東方キャノンボールと因幡てゐ+東方LWも少しだけ
この記事は下記に当てはまる方向けの内容です。
・ソシャゲに心と財布を囚われている
・東方projectを知っている
・東方キャノンボールまたは東方ロストワードをプレイしている
・東方projectの因幡てゐちゃんがすき
この前置きに関わらず本文を読もうと思った方はてゐが好きに違いないから、悪い人はいないと思う。因幡てゐかわいいよね。一緒に暮らしたい。お世話させてほしい。
さて、因幡てゐは東方projectに登場するキャラで、因幡の素兎がモチーフとなった幸運の兎と言われている。東方キャノンボールでもその性能から人気を博しているし、今でも私がお勧めしたいキャラTOPに君臨しているのは間違いない。
この記事では東方キャノンボールにおけるてゐの存在が課金プレイヤーと無課金プレイヤーにどのような影響を与えているか考えてみたい。
東方キャノンボール公式サイト(画像は公式サイトから)
https://touhoucannonball.com/
東方キャノンボールにおけるてゐの性能をざっくり言えば、特定のプレイに対する効率を大幅に上げることだ。稼ぎプレイ、ハイスコア狙いでは比肩するキャラがいないと言っても過言ではないだろう。手持ちのキャラのレアリティアップに大きく貢献する性能となっている。
てゐ自慢はここまでにして、彼女が引き起こしているであろう事態を以下の3つに整理する。
①ワンプレイの時間が長くなる
てゐの真価は1クエストに時間をかけて限界まで稼ぐことで発揮される。
稼ぎプレイ自体は問題ないとは言え、時間あたりのAP消費が下がるため、プレイヤーが超スローペースで走っているようなものだ。
②編成が固定される
てゐを活かすためには、必然的に組み込むべき他キャラが存在する。陽の目が当たらないキャラは活躍が難しい。
使用キャラが固定化することはどんなアプリでも有りうることだが、ゲーム自体の新陳代謝を阻害する原因ともなる。
③ガチャで最高レアリティのキャラを入手しなくてもよい
東方キャノンボールのガチャにおける最高レアリティの排出率は2%であるが、仕様上、クエスト報酬で得られる素材でキャラを育成することでも達成が可能となる。
レアリティアップ画面 良く落ちるバグがあったが修正された。
注意してほしいのは、これらはプラスマイナス両方の側面を持つということだ。何が良くて何が悪いのかは、読む人によって異なるだろう。
例えば、①ワンプレイの時間の長さは、プレイヤーの時間的拘束が増えるという点でマイナスだが、長くゆっくりプレイできるという点ではメリットになりうる。楽しみ方は人それぞれだ。
同様に②の編成の固定化はキャラの育成優先度が明確になり、とりあえずてゐから育てれば安心という指標になりうる。もちろん好きなキャラを使いづらいという不満もあるだろうし、それも同様に正しい。
③の説明こそが本題となるので、ガチャ含め課金要素の全般とゲームの二面性について書いて行きたいと思う。
ただし、私が考える基本的な前提として、課金要素はゲームを有利に進めるために存在し、課金プレイヤーは無課金プレイヤーより有利な立ち位置にいるとさせてほしい。無課金でプレイするユーザーの思いを否定するつもりは一切ない。貴方の考え方も正しい。
この前提を伝えておかないと話が取っ散らかってしまうので、そこは容赦願えればと思う。
課金と言えば何を想像するだろうか?
