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.* こどもに多い病気とその対応 *.

おはようございます!
チャイルドマインダーのみぎたです(*'ω'*)

保育園で保育補助をしたり、訪問保育をしたりしています。


今日は、日常的にこどもによく見られる病気や慢性的な病気とその対応のしかたをご紹介したいと思います。
※家庭訪問保育の理論と実際、小児MFAのテキストなどを参考にさせていただきます。


◆日常にみられる病気◆



➀かぜ症候群

風邪とは日常でよく耳にする言葉ですが、「かぜ症候群」とほぼ同義と考えられます。かぜ症候群とは、数多くの原因ウイルスの感染によって引き起こされる呼吸器症状や消化器症状などをきたす病気の総称で、人から人に移る感染症です。

対応 — 子供の体調の変化をよく観察し、悪化させないよう普段よりも静かな規則正しい生活を心がけ、部屋の温度・湿度を一定に保つようにすること、消化の良いさっぱりとした食事を準備するなどの対応が大切です。


②熱性けいれん

乳幼児が発熱とともに突然けいれんを起こすことを「熱性けいれん」といいます。体全体を硬直させたり、手足をがくがくと震わせる、歯をくいしばって一点を凝視する、白目をむくなどといった状態にもなります。通常、数分で落ち着き、呼吸も元に戻ります。

対応 — 周りにぶつかりそうなものや落ちてきそうなものなど危険なものがないかを確認し、こどもをケガから守ります。口の中には指や何かを入れるようなことはしないこと。衣服をゆるめ、できればこどもの身体を横向きにし口の中の唾液を流し出します。嘔吐をする場合もあるので、このように顔や体を横向きにして吐物がのどに詰まることを防ぎます。
熱性けいれんを起こしたことのあるこどもの中には、熱の出始めに予防薬を使用する場合があるので、「熱性けいれん」の既往の有無を必ず確認する必要があります。
保育中にけいれんを認めた場合熱性けいれんの可能性が高いですが、それ以外の髄膜炎、脳炎などの中枢神経感染症による重症なけいれんも否定できません。けいれんを認めた場合には熱性けいれんと決めつけず、救急車を呼ぶなど最悪の事態を想定して対応することが重要です。


➂気管支喘息・気管支喘息発作

気管支喘息発作は、気管支の収縮や気管支粘膜の炎症などによって空気の通り道が狭くなり、呼吸が苦しくなる状態をいいます。この発作は、風邪やアレルギー反応などを誘引に突然起こることが多く、息を吐くときに「ゼーゼー」といった呼吸音が聞こえたり、呼吸をするたびに肋骨の間やのどの下あたりがへこむ陥没呼吸を認めたりします。

対応 — 過去に気管支喘息と診断されている、あるいは「ゼーゼーしやすい」こどもは、継続的服薬や発作時の頓服薬を指示されている場合が多いので、家族に確認してくことが大切です。初めてゼーゼーして喘息発作のようになった場合には、家族を連絡を取り早めに医療機関を受診する必要があります。


④急性中耳炎

風邪をひいたときなどに、のどからの細菌が耳管を通り中耳に炎症を起こすのが急性中耳炎です。乳児は成人に比べ時間が短く自分で鼻をかむことができないので、風邪をひいたときなど中耳炎になりやすいといえます。

対応 — 風邪をひいて機嫌が悪い、あやしてもどこか痛そうに強く泣く、なんとなく手を耳のほうに持っていく仕草をする、そして発熱がある場合には耳に異常がないかどうか注意する必要があります。中耳炎が疑わしい場合には、保護者に連絡し、耳鼻科や小児科を受診してもらいます。中耳炎を繰り返すと聴覚障害を起こし、それが言葉の発達に影響することがあるため、適切な対応を心がけなければなりません。


⑤アトピー性皮膚炎

アレルギーにより皮膚炎を起こした場合をアトピー性皮膚炎といいます。卵・大豆・牛乳などの食品が原因の場合もありますし、ダニやほこりなどが原因の場合もあります。

対応 — 皮膚を清潔にし、そのこどもにあったクリームやローションなどでのスキンケアが基本となります。夏の汗や冬の乾燥など季節を意識しながら常に皮膚に対する刺激の影響を考えて、適切な対応をしましょう。


