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#23 出町座

京都のミニシアター

 今回は、京都まで行きます。京都のミニシアターの出町座です。昨年の夏に初めて訪れて、まだ一度しか行ったことがありませんが、とても素敵な映画館だったので、ご紹介します。

出町座
https://demachiza.com/

 出町座は、以前からずっと行きたいと思っていた映画館でした。そしてようやく昨年の夏に初めて行ったとき、またぜひ来たいなと思ったのですが…なにしろ、遠い。南大阪から京都は、とにかく遠い。私にとっては、淀川越えよりさらに一段ハードルが上がります。今よりも体力のあった学生の頃でも京都は遠いと感じていたので、今となっては、かなり力を入れないと私は京都まで行けません。いや、頑張って淀屋橋まで出たら、あとは京阪特急に乗ってしまえばいいだけですけどね。気力の問題です。

出町座の場所

 出町座は、京阪電鉄の出町柳駅の近くにあります。下鴨神社と京都御所の間くらい、と言ったらいいのでしょうか。大阪から行くなら、京阪特急で淀屋橋から出町柳までが1時間弱です。出町柳駅から西へ向かい、出町桝形商店街に入って少し行くと左手にあります。公式サイトの「アクセス」を見ると、出町柳駅から5分となっています。まあ、そんなところでしょうか。西に行ったところにある京都市営地下鉄の今出川駅からは10分となっています。

 建物の1階はカフェと書店になっていて、地下と2階にスクリーンが1つずつあり、合計2スクリーンの映画館です。

サービスデイ・料金

 出町座のサービスデイや割引料金は、以下のとおりです。

・映画ファーストデイ 毎月1日/1,100円
・映画の日      12月1日/1,000円
・団体割引      10名以上の来場で1人1,300円

 通常料金は、一般1,800円、学生(3歳以上)1,000円、シニア(60歳以上)1,100円、障がい者1,000円(介助者1名同料金)です。後述の会員になると、会員本人1,000円、会員同伴者2名まで1,300円になります。

会員制度

 出町座には、通常会員、賛助会員、学生会員の3種類の会員制度があります。会期は1年ですが、加入年度の12月31日が有効期限となります。毎年、有効期限の1ヶ月前の12月1日から次年度会員の更新が可能です。入会金は、通常会員は3,000円、賛助会員が10,000円、学生会員が1,300円です。それぞれの会員で、会員特典が異なっています。通常会員の場合、特典<A><B>の2種類のどちらかが選べます。特典<A>は招待券2枚、特典<B>は招待券1枚と毎月のリーフレット郵送です。賛助会員の特典は、招待券8枚とリーフレット郵送と劇場オリジナルグッズとなっています。学生会員の特典は、招待券1枚です。招待券は、会期中有効となっています。

 スタンプカードの特典もあります。有料鑑賞1作につきスタンプ1個押印で、6個たまると招待券がもらえます。次年度更新の際、スタンプは繰り越されます。さらに、会員のみ参加可能な限定イベントを年1回程度実施となっています。

 さらに、提携劇場で出町座の会員証を提示することで、割引が受けられます。割引率は提携先の劇場により異なります。また、この逆で提携劇場の会員証を提示することで、一般料金1,800円から300円割引になります。提携先は、京都シネマ、京都みなみ会館、シネ・ヌーヴォ、キンダーフィルムフェストきょうと、となっています。

券売機でのチケット販売と入場システム

 出町座でのチケット販売は、現地での当日販売のみで、ウェブ予約はありません。当日のすべての上映回のチケットが、営業開始時から販売されます。

 チケット販売は、1階の入口のところにある券売機で行っています。ラーメン店で入場時に食券を買うような券売機で、初めて見たとき、ちょっと驚きました。全席指定の各回入替制のため、券売機で買ったチケットを受付カウンターで提示して座席指定券をもらうしくみになっています。昨年の夏に行ったとき、この座席指定は、劇場スタッフがホワイトボードの将棋盤みたいなものに書き込みながらやっていくというアナログ仕様で、ちょっと感動を覚えました。アナログな劇場で、整理券だけもらって後は自由席、なんて映画館はよくありますが、座席指定までアナログでやってしまう心意気がすごいというか。

 そして、開映10分前に開場となります。私が行ったときには、前の上映回が終わって入れ替えの時間になると、トイレがかなり混雑していました。前の上映が終わるまでにトイレは済ませておくほうが良いかもしれません。

魅力的な舞台挨拶やイベント

 出町座では、とても魅力的な舞台挨拶やトークイベントが頻繁に実施されています。私が昨年の夏にはるばる出町座まで行ったのも、イベントが目当てでした。

 昨年の夏に、塩田明彦監督の『さよならくちびる』の上映とあわせて塩田監督の舞台挨拶があり、さらにその後、参加費1,000円で塩田監督が登壇する90分間の映画講座を開催する、なんてイベントがありました。塩田監督がですよ、参加費たった1,000円で映画の講義90分ですよ。そりゃ、ちょっとくらい遠くても京都まで行きますよ。というのが、私が初めて出町座まで行くことになった理由でした。もうね、ガッツリ濃い映画談義90分、最高でした。しかも、このイベントの前に、『さよならくちびる』上映後の舞台挨拶でティーチインがあって、そのあとパンフレット購入者向けのサイン会があって、さらに別枠90分ですからね。すごすぎる。

 こんなイベントを出町座ではたびたび実施しています。最近だと、うわー、これ行きたかった!と思ったイベントが、『37セカンズ』のHIKARI監督と出演者の大東駿介さんのトークショー。60分で500円って、もう破格すぎ。『37セカンズ』は、昨年のベルリン国際映画祭でパノラマ部門観客賞など2冠に輝いた傑作です。私が2019年に見た映画の中でも3本の指に入るほど素晴らしい作品です。もうちょっと、もうちょっと出町座が近ければ、もうちょっと早くこのイベントを知っていれば、行きたかった…と思ってしまいました。

 舞台挨拶だけでなく、映画製作者による映画のお話を心ゆくまで楽しめる場なんて、なかなかないと思います。出町座の営業が再開されたら、遠くてもいいからまた行きたい。きっと、南大阪から行くのは遠いって文句は言うと思うけど、またぜひ行きたい。だから、なんとかこの苦境を乗り切ってほしいと思っています。

※料金やサービスは、2020年5月現在の情報です。

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