卒業式の晴れ着
卒業式のシーズンで、駅の一角でこんなキュートな写真を撮らせていただきました。後姿を撮らせていただいたのですが、もちろん前からもすごく撮りたくなるような可愛い方でした。
こんな姿を見て、最近ちょっと気になるテレビでの報道を見て、少し書きたくなりました。それは、公立の小学校の卒業式に袴などの綺麗な和装一式を着ることの是非についてです。私は基本的にそこは自由でいいと思いました。私も親の一員として、そういう選択は何回も迫られ、焦ったこともありますが、基本的にそれは自由なのだと思います。ただ、そのことを決めるのが、小学生の場合は親の意向を子供がかなりくむことになるのです。お金持ちのお子さんは袴も着物も買えるでしょうし、あまり裕福ではない方は、袴は買えないことを残念に思って、そういうお友達を羨ましく眺めるでしょう。でも肝心なのは、「頑張って卒業できたことを祝うこと」です。祝うことにどのようにお金を使うかはその家庭が子供と一緒になって、話し合えばいいのです。そして振り返って、その時のことを、自分なりに、あるいは家族で話し合い、周りの友人家族について考えればいいことでしょう。そういう経験は大なり小なり親子であれば、親に気を使ったり子供を可哀想だと思って無理をしたり、・・・そういう経験を積み重ねていくわけです。
そこで、少し厳しい言い方をすれば、流されて袴をはいた子供も、きらびやかに貧乏な子供のそばで袴をひけらかしていた子供も、袴なんかいらないよと親に気を使った子供も、袴なんかどうでもいいよと本当に思っていた親子も、客観的に見られる見識ある大人や子供から一定の評価を受けるのです。
世の中には病気や戦争や、あらゆる苦しみを背負った子供たち・親がいることを知れば、卒業式に袴をはくかどうかという議論をしていること自体が恥ずかしくなってくる。要は、その時もしくは少し後になってそのことをしっかり振り返って、自分がどう生きるかの判断をすればいいのです。
私はエジプトで小児病院の仕事をしていた経験があります。親としてスイミングプールに周りと一緒に通わせたほうがいいかどうか悩んだ経験があります。そして今はイラストや絵本を描いたり、手作りアクセサリーをminneに出したりしています。着飾ることには大賛成です。写真のような可愛い卒業式の晴れ姿は大好きですし、アクセサリーもどんどんつけたほうがいいと思っています。でも、小学生の卒業式についての今の私の思いとしては、親子でしっかり考えて、「卒業式にはその家族にとって一番いい晴れ着を着る」という自由を選択し、実感してほしい。読み返してみれば、至極当たり前のことを書いていますね。でも当たり前のことを書きたくなった心境もお察しいただければ幸いです。