2021年 春 コロナ環境下で…みぞおちの表情が…今ひとつ煮え切らない
昨年(2020年)の春は「コロナショック」による身心の緊張で、例年の春のような骨盤のゆるみも、頭蓋骨のゆるみも起きないまま過ぎてしまいました。
” 危機 ” を感じると、身体は無意識に警戒態勢の” 身構え ” に入ります。典型的な見た目にもわかりやすい体勢は、ボクシングのファイティングポーズでしょう。何が起きるか分からないような危機的な状況に置かれれば、一瞬の隙きも許されないボクシングほど顕著ではないですが、同じような”身構え”になるわけです。
このような ” 身構え ” の中では、身体の興奮(アドレナリン、ステロイド放出)で、木の芽時的な諸症状も抑えられたし、花粉症を始めとするアレルギー症状も出にくかったのだろうと思います。
**胸椎11番を起点とした警戒態勢の”身構え”については、昨年の11月と今年1月のリポートでも、報告してきました。今回はお腹側から見ていきます。
今季(2021年春)はどうなったのか?
今季はどうなることか見守っておりましたが、昨年春とは一転、骨盤も頭蓋骨も例年以上に大きくゆるみました。中には骨盤が出産直後くらい大きく広がった人もいました。
とくに4月の中旬あたりがゆるみのピークで、頭や首、肩、足腰に痛みが出たり、下痢やめまいなどの症状、花粉症、アトピーなどのアレルギー症状、不安、パニック症状も出やすくなりました。1年以上に渡るコロナ環境下で ” 身構え ” 続けてきた疲れが、一気に吹き出したのだと思われます。ゆるみ切ることで疲れを吐き出せれば、身心が再起動され、みぞおちがよくゆるみ下腹が引き締まるという身心の安定状態が回復するようになります。
ところが、身心が ”大騒ぎ ” しながらゆるんだ割に、どうもみぞおちがゆるみ切らないのです。
あらためてみぞおちについて整理しておきましょう
強いストレスがかかったとき、ギュッと縮んで「胃が痛い」という感じの痛みを感じるところでもあります。リラックスしているときも、集中しているときも、指先で押してなんの抵抗もなく指先がズブっと入るような全く力が抜けた状態が理想です。
呼吸との関係では、息を吸うときも吐くときも、ゆるんだまま柔らかさが変わらないのが良い状態です。みぞおちがちょっとストレスを感じると、息を吐くときにゆるんでも、息を吸うときに硬くなるようになります。整体とは、身体の余分な緊張をゆるめて、みぞおちをゆるめ切るのが目的といってもいいと思います。
みぞおちを含めた肋骨の下は、ムネとハラの境目になります。ここが柔らかく、ゆらゆら動く” 遊び ” があることが身心のバランスの余裕を生むのです。
**背中側では、胸椎10番(+第10肋骨)と胸椎11番(+第11肋骨)のあいだがムネとハラの境目ということになります。
この4月、骨盤が特別に大きくゆるみました。骨盤が大きくゆるんで全身が大きく脱力するほど、全身がリセットされて身心が整いやすくなる、というのが原則です。たとえばお産の後に、生理痛や頭痛が軽くなったりする例は多いわけです。ところが、大きく骨盤がゆるんで余分な緊張が抜け、下腹が引き締まっても、みぞおちだけが、なかなかゆるみ切らないというのがこの春の印象です。
この春は湿度も低く爽やかな青空がよく見られたはずなのですが、コロナ禍の中、青空を見上げても「気が晴れない」のは、このみぞおちの状況とつながっているような気がします。
みぞおちには全身のいろいろな緊張が響きます。その中でもとくに、みぞおちの真裏にある胸椎11番は直接にリンクします。胸椎11番が敏感な反応をする5月は、胸椎11番に弾力を回復し、みぞおちをよくゆるめるチャンスにもなります。
これまでご紹介してきた、伸び、胸椎11番の疲れとり体操や、曲池、ふくらはぎ下部に気を通すことなど、どれも有効です。そのときに応じて、あるいは好みに応じてやっていただくと、みぞおちがゆるみやすくなっていきます。
参照:
伸び
胸椎11番の疲れとり体操
ふくらはぎ下部に気を通す
曲池
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