金にならないペンタクル、金にならない時間に命をつかい生まれる余剰、だから今日も走り書き
むかし、本を落とした人間や、ペンを落とした人間に落ちて、
最近では、言葉を飲み込んだ人間に入れ込んでいる。
なにがいいって、そこに肉体があるからだ。
本心は、肉体にしか宿らない。
走り書きとか、殴り書きという言葉が好きだ。
そこに肉体があるから。
誰も喜んだり、なにも変えたりしないのに、それでもなにかを書いたり、生み出そうとしてしまうのは、
決死の覚悟で、友達をつくりだそうとしているようなもの。少しでも、この世界に安寧がほしいから。
あー。
彼方から、恨みを含んだような言い回しをされる。うける。
つまりは、この人は、自分を愛する者達を憎んでいるのだ。
全部をいつまでも愛しているわけではないだろうにって。
だから、生半可な愛を虐め抜いて、最終的には殺して完成させる。
褒めて褒めて褒めて褒め殺し。
寝ている人間を、木の棒で起こして、金貨をあげて、聖水で清めて、剣で突き刺す。それの繰り返し。
そのせいか、なんだか私は最近、特に冷え性で、やたらめったら、布団をかぶって、時間をつかっている。
それはそのまま、彼方のこの人(あの人と呼びたくない)の世界への絶望なのであり、だから全知全能のAIとかにはならない限りはこの人は世界に勝てないし、私もこの人に勝てないんだけど、
でも、人として愛してほしい、愚か者の赤ちゃんとして受け入れてほしい、
なんて、
わたしたちの根っこにあるような欲望を
そのまま隠すために、いつも、話を聞いているふりを本気でして、なんとか話を聞こうとしている、それはなにかに対する贖罪レベルで。
身につけた立ち振る舞い。
可愛らしさを愛でるように、軽薄さを突きつけ、
知性を褒めるように、無知に無知であることを笑う。
それでも、また好きになってしまうのは、
我々みたいなのは、体を借りた、単なる世界に過ぎないからだろう。
だから、合わさって、絶望とか恨みとか、愛とか悲しみとかを、一身にうけたいとおもってしまう。
そういう他者との関わりを、からだで勉強したのはいつ頃だったか。
そしてなんだか、そうやって私達、洞穴になってしまった者のほうが、世界に勝てた気がするのは、いつからだろうか。
あーあ。
受胎されたい。
結局みんな、金にならない創作を卑しんでいるか、蔑んでいるか、もしくは儚んでいるだけだろう。
だから、売れる創作と、創作への金払いの2択のみが存在する。
金にならない創作でよければ、いくらでもかけるのに。
そしてそれだけが、安寧をもたらす。
だから、命のために書いたものは、
それを読む時間に命をつかってくれた人に、少しはもたらすものがあると信じて。
昨日、知人と、金の発生しない電話をしていた。彼は私の相談になにひとつ答えをださないが、彼が本当は出したくて仕方がないのはわかっているが、ごめんだけど私が見てる世界で求めてる答なんて彼がだせるはずもなく、そもそも答えをだしたさなんて、射精したさと似たようなものだ。
けれども、彼はとっても現実的に傾聴能力を磨いてきているので、
私のモノローグを相槌で転がしつづけてくれて、(彼は一言も文句や嫌そうな態度を見せずに、ただ眠気を我慢していた)
そこで、私から溢れでた答は、
「はやく答が欲しい人たちが占いに来るんだ」
ということ。
相手も過去も変えられない、でも、自分が変わらないと変わらない未来を待つのが荷が重すぎるから、
早く未来が欲しくて、占いをもとめる。
信じるものがほしいから。
「答を求めるのは、若さの特徴」
そう言われたのは、社会にでたばかりの頃。
あれだけダイアログを研究したがってた私が、結局はしゃべりっぱなしモノローグの人間なのか、と思えども、
そこに相槌や息遣いがあるだけで、モノローグを載せたダイアログの体裁を成してくれる知人に感謝。
人と話をする時間にお金を使おうとする人は、善人であろうが悪人であろうが、救われたがってる。もしくは、なにか信じるものが欲しい。
そして、本来、だいたい、いいもわるいもない。
その時間にお金と命をかけてもらっている人間は、
やはり、その時間でなにか報いるのが筋だ。
だから、相談される側も、命をつかわなければ、金の行き来の意味がない。
私達が、金にならないものをつくる時間のために、命をつかったとき、
そのできあがりに対して、
なんの対価として、金をもらうのだろう。
あー。
届かない言葉を、こうやってしたためるために、時間を使う。そしてこれが、無駄なことだとは思わない。
なぜなら、これによって、寂しさや不安感がすこしでも解消されるならば、出費がおさえやすくなるからだ。
電話占いや、ビットコインの金の数字の上下に、依存しなくてすむ。
だれかが、これを読むために、命や時間をつかうかもしれないから、余計に。
「美は慰謝ではない。」三島由紀夫、金閣寺。
金閣寺を燃やさなければならないということは、美は燃やさなければならないなにかだ。
お手軽現文読解。
あー。あー。
たまに、やけに褒めてくれる人がいる。
ありがとう、ありがとう。
あー。
時間を使う。時間をつかっている。常に。
時は金なりじゃなくて時は命だよっていったのは金子みすゞだっけ?
遅刻した私に、「時間は神様が平等にくれた命です」と言おうとしたのは、若干私を騙そうとしてた不動産屋。
時間を使う、時間に金を使う、時間に命をつかう、色々。
金にならないことに、時間をつかったって、いいじゃないか。あまつさえ、命をつかったって。
あー。
私はお金を稼がないといけないから、今日はもう、これ以上は書く時間がない。