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パパ達の育児交換日記(No50)

 三重にゆかりのパパたちによる育児交換日記。コロナ禍の中で始まったこの「育児交換日記」も約1年が経ち、記念すべき第50号を迎えることができました。ありがとうございます!そんな今回は夢旅人が担当いたします。
私自身もこれが10回目の登場でして、節目となる今回は『特別編』と題してお届けします。これまでの日記は、私が子どもたちに「してきた」ことを書き綴ってきました。今回は、私が子どもたちから「してもらった」こと、中でも「嬉しかった」ことを3つ、ご紹介したいと思います。

 1つめは「手紙」です。
 日記のNo8でも紹介しましたが、私は、四人の子どもたちに対し、「0歳の誕生日」つまり生まれた日から、毎年の誕生日には必ず手紙を贈っています。そして、ある年の私の誕生日に子どもたち四人から手紙をもらったことも紹介しました。

舘さん1

 手紙をもらったこと自体もとても嬉しいことでした。でももっと嬉しかったのは、その中に「そっとしておいてくれてありがとう」という一節があったことです。思春期に悩み苦しんでいる子どもを見て、何とかしたいと声をかけたくなるのが親心です。それをあえて抑えて、そっと見守っていた時期がありました。この手紙は、「それで良かったんだよ」と教えてくれたのです。
 親としての成長を感じることができた一幕でした。

 2つめは「プレゼント」です。
 ある年の結婚記念日のこと。私は仕事帰りの百貨店で、慌ててペアのマグカップを買って帰りました。妻はケーキを買ってきてくれたので、家族揃って食べたあと、そのマグカップをプレゼントしたのです。そうすると、何か子どもたちのようすがヘンです。そして長女が持ってきてくれたのは・・・

舘さん2

 そう、まさかまさかの同じペア・マグカップ! 長女は「まさか被ると思わんかった」と言い、みんなで大笑いしたものの、せっかくの子どもたちのサプライズを台無しにしてしまったようで気まずく感じていました。でも、長男が「おんなじもん買ってくるなんて、やっぱり親子やな」と言ってくれて、またみんなで大笑い。救われた気持ちになりました。
 それ以来、子どもたちからもらったマグカップを愛用し、自分で買ってきたほうは「予備」として戸棚にしまわれています。

 最後、3つめは「」です。
 「してもらった」というと語弊があるかもしれませんね。でも、親の背を「越してもらった」とも言えなくもないでしょうか。
 よく子育ての話題に上るのが、「娘が一緒にお風呂に入ってくれなくなりました」とか、「息子が手をつないでくれなくなりました」とかいったことです。「背を越されちゃった」というのも哀愁をもって語られますね。でも、私は背が低いので余計そう思うのかもしれませんが、長男、次男には14歳で背を越され、心底「良かったぁ」と思ったものです。

舘さん3

 子育ての最終目標は「自立」です。まだまだ中身は父親を超えてはいきませんが、少なくとも背丈だけは親を越えてくれました。「自立」というのは親を越えていくことであり、その「自立」に向けて、ちゃんと成長していることを実感できる瞬間の1つが「背を越される」ことなのかなと思います。

 つまるところ、子どもたちに「してもらって嬉しかった」3つのことというのは、どれも子どもたちの成長を実感したひとこまだったのです。
 すぐに跳ね返ってくることはなくても、子育てを通して子どもに対しておこなったことは、何年か後にきっと返ってきます。それも「成長」という形で・・・。人生の中で、これほどまでにやりがいのあることはありません。
 少子化が進み、子どもがどんどん減っていますが、一人でも多くの方にこの「人生のやりがい」を感じてもらえたらと願ってやみません。

これまでの「パパ達の育児交換日記(No1~No49)はこちらから↓
パパ達の育児交換日記


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