
着物で初めての歌舞伎レポ
「歌舞伎は言葉が難しいし、なんだが難しそう」
実際に観に行くまでは、私もそんな印象を抱いておりました。
今日は、そんな歌舞伎について、最初の印象がどのように変化したのか、私の経験や感想を交えてお伝えしていきたいと思います。
歌舞伎のイメージ
まず、私の中での歌舞伎のイメージといえばこんな感じでした。
・セリフの言葉が難しい
・内容が分からない(イヤホンガイドを借りたとしても、難しそう)
・観に行くにもきちんとした服装で行かなきゃいけない
実際チケットが取れて行くことが決まった段階でも、「イヤホンガイドを借りたとしてもきっと難しくて内容があまり分からないんだろうな。でも行った事ないし、雰囲気が楽しそうだし、経験として行ってみようかな」程度でした。
まさかまさか、この最初の印象がことごとく覆されるとは、思ってもいませんでした。。
歌舞伎に行く準備
まず調べたところ、歌舞伎を観に行くのには、特別なドレスコードは無く、カジュアルな服装でもなんでもokという事でした。
とりあえず雰囲気を楽しみたい私は、一緒に行く母とともにお着物を着ていく事にしました。お着物は、祖母から譲り受けた附下(つけさげ)と、鶴の柄のおめでたい名古屋帯です。

私はせっかくなので良いものを着て行きましたが、紬でももちろんokです。
早起きをして、ホテルで着替え、あいにくの雨でしたのでタクシーで歌舞伎座へ向かいました。
歌舞伎座到着(開場前)
いよいよ歌舞伎座に到着です。あいにくの雨のため、外観を眺めている余裕はなく、すぐに軒下に隠れます。
開演11時、開場10時半でしたが、到着したのは10時10分頃。
開場までにはまだ時間があったので、とりあえず外にあるエスカレーターから地下に降りてみました。
エスカレーターを降りるとキラキラした歌舞伎座のお土産屋さんやお弁当屋さんが目に飛び込んできました。
ワクワクが止まりませんでしたが、母のスーツケースを持っていたので、まずはコインロッカーを探しました。
一応歌舞伎座内にもコインロッカーがあるようですが、空きがあるか不安だったので、エスカレーターから降りたところ(地下鉄駅の直結でした)にあるコインロッカーへ預けました。
私がコインロッカーへ荷物を預けている間に、母はお弁当屋さんの行列に並び、お弁当を購入してくれました。
(開場10分前となると人も集まってきて、お弁当屋さんにも行列ができていました)
そしてお土産屋さんをグルっと軽く眺めて、後ろ髪をぎゅっとひっぱられている母を強引に連れ出し、いよいよ開場した歌舞伎座へ入ります。
歌舞伎座到着(開場後)
いよいよ歌舞伎座の中へ入ります。
きらびやかな入口でチケットを渡し、列に沿って進みます。

すぐ目の前に劇場につながる入口や、座席の案内版がありましたが、まずはイヤホンガイドを借りることにしました。1人確か800円。
そしていよいよ、劇場の中に入ります。
目に飛び込んできたのは、大きな富士山が描かれた緞帳です。

こちらは2023年3月に、新開場十周年を記念して掲飾された「霊峰飛鶴(れいほうひかく)」という名前の緞帳だそうです。
静かな雰囲気の中にも力強さも感じられ、自然と背筋が伸びる感覚がありました。
そしていよいよ着席。私の座席はなんと前から2列目でした。
いい席を買ったのは知っていたけれど、それでも前から2列目なんて嬉しすぎます。
荷物を置いて、いったん落ち着き、お手洗いに行き、開演を待ちます。
ちなみに開演前でもすでにイヤホンガイドからは演目の説明やなにやら、プチ情報なるお話が流れていて、お得な気分になりました。
歌舞伎公演~當辰歳歌舞伎賑~
お若い世代の中で特に舞踊に優れた方が踊り演じており、それはそれは若いエネルギーに溢れたもので、とても見ごたえがありました。
新春歌舞伎の幕開けにとてもふさわしい演目であったと思います。
途中イヤホンガイドからは演者の名前や演目の説明などが良いタイミングで流れてきていました。
歌舞伎公演~荒川十太夫~
お話の内容はネタバレになってしまうので、私の感想のみお伝えします。
ものすごく面白く、感動し、心動かされました!
歌舞伎でここまで感動するとは思ってもみませんでした。
もちろんストーリーとしても感動するのですが、それを演じる役者の皆様の迫真の演技が、それはそれはとても感動し、心動かされ、目が釘付けになってしまいました。
歌舞伎って、こんなに感動するものなのですね。
「荒川十太夫」は、私の初歌舞伎として深く記憶に刻み込まれました。
歌舞伎公演~狐狸狐狸ばなし~
荒川十太夫の演目後、30分程度の休憩時間があり、その間にお昼のお弁当を座席で食べ、次の演目が始まりました。
私の一番楽しみ!尾上右近さんの女形!!
本当にお綺麗で、しなやかで、色気があり、女形をしていても、その魅力に引き付けられていました。イケメンでした!
お話の内容は、だましだまされの男と女という内容で、笑えるところも多々あり、とてもリラックスして鑑賞できました。
お正月から心穏やかに笑って過ごす事が出来て、とても幸せでした。
余談~イヤホンガイドの素晴らしさ~
皆さん、歌舞伎を観に行かれるときは、イヤホンガイドを借りることを強くオススメします!
勝手なイメージで、同時通訳のような形で音声がずっと聞こえてくるのかな。と思っていたのですが、全然違いました。
まるで同じフロアで実況中継をしているかのような、適切なタイミングでの適切なガイド。それも、終始ガイドの声が聞こえるというわけではなく、まるでガイドの方が隣に座り、その都度小声で教えてくれるような心地よさでした。
緊迫しているような大事な場面では、ガイドから余計な声も聞こえず静寂に包まれます。
役者の皆さんは白塗りされており、時折誰か分からないこともしばしばですが、その都度役者のお名前も教えていただけるので、楽しみにしていた役者さんを見逃す事もありません。
歌舞伎に行かれた際には、ぜひ、イヤホンガイドを借りてみてください。
まとめ
私にとって初めての歌舞伎は、踊りや演目の内容、そして役者さんの迫真の演技すべてに感動し、とてもとても良い思い出になりました。
歌舞伎で胸がいっぱいになるとは、まるで予想もしていませんでした。
また、母とお着物で観に行けた事も、とても良い記念になり、母も喜んでいたので良かったです。
難しいと思いなかなか思い腰があがらなかった歌舞伎でしたが、こんなにも面白く、分かりやすく、楽しいものとは思いませんでした!
ぜひまだ行かれた事がなければ、一度行かれてみる事をお勧めします。
