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着物でどこ行く?~金沢名所~
2024年の幕開けは、とてもとても悲しい震災から始まりました。
実際に被災に合われた方はもちろんですが、大切な人が被災地におられる方も、大変お辛い年明けだったのではないかと思います。
皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
私の実家は宮城県で、東日本大震災を経験しました。
東日本大震災の支援・復興を経験した身としては、「被災地に人が戻る事が一番の復興」と感じております。
今、被災地から遠く離れた私に出来る事は、募金と、そして、着物を通じて金沢の名所をご案内する事だと思いましたので、今日は「着物でどこ行く?~金沢名所~」と題して、金沢のすばらしい名所をご案内していきたいと思います。
ひがし茶屋街
まず初めは、言わずと知れた金沢の観光名所である「ひがし茶屋街」です。
重要伝統的建造物群保存地区に指定され、明治初期に建設された建物が多く残ります。
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古い茶屋街なので、お着物での観光にはもってこいの場所です。
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お土産屋さんや金沢名物の金箔屋さん、日本酒の飲み比べやかんざし屋さんなど、さまざまなお店が立ち並んでいるので、飽きる事なくあっという間に時間が過ぎてしまう事でしょう。
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最近では写真映えする美しいスイーツのお店も人気のようです。
歴史的な街並みを背景に、素敵なお着物写真を収めてみるのはいかがでしょうか。
にし茶屋街・妙立寺・宝勝寺
東があれば西もありますね。次にご紹介するのは「にし茶屋街」です。
私も数回目の観光でようやく訪れました。
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ひがし茶屋街と比べれば少し規模は小さいですが、こちらも歴史的な建物が立ち並び、とても閑静な雰囲気が漂っておりました。私が訪れたのは昼間でしたのでお店はあまり空いていませんでしたが、料亭や芸妓さんが多くいらっしゃるそうです。
ちなみに、にし茶屋街の近くにはいくつか面白いお寺があります。
一つ目は妙立寺というお寺ですが、さまざまなカラクリが施され通称忍者寺と呼ばれています。お寺の中にカラクリ!?ととても興味がそそられますよね。
もしどなたか訪れた事があれば、ぜひコメントで感想お聞かせ頂けると嬉しいです。
二つ目は、にし茶屋街の近くを散策をしていたところで見つけた「宝勝寺カフェ」です。
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その名のとおり、お寺の中にカフェが併設されていました。
お線香の香りやお寺の香り。和室の静かなお部屋で、お抹茶とお菓子をいただきました。本当に素敵なところを見つけたと感激しましたので、紹介させていただきます。
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にし茶屋街とその周辺には、穴場なスポットがまだまだありそうですね。
お着物でお寺巡りも、とても風情があって良いのではないでしょうか。
兼六園
次にご紹介するのは金沢屈指の観光名所「兼六園」ですね。
国の特別名勝にも指定されている、由緒ある日本庭園です。
庭園内には灯篭や噴水など見所もたくさんあり、また四季の移り変わりにより変わる景色は、いつ訪れても楽しめるかと思います。
春は桜が咲き、初夏は新緑が美しく、秋はダイナミックな紅葉の景色が広がり、冬は「雪吊り」された松を眺める事が出来ます。
ちなみに「雪吊り」とは、北陸特有の重たい雪で枝が折れるのを防ぐため、木の頂点から傘のように縄を締めることを言うそうです。
由緒正しい日本庭園にお着物で訪ねてみるのはいかがでしょうか。
玉泉園
次にご紹介するのは、兼六園のすぐ近くに位置している「玉泉園」です。
「金沢最古のお茶室と幻の庭園」という紹介文に惹かれ、訪ねてみる事にしました。
お茶室に続く庭園もとても美しく、中には隠れキリシタンの信仰物であるキリシタン灯篭もとても素敵でした。
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そして灑雪亭(さいせつてい)という金沢最古のお茶室は、とても静かで趣があり、なんとも心安らぐお茶室です。
こちらではお抹茶もいただく事ができ、歴史を感じるお茶室でとても素敵なひとときを過ごす事ができました。
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ちなみにこのお茶室、千利休のひ孫にあたる方の指導で作られたそうです!