⑥食物アレルギー

特定の食物が原因となり、さまざまなアレルギー反応による症状が出ることです。アレルギーの症状は以下のように多種であり、原因も、卵、牛乳、小麦、大豆など多種にわたります。
・皮膚症状   ・・・じんましんや赤い発心、全体に赤くなる紅潮など
・呼吸器症状  ・・・咳、喘鳴、鼻水、鼻づまり、くしゃみなど
・眼の症状   ・・・眼のかゆみ、充血、目やに、目の周りの腫れなど
・消化器症状  ・・・口の違和感、口唇の腫れ、腹痛、下痢、嘔吐など

※アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、アレルギーを持つこどもへの保育中の対応に関しては、
厚生労働省による「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を参照してください。


⑦とびひ(伝染性膿痂疹)

細菌感染によって起こされる皮膚の化膿症です。肌には目に見えない無数の傷があるので細菌が感染するとその部分が赤くなり、やがて水疱から膿疱になります。そこをひっかいた手で他の部分に触れると、手についた膿が他の部分につき、またそこが化膿します。このようにしてあちこちに広がるので「とびひ」といい、虫刺されや汗をかいたりする季節に多く見られます。化膿のためにリンパ節が腫れることがあります。湿疹やアトピー性皮膚炎があった場合には、「とびひ」が広がりやすいので注意が必要です。


⑧水いぼ(伝染性軟属腫)

ウイルス感染によって起こる皮膚の病気です。直径1~3mmくらいの表面が滑らかないぼ状の皮膚病変が、胸、脇の下、肘、ひざなどにでき、大きいものではえんどう豆大になることもあります。

対応 — 3か月から1年くらいの経過で自然に治癒しますが、中にはピンセットで除去する場合もあります。こどもが掻き壊すことがないように見守ることが大切です。


◆緊急の対応が必要な病気



➀腸重積症

腸重積症は、何らかの原因で腸の一部が腸に入り込み重なってしまう病気です。重なった腸の部分が締め付けられ痛みが強くなり、突然強く泣いたり、うずくまったりします。この痛みは繰り返すことが特徴で、「間歇(かんけつ)的腹痛」と表現されます。その他、嘔吐、血便などの症状を認めることもあります。発症年齢は生後半年から1歳半ごろまでに多く、この年齢の場合は「腹痛」ではなく「繰り返す不機嫌」という症状と考えられます。

対応 — このような症状が現れたときは、「腸重積症」という病名を思い出してください。そして、その後に繰り返す不機嫌(腹痛)を認めた場合には、医療機関を受診しましょう。


②乳幼児突然死症候群(SIDS)

直前まで健康な乳幼児が睡眠中に死亡し、死後解剖をしても異常がないということがあります。原因はまだ確定されていませんが、実際にそのような場合があるということで、これを乳幼児突然死症候群(SIDS)といい、現在も原因究明が続けられています。厚生労働省はSIDSの定義とし「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が特定されない。原則として1歳未満児に突然の死をもたらした症候群」とし、病気の概念としては「主に睡眠中に発症し、日本での発症頻度はおおよそ出生6000~7000人に一人と推定され、生後2か月から6か月に多く、稀に1歳以上でも発症することがある」とされています。
「うつぶせ寝」との関係については欧米においても特に注目され、予防のためには首がすわるまではうつぶせにしないようにするということで、実行に移されました。その結果、欧米でのSIDSの発症が減少し、後にわが国においてもSIDSは減少しました。SIDSは除外診断ではなくひとつの疾患単位であり、その診断のためには、SIDS以外に突然の死をもたらす疾患および窒息や虐待などの外因死との鑑別が重要になります。

対応 — 保育時、3歳になるまでは、睡眠時の呼吸の状態をきめ細かく観察し、あおむけ寝にすることが大切です。
SIDSに対する対応は、心肺停止という事態なので、心肺蘇生法についてはもちろん、緊急時の対応について常日頃から確認しておきましょう。



※家庭訪問保育の理論と実際、小児MFAのテキストの中から抜粋しています。

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