[DET]デビュー前のColt Keithと長期契約
現地1月28日、タイガースはMLBデビュー前のプロスペクトColt Keith(コルト・キース)と長期契約を結びました。今回はこの契約について簡単にまとめていきたいと思います。
Keithのプロフィール・経歴
Keithは現在22歳の強打の内野手(主に2Bと3B)で、2020年のドラフト5巡目でタイガースが指名し、アリゾナ州立大へ進学予定だったところをオーバースロットの$50Kを提示して契約しました。
2022年に48試合の出場ながら1A+で.301/.377/.544を記録し、オフのアリゾナ・フォールリーグでも活躍して密かに注目を集めると、21歳で迎えた昨年は2Aと3Aで合計126試合(2A59試合、3A67試合)に出場して.306/.380/.552/27HR/101RBI/140wRC+と大ブレイク。5月には2Aでサイクルヒットを記録しました。
MLB公式のTop100プロスペクトランキングでは開幕前は圏外ながら、シーズン終了時には25位まで上り詰めており、先日更新された最新版では22位にランクインしています。
契約内容
保証されているのは2024年から29年までの6年間で総額約$28.6M。最大でも年$5Mと格安になっています。2030年から2032年までの契約はそれぞれ$10M、$13M、$15Mのクラブオプションで、活躍次第で昇給するシステムのようです。オプションが全て行使され最大まで昇給した場合の契約総額は9年$82Mとなっています。
報道によればKeithは婚約者がいる中で、家族を十分に養える経済的な安定を求めていたようで、格安とはいえ最低年俸($740K)をはるかに上回る金額をデビュー当初から手にできる点が魅力的だったのではないでしょうか。タイガースとしても仮にKeithが通用しなければオプションを破棄できますし、期待通り活躍してくれればかなり安い金額で最大9年間保有できる、ローリスクハイリターンな契約となっています。
今後の見通し
編成本部長のScott Harris曰く、Keithが今年の開幕をMLBで迎えることが決定しているわけではないとのことで、スプリングトレーニングから2Bのレギュラーを目指すことになるようです。目下のライバルは昨年11本塁打を記録してプチブレイクしたAndy Ibanezと、ユーティリティ部門でゴールドグラブ賞のファイナリストに選出されたZach McKinstryでしょうか。2人とも絶対的な存在ではないので、是非ともKeithにレギュラーの座を勝ち取ってもらいたいですね。
2Bと同じくレギュラーが空位な3Bを任されるのではと考えていましたが(実際にマイナーでも3Bの方が守備機会が多い)、フロントとしてはKeithを2Bに回し、3Bは同じくトッププロスペクトで今年の昇格が予定されているJace Jung(レンジャーズのJosh Jungの弟)に担ってほしい意向があるようです。
自前の野手がとにかく育たないタイガースですが、昨年はSpencer Torkelson、Riley Greene、Kerry Carpenterの2年目トリオが揃ってブレイクするなど、徐々に風向きが変わりつつあります。Keithも彼らに続き、近い将来フランチャイズプレイヤーへ育ってくれることを願っています。