫りになると、他にも関連性を探してしまうのがオタクであろう。
アンデルセン童話と言えば、すぐさま思い浮かぶのは「人魚姫」…乙宗梢のカラー、"マーメイド"グリーンである。
ただ、これに関しては本人がインタビューにおいてμ`sの『Mermaid festa vol.1』を自分の転機になった曲として挙げているため、そちらにあやかった可能性も否めない。
そもそも童話「人魚姫」といえば悲恋の話で、あらすじや原作本文を見ても海底から水面を見上げていた(=天体観測が趣味)こと、
海の世界(=乙宗家の期待)を振り切って地上(=スクールアイドル)を目指したことくらいで、「すずの兵隊」に比べると弱い気がする。
もう少し根拠が欲しいところだと思い、スクステWIKIでカード演出ボイスをさらってみたところ、ひとつのセリフが目に留まった。
[18th Birthday]乙宗梢の特訓時ボイスだ。
これだ!と思った。
アンデルセンの「人魚姫」では、15歳を迎えると地上に出ることを許される。
わざわざ「"15歳の誕生日"のことだった」と明言しているからには、何かしらの意図を感じざるを得ない。
根拠として用いるには十分ではないだろうか。
最後に、夕霧綴理について。
これはXで蓮の大三角=アンデルセン童話の可能性についてつぶやいた際にリプライでもいただいたのだが、やはり「みにくいあひるの子」が有力だと思う。
「みにくいあひるの子」といえば、周囲と違う見た目故に疎外されていたあひるの子が、最終的には憧れていた美しい白鳥に成長してはばたいていく、という物語だ。
夕霧綴理は、あひるの子のようにいじめられてなどいないし、容姿や能力もむしろ高く評価されている。
だがそれがかえって、本人がわからないままに周囲からもてはやされることになり、戸惑いと疎外感を感じていた。
そして、そんな自分は憧れてやまないスクールアイドル(=白鳥)になれないと思い悩んでいたのである。
しかしそれは、さやかと出会い、沙知先輩との和解を経ることで成長し、今では自らをスクールアイドルであると認めることができるようになった──
「みにくいあひるの子」とは周囲と自分の認識が逆転しているだけで、大筋としてはかなり沿っているように思える。
さらに言えば、部室の置き物「ぺきんだっく」の存在である。
トサカもあるしどう見てもニワトリなのだが、綴理はこれを「ぺきんだっく」と名付け、一番かわいがっている。
そして[バアドケージ]夕霧綴理のスペシャルアピール名はエクステボルテージ"ダック"、生成されるトリカゴカードのカードイラストもぺきんだっくである。
これだけ揃えば、夕霧綴理のモチーフは「みにくいあひるの子」であると提唱してもいいだろう。
以上のことから、蓮ノ大三角にはそれぞれ
藤島慈:『すずの兵隊』
乙宗梢:『人魚姫』
夕霧綴理:『みにくいあひるの子』
と、アンデルセン童話という共通モチーフがあると結論づけた。
ただ留意すべきは、これはあくまで
「キャラクターを構築する際に軸としたのではないか」というだけの点である。
「みにくいあひるの子」はともかく、「人魚姫」は恋かなわず泡となって消えるし、「すずの兵隊」は家に戻っても暖炉に投げ込まれ、
とてもハッピーエンドとは言えない結末を迎える。(空気の精になったりすずのハートとして残ったとしても)
彼女たちの未来までもが童話をなぞるとは、私は思っていない。
なぜなら、乙宗梢には日野下花帆が、藤島慈には大沢瑠璃乃が、夕霧綴理には村野さやかがいるからだ。
いずれもバッドエンドフラグをへし折る運命力を持ったトリックスターであり、ファム・ファタールである。
今までがそうだったし、これからもきっとそうだろう。
これを書いている時点ではまだ、ラブライブ決勝前、そしてその後には卒業を控えている。
蓮ノ大三角が笑顔ではばたいていくことを、心から願っている。
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最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
はじめに書いた通り、これはただの与太考察です。
ホントにこうだったら面白いな、という私の願望が多分に含まれておりますのであまり真に受けず、「ようやるわ」くらいに笑っていただければ幸いです。
それでは、また。