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映画館の再開後に見たい1本『21世紀の資本』

今こそ見たい映画

 映画館が再開したときにはこの映画を見たい!という作品を勝手にご紹介していこうというこのシリーズ、2回目の今日は『21世紀の資本』です。もともとは首都圏を中心に3月20日(金)に公開されましたが、映画館の休館で上映中断されていました。

 大阪では4月17日からテアトル梅田ほかでの上映が予定されていましたが、やはり映画館の休館により未上映のままでした。それが、一昨日の緊急事態宣言解除を受け、5月22日からの再公開が決定しました。

 本日5月17日現在、公式サイトによると、大阪ではテアトル梅田、なんばパークスシネマMOVIX堺MOVIX八尾、MOVIXあまがさき、109シネマズ箕面109シネマズ大阪エキスポシティ、京都シネマ、MOVIX京都、元町映画館、神戸国際松竹での上映が予定されているようです。

映画『21世紀の資本』公式サイト
https://21shihonn.com/

原作・監修・出演:トマ・ピケティ
監督:ジャスティン・ペンバートン

 『21世紀の資本』は、フランスの経済学者トマ・ピケティの世界的ベストセラーが原作のドキュメンタリー映画です。予告編を見ると、働いてもなぜ豊かになれないのか、格差はなぜ生まれるのか、といったことが語られているドキュメンタリーのようです。

 私はこの原作を読んでおらず、もちろん映画はまだ見ていないので、内容はわかりません。ただ、今こそ見る必要がある映画だと感じています。

 バブル崩壊後から低迷し続ける日本経済は、リーマンショックや東日本大震災後、さらに悪化の一途をたどり、消費税の増税で大打撃を受けていたところに現在のコロナ禍の到来です。この間、景気は回復傾向と言われることもありましたが、それは庶民の体感する現実とはかけ離れた一部富裕層における出来事だと私はずっと感じていました。

 その原因となるところについて、私の中ですでにある程度の考えはあります。ただ、私の知らないところで、どのように世界経済が回っているか、それがどう日本経済に影響しているか、この映画を見るとそんなことがわかるのではないか、と思っています。

映画でこそ知ることができるもの

 今に始まったことではないと思いますが、日本で普通に暮らしていると、情報の偏りがそこかしこに存在すると感じます。マスメディアでは、スポンサーや自社に都合の悪いことは報じられない傾向があります。飛行機事故が起こっても、日本人搭乗者がいたかどうかが報道の中心で、全貌はよくわかりません。

 これは、日本国内だけでずっと暮らしていると、あまり実感が持てないところかもしれませんが、海外に渡航して現地の報道を見ると、日本国内の偏りがとてもよく見えてきます。世界の興味は、日本で報道されているような部分にはありません。自ら積極的に世界の情報を取りにいかなければ、日本国内のマスメディアから流れてくる情報だけに接していると、そのうち世界から取り残されるのではないか、と感じます。残念ながら、もうすでにそうなっているような気もしますが。

 そんな中、世界各国で製作された映画を見ることは、偏りなく世界の情報に触れる絶好の手段だと思います。もちろん、ひとつひとつの映画は、それぞれに主義主張があって偏っているかもしれません。ただ、映画であれば、日本国内で情報を提供する者からの恣意的な編集が加わる可能性は極めて小さく、たいていは世界各国で公開される内容と同じものが日本でも公開されます。

 日本国内にいながら世界レベルの情報に触れること、そして、今こんな時期だからこそ、世界経済の問題を知ること。どちらも、とても大切なことだと私は感じます。映画館で『21世紀の資本』を見るというのが、今まさしく必要なことのように思います。

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