ガチャを多く引ける、限定キャラを入手できる、時短や効率化、対人要素の優遇化、その他痒い所に手が届く様な仕様上のアップデートなどだろう。
この中で、もっともプレイヤーが惹かれるのはガチャだ。プレイヤーはガチャが大好きで、新しいものを欲しがっている。強いキャラがもっと好きで、それが大当たりであればなおさらだ。
おそらく大当たりであろう寅丸星の先行ガチャ
ガチャはソシャゲにおけるもっとも強い課金への動機付けの要素だ。私はガチャの結果で他のプレイヤーと差が生まれると信じているし、大多数のスマホゲーマーには多分納得してもらえるのではないかと思っている。だからこそ人はリセマラをするし、10連ガチャの結果で一喜一憂しているのだと思う。
しかし、それは個々人を見たミクロな話の場合で、マクロな視点で見るともう少し事情が変わってくる。個人で引けるガチャはせいぜい100回、多くて1000回ほどかもしれないが、それが100人の集団になれば1万回、1万人の集団になれば100万回のガチャが回されることになる。試行回数が多ければ結果は確率によって当然収束する。それによって引き起こされるのが、平均的プレイヤーのハードルが移動することだ。ガチャを回したプレイヤーは、大抵の場合スタート時より強くなっているだろう。
この話を東方キャノンボールに戻そう。東方キャノンボールはゲーム内で獲得できる素材を用いて最高レアリティのキャラクターを入手することができる。素材を大量に獲得するための方法として、因幡てゐを使った稼ぎプレイが有効だ。そう、てゐを所持している人にとっては。
すでに最高レアリティのキャラクターを持っている場合でも、2人目以降は更なるステータス上昇に使えるため、強化を目指す場合でもやはり大量のゲーム内素材が必要となる。結局は、稼ぎキャラとしてのてゐが必要となってくるという結論に落ち着いてしまう。
課金分の石をガチャに割くよりも、周回するためのリソースに優先したほうがキャラを確保、強化しやすいという現象が発生しているのだ。必然的にガチャに動機付けられる理由が減ってしまっている。ガチャに期待できなければプレイヤーのモチベーションは上がらない。ゲームは盛り上がらない。そうなるのだろうか? ならばてゐが悪いのか? 弱体化されるべきなのか?
話はそこまで簡単ではない。ゲームの鮮度、そして寿命が関係してくるためだ。
私は東方キャノンボールの運営が特定キャラの弱体化に踏み切らず、仕様変更で乗り切ろうとしているのも、そこにあるのではないかと考えている。
現状、てゐの存在のために回されるガチャが少なくなっていることは疑いようが無い。ガチャが回されなければ売上に当然響く部分もあるが、一方では環境の上方推移=インフレが緩やかに進行していくということでもある。
育成要素のあるソシャゲはローンチからの時間経過により、必ずインフレしていくものだ。インフレが一定のラインを越えると参入障壁となり、プレイヤーのモチベーション低下につながることもある。ステータスのインフレはサービス開始の瞬間から運営ユーザー双方が必然的に覚悟しなければならない痛みでもある。
私の結論から言えば、てゐは東方キャノンボールのインフレ速度のバランサーとなっていたと考えている。それが意図したものかどうかはともかくとして、結果的にそうなっている。必要悪と言い換えてもいいだろう。
てゐを使った稼ぎを行うためには、長時間ゲームをプレイする必要があり、ある程度仕様を理解し、目標を持ってプレイする必要がある。これはゲームへの熱意がなければ難しいことで、コア層とライト層では考え方に大きな隔たりが生まれるところだ。
裏を返せば、全プレイヤーがそこまで熱意をもってプレイできるわけではない。ログインのみだったり1日10分程度遊んで終わりという人もいるだろう。期間イベントを特に頑張る人や、好きなキャラ待ちの人だっているはずだ。これは非常に個人的な意見で説教臭くなってしまうが、熱心なプレイヤーこそ、熱心でないプレイヤーの存在を心の隅に留めておくべきだと思う。
私は東方キャノンボールの因幡てゐが弱体化されないことに懐疑的だったが、東方ロストワードのサービス開始により、ある意味ではそれも正しいのだと思うようになった。東方ロストワードは2020年4月末にサービスを開始した、ストーリーや育成要素をメインに据えた比較的王道のRPGだ。
東方ロストワード公式サイト(画像は公式サイトから)
https://touhoulostword.com/
東方projectの二次創作という点では東方キャノンボールと同様だが、異なっているのは、リリース当初から課金要素が非常に充実していることで、リリース1ヵ月も経たずに1万円パックが3種も用意されているのは驚いた。東方キャノンボールのパック販売は980円のものが数種類や、高めのものでも☆5キャラ確定10連を3,000円程度で売り出していたくらいだったと思う。
