マガジンのカバー画像

フランス詩

18
運営しているクリエイター

#ボードレール

ボードレール「読者へ」― Au Lecteur(1855年「両世界評論」版)

ボードレール「読者へ」― Au Lecteur(1855年「両世界評論」版)

1855年、Revue des Deux Mondes 6月1日号に、後に『悪の花』に収録される18篇の詩が掲載されました。ここで1番の番号が与えられている「読者へ」は、『悪の花』初版以降、序詩の位置を占めることになります。

訳出に際して、阿部良雄訳を参照しました。

ボードレール「ロマン主義の落日」― Le Coucher du soliel romantique(試訳)

ボードレール「ロマン主義の落日」― Le Coucher du soliel romantique(試訳)

生まれたての太陽が昇ってくるときの美しさよ!
炸裂するようなおはようを私たちに投げかける。
愛をこめて別れのあいさつができる人は幸せ者だ、
夢よりももっと栄光に輝くその太陽が沈むときに。
 
覚えているとも!私は見た。花、泉、畝、すべてが、
太陽が見ている下で、心臓の鼓動のように、うっとりとしていたのを。
地平線へ向かって走ろう、もう遅い、早く走ろう、
傾いた光線を一筋だけでもつかみとれるように!

もっとみる