千利休の面影を感じながらお着物でお抹茶をたしなむ、そんな大人なお遊びはいかがでしょうか。
加賀友禅染体験
観光名所というわけではないですが、お着物好きにはたまらない場所をご紹介させていただきます。
こちらも兼六園のすぐそばに位置している「加賀友禅会館」です。
加賀友禅のお着物をたくさん展示されており、また友禅小物の販売もされております。
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私はこちらで、加賀友禅の染体験を行いました!
さまざまな型から好きな型を選び、好きな色で染めていく・・。
一人で伺ったので、好きなだけ、思う存分時間をかけて楽しむ事ができました。
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染体験なので、汚れても良いお着物か、お洋服で行かれる事をお勧めします。
加賀友禅の作品に囲まれながら、素晴らしい染めの文化を体験してみるのはいかがでしょうか。
長町武家屋敷跡と野村家
次にご紹介するのは「長町武家屋敷跡」です。
金沢で一番の繁華街・ 香林坊 の裏手に位置し、昔ながらの土塀や石畳の小路が残り、加賀藩時代の上流・中流階級藩士の侍屋敷が軒を連ねています。
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ほとんどの邸宅は現在も居住者が住んでおられるようで非公開ではありますが、唯一一軒だけ公開されているお屋敷があります。
それが野村家です。
豪華な建物と情緒あふれる庭園は世界的にも高い評価を受けているそうで、また「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも2つ星に選ばれている事から、海外からの観光客も多くいらっしゃいました。
日本庭園のような大きなものではないですが、藩士の邸宅のお庭としてはとても立派で、いつまでも眺めていたくなるようなお庭でした。
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実際に私はこちらの縁側におおよそ30分程度腰掛け、お庭を眺めならぼんやりしていた思い出があります。
そのくらい、とても居心地の良い場所でした。
お着物で趣のある長町武家屋敷跡の小路を通りながら、野村家のお庭でのんびりするというプランはいかがでしょうか。
金沢城鼠多門と玉泉院丸庭園
最後はこちら「金沢城鼠多門」と「玉泉院丸庭園」です。
観光案内所の方にライトアップをしていると教えてもらった場所です。
金沢城の西側に位置し、黒い海鼠漆喰が特徴の「鼠多門」と、 城内最大規模の木橋「鼠多門橋」です。
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昼間に訪れた事はないのですが、この鼠多門、とても重厚で厳かな雰囲気が漂っており、「金沢の神髄」を感じさせられるような場所でした。
そして門をくぐると見えてくるのは玉泉院丸庭園。
こちらもライトアップがなされ、またスピーカーからは音楽や音声での案内が流れておりました。
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お着物を着て、鼠多門の橋で撮るお写真は映える事間違いなしでしょう。
番外編-牛首紬織資料館 白山工房
最後の最後に、番外編として金沢市内ではありませんが、牛首紬の資料館もご紹介させてください。
石川県白山市に位置する「牛首紬の資料館・白山工房」です。
牛首紬と言えば日本三大紬のうちの一つであり、石川県白山市にて古くから生産されています。
こちらの資料館では、カイコの繭から絹糸が作られる過程や染色の作業について紹介がされていたり、製織作業も見る事が出来ます。
またはた織り体験もできるので、お子様から大人まで楽しみながら牛首紬の世界を堪能する事が出来ます。
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こちらに伺うと、牛首紬がより愛おしいものに見えてくる事間違いなしです。
ひとつ注意点としては、比較的山の上の方に位置しており、公共機関もあまり多くはなさそうですので、お車で行かれることをお勧めします。
まとめ
以上お着物に似合う、金沢名所についてご紹介させていただきました。
もし興味を持たれた場合には、一度被災状況確認のためお電話してから伺った方が安心かもしれません。
心も体も街も、何もかもがまだまだ復興には時間がかかります。
今はそれぞれが出来る事を精一杯行い、まずは自分の近くに居る人を大切にしましょう。
そして被災地の方が少しずつ前を向き始めたところで、そっと手を差し伸べるかのように、そっと寄り添うように、被災地に足を運び、その地域の美味しい物を食べ、歴史や文化を感じ、そして現地の人と触れ合う事で、心も街も、復興に繋がっていくものと信じています。
本記事が大好きな金沢のこれからの復興・発展の一助になれば幸いです。
また以前のような活気が戻る事を心からお祈りし、こちらで以上とさせていただきます。