ショップに並んだ課金パック マンスリーパックもある
ところで、リリースから間もないにも関わらず、Twitter上では東方ロストワードのレベルカンストやダメージカンストの報告をたびたび見かけるようになった。初開催のイベント完走の為に1周1分程度のプレイ数千回が必要となることや、イベント周回を最も効率的に行う方法がカンストキャラの単騎編成となっていた。私はここまでのインフレがお隣のゲームで1ヵ月も経たずに発生していることが、そら恐ろしく感じた。
ある意味では課金要素でキャラクターを効率よく強化しているわけなのだから、それはそれで正しいことだ。ガチャの引きをはじめ運要素はあるものの、課金額でほとんどのことは解決できる。
もちろん無課金プレイヤーも相当の人数がプレイしているだろうし、俯瞰した視点で見れば突出したイメージに私が引っ張られているのもあるだろう。それに私は東方ロストワードをそこまでやりこんでいるわけではない、ただの「熱心でない」プレイヤーである。
しかし私はゲームとして東方ロストワードのこのような姿が正しいかどうか判断しかねていて、どちらかと言えば否定的だ。強くなる過程を楽しむゲームであれば目標や過程が簡単に底が見えるようなものであってはならず、体験が伴わないゲームプレイは燃え尽き感を伴うものだと考えている。
誤解を招かないように伝えたいのだが、私は東方ロストワードも東方キャノンボールと同様に好きだ。前述のように肌に合わない部分があっても基本的には楽しんでおり、挑戦的なストーリーやシステムが功を奏すように祈っている。
ゲームの寿命について少しだけ触れたが、どんな人気コンテンツでも黎明期、成長期、成熟期そして衰退期というものがある。長きにわたり続くコンテンツには、それだけの理由があると思っている。
東方キャノンボールはリリースから7ヵ月を迎え、アップデートの傾向が安定してきた。
新たなゲームプレイ上のバランサーとしてターンレート制とクエストスキップチケットが導入され、短所もあるものの、概ねユーザーには受け入れられていると考えている。てゐを使った稼ぎは依然として有効ではあるもののリリース当初ほど環境を支配することはなくなり、ガチャ限定のキャラも多くなってきた。引き続きキャラクターの育成を続けるためには、ある程度ガチャを回す必要が出てきたように感じる。東方キャノンボールを長くプレイするつもりならてゐを使ったゲームプレイをお勧めするが、それはプレイヤーの楽しみ方次第だと私は考えているし、キャラ育成を急ぐならスキップチケットを連打するやり方も可能だ。
ようやくてゐの全盛期は終わりかけていて、寂しくもあり嬉しくもある。
私には、ユーザー数や売り上げと言った数字に関する具体的な推移はわからない。しかし私が得ているゲーム体験としての東方キャノンボールは間違いなく半年前より良いものになっている。
内容、システムともに東方ロストワードと比較してお互いの粗探しのみをすることははっきり言って建設的ではない。どちらのゲームも長所があり、同じくらいの短所がある。隣の芝は青く見えるというが、青い芝を羨むかどうかは見た人の考え方によるものだ。
この中で二つのゲームの課金周りの差が非常に大きいのは明白だ。てゐがいない東方キャノンボールはそうなっていたかもしれない。それはそれできっと楽しいものだったとも思う。
しかし現実には、てゐは課金額によらず最大レアリティのキャラを入手するためのとても有効な手段となっている。東方キャノンボールのシステムを揺るがす性能を持っていながら、今のところ本人そのものの弱体化はされていない。これは憶測でしかないが、非常に開発にとって大きな決断ではなかったかと念慮せずにはいられない。
私はてゐの性能が今まで変えられなかったことを感謝しているし、その姿勢を尊重したい。個人的には弱体化をリリース1ヵ月後から覚悟しており、修正が入ってもなるようになるさと考えているけれども。
まとめよう。
・東方キャノンボールはてゐの存在で課金額によらず多くのキャラクターを入手できた一方、環境の停滞を引き起こしていた。
・東方キャノンボールはガチャ限定のキャラが多数追加されたことにより、てゐだけによらない緩やかなインフレ傾向が進んでいる。
・課金プレイヤーと無課金プレイヤーの差、インフレ傾向は課金周りの実装方法次第で大きくも少なくもなる。東方キャノンボールも東方ロストワードも、その括りからは逃れられない。
ここまで読んでくださった方に感謝します。
https://twitter.com/migawari_touhou
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