『ペルソナQ2』に『タンポポ』はでるのか
でるかい!
そんな野暮な突っ込みはよしておくれ。私は今日、神楽坂でとても機嫌よく、「竹子」という知る人ぞ知る安い居酒屋でたらふく飲み、機嫌よく帰り道を行っていたのよ。
昼過ぎに美容室に行って、『クローズZERO』での小栗旬の髪型にしてもらい、大満足。何せ機嫌がいい。そんな、ふとした帰り道、ずっと気になっていた飯田橋駅前に鎮座するいわゆる「路上ラーメン店」が目に入った。気になってはいたものの、やれダイエットが~だの、やれ今はおなか一杯だ~だのと、なかなか着席する機会を設けることができないでいた店だ。
私は、今だ、今! この小腹の空きっぷり、醤油味という、ある種あっさりめの塩分の補充。今こそここの味を確かめるべきだと確信した。
席にはまだ空いたどんぶりが置いてあり、まあ気にせずに、と思ったときに、交通整理をしていたお兄さんがそのどんぶりを店主に向かってそっと手渡す。あたかも店員のように。もう長い関係なのかな、というのが分かったけれど、そのままお兄さんは、「タクシー乗り場はこちらです~」と自分の仕事を続けている。
待つこと数分で出てきた、なんの変哲もないラーメンを見て、私は伊丹十三監督の『タンポポ』という映画を思い出した。
それは、未亡人の売れないラーメン店主が、タンクの運転手の男性とひょんなことから知り合い、潰れかけた店を立て直すというコメディ映画だ。大好きで何度も見返した映画だけれど、よく覚えているのが、ライバル店に視察に行ったシーンで、「ここの麺は小麦粉とカンスイの割合が~」という、主人公がラーメンというものを理解し始め、他店の味にまで口を出せる程に成長した場面だった。私は、飯田橋の路面店の、冷やし中華のような麺をみて、そのシーンを思い出して、ひとりでニヤニヤとしてしまった。
私は押井守作品あるあるのひとつでもある「立ち食い蕎麦屋の描写」も好きで、蕎麦やらーめんに不思議な思い入れを感じている。昔、蕎麦粉なんか入っちゃいないような立ち食い蕎麦屋に入った時、客のひとりが「なんだこりゃあ。蕎麦じゃねえ。うどんじゃねか」と店員にクレームを入れているのを見て、ああ、立ち食いのプロか、と内心でほくそ笑んだ。
そんな描写が、『ペルソナQ2』でもあればいいのに。『ペルソナQ2』のテーマは、「ニューシネマラビリンス」らしい。きっと、想像でしかないけれど、いろいろな映画のオマージュが入っていて、思わずニヤリとしてしまうようなものが含まれているんじゃないかと邪推している。
発売前だからこそ言える、『ペルソナQ2』はこの映画をモチーフに入れているかも?!!?!?なんて妄想はとても自由だし、発売前だからこそのそれを広げることができる。
私は、『Q2』内でキャラクターたちが、スープや麺にうんちくを垂れながらラーメンをすする姿を想像してニマニマした。きっとF.O.Eは白いスーツを着たヤクザだ。最後は、『タンポポ』を行列のできるラーメン店にしてその章は終わる。そんなのがあったら、楽しいのに。