[DET]2022年戦力分析 野手編
遂に2022年シーズンが開幕しましたね(DETは日本時間9日の深夜に開幕)。前回の投手編に続き、今回は野手の戦力分析を行なっていきたいと思います。
投手編の記事はこちら↓
主な入退団
捕手
昨年は正捕手として獲得したウィルソン・ラモスが不振と怪我により6月に早々とリリースされ、長打力を武器にブレイクしたハース、元トッププロスペクトのロジャースはいずれも経験不足に加え怪我がちで守備に難ありと、年間通じて捕手の運用に苦労しました。
これを受けて、ワールドシリーズ終了の翌日にCINとのトレードを成立させ、ゴールドグラブ賞2度受賞の守備型捕手バーンハートを獲得しました。
交換相手のニック・クインタナは昨年1AとRkで打率1割台に終わるなどかなり評価を落としており、彼1人との交換で成立したのはかなりお得なトレードだったのではと思っています。
バーンハートを正捕手に据えることで、昨年DRS−14に終わった捕手守備は少なからず改善されるでしょう。ハースは昨年疲労からか後半戦に大きく調子を落としたため、今年は彼のDH起用を増やして、守備の負担を軽減することもできます。異様に長打率が高いベテランのガーノーも控えており、悪くない布陣だと思っています。
内野
一塁
注目はやはり2020年ドラフト全体1位指名のトーケルソンでしょう。既にロースター入りしており、開幕戦でのMLBデビューが濃厚です。
トーケルソンはポール・ゴールドシュミット(STL)やピート・アロンソ(NYM)と比較される大砲で、昨年は1A+、2A、3Aで合計30本塁打を放ちました。各媒体のプロスペクトランキングでは軒並み5位以内にランクインしており、今年の新人王の有力候補にも挙がっています。来年限りでの引退を表明しているカブレラ(ミギー)の後継者としての活躍に期待です。
ミギーは今年もDHで開幕を迎えることになりそうです。衰えは顕著ですが、通算3000本安打まで残り13本としており、4月中には達成できるでしょう。そしておそらく、記録達成後は若手を優先して先発出場の機会を減らし、代打中心の起用になるのではと思われます。未来の主砲トーケルソンのメンターとなり、これまでのキャリアで培ってきた技術を伝授してくれると嬉しいですね。
二塁
トーケルソンの昇格により、昨年打率と打点でチーム二冠王となったスコープが本職に復帰します。基本的には彼を中心に、伸び悩みが続く2人のカストロがバックアップで起用されることになります。怪我人が出た場合、STで打撃好調だったジャック・ロペスの昇格も考えられます。
三塁
今や完全に正三塁手となったキャンデラリオが今年も不動のレギュラーですが、パワー面は若干物足りません。今年はチームリーダーとして、昨年以上の成績を期待しています。特に、未だ達成したことのないシーズン20本塁打をクリアしてほしいなと思っています。
クライドラーは昨年後半戦に3Aに昇格し、少ないサンプルながらもOPS.926と見事な打撃を披露しました。昨年は主に遊撃を守りましたが、今年から三塁にチャレンジしています。今年中のデビューが予想されていますが、内野は現状守る場所がないため、先発出場の機会はさほど貰えないでしょう。チームが補強に動いた場合はトレードでの放出もあるかもしれません。
遊撃
ヒンチ監督との繋がりもあり、今オフのFA市場で最大の目玉だったカルロス・コレア獲得の有力候補に挙がっていたDETですが、フロントは3億ドル以上の契約をオファーすることを渋り、争奪戦から撤退。コレアより2歳年上で評価は劣るものの、より安価で契約できるバエズに乗り換えました(まさかコレアが同地区のMINに行くとは思いませんでしたが…)。
バエズは選球眼という大きな弱点を抱えるものの、30本塁打前後が見込める長打力に加え、華麗な守備・走塁でファンを沸かせる正真正銘のスターです。個人的に2017年のWBCで見せたこのノールックタッチが一番印象に残っています。
昨年は主にウィリ・カストロとニコ・グッドラムが担っていた二遊間ですが、今年は共にオールスター、WBC選出経験のあるスコープとバエズに変わり、攻守共に大幅なアップグレードとなりました。CHC時代の旧友キャンデラリオとの三遊間にも注目です。
外野
外野は開幕直前に大きなサプライズがありました。当初の構想として、リーグ最高峰の選球眼を誇る出塁の鬼グロスマン、ルール5ドラフトの星バドゥーの2人が両翼を固め、センターにはトーケルソンと並ぶもう1人のトッププロスペクトであるグリーンが入る予定でしたが、そのグリーンがST終盤に自打球で右足を骨折し、開幕絶望。全DETファンが悲しみに暮れる中で電撃トレードが成立し、TBから強打者メドウズを獲得しました。彼の弟パーカーもDET傘下に所属しており、数年後には兄弟揃っての出場も見られるかもしれません。
メドウズの加入により、長打力が大きく向上しました。布陣としてはバドゥーをセンターに回し、グロスマンとメドウズが両翼を守ることになりそうです。また、グリーンが復帰して昇格してきた際は守備に不安のあるメドウズをDHに入れることになるのではと思います。媒体によってはトーケルソンをも上回る評価を受けるグリーンのデビューが延期になったのは非常に残念ですが、その穴を埋めるべくすぐさま補強に動き、あと3年保有できるメドウズを獲得したフロントの動きは素晴らしかったと思います。一方、伸び悩みが続くヒルとキャメロンはさらに厳しい立場に追いやられることになりました。
総括と今年の展望
2017年途中に再建に入って以降では初めて大胆な補強に動き、コンテンドに向けた土台を整えました。バエズ、メドウズは30本塁打前後が期待でき、バドゥーも20本塁打、20盗塁を達成できるポテンシャルはあると思っています。そして、共にMLB全体5位以内にランクインするトッププロスペクトのトーケルソンとグリーンがどのような成績を残すかが非常に重要です。左右のスラッガーコンビとして打線を牽引してくれることを願っています。
最後に今年の展望を少し。補強により昨年開幕前と比べると投打共に見違えるほど素晴らしいロスターとなりましたが、同地区のCWSやMINも補強に動いていることもあり、ワイルドカードでのポストシーズン進出は難しいのではないかと思っています。しかしその一方で、5年間続いているシーズン負け越しをストップすることは十分可能だと考えています。目標は85勝くらいでしょうか。期待を込めてCWSに次ぐ地区2位でシーズンを終えると予想します。
長文になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。今シーズンもどうぞよろしくお願いします。誤情報などありましたらコメントで指摘して頂けると幸いです。
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