キッチン🍴三重の恵み🌿『二年杉森』リレーコラム② 友栄水産オンライン訪問

今回は三重県南伊勢町の友栄水産さんにオンライン訪問させていただきました。

本来ならば、実際に訪問させていただける予定でしたが、三重県独自の緊急警戒宣言が発令されたためオンライン訪問という形でお話を伺いました。

友栄水産さんで養殖されている伊勢まだいや、つぼ網漁について勉強しました。また今回のプロジェクトのキーワードとなる未利用魚についても深く掘り下げて考えていきます！

■自己紹介

相可高校食物調理科2年生 調理部部長の杉森です。

私は将来、自分の店を持って様々な年代のお客様と色々な会話をするのが夢です。その夢の実現のために、相可高校に入学しました。

■相可高校とは？  調理部とは？

相可高校は三重県多気郡多気町にある県立高校です。4つの学科があり、私達が通っているのは食物調理科です。食のプロフェッショナル育成を目標としており、三重県立で唯一調理師免許が取得できる高校です。

調理部とは食物調理科の生徒が所属する部活動です。店舗研修施設｢まごの店｣の運営や弁当販売などで、調理について日々勉強をしています。(現在は新型コロナウィルスの影響でまごの店は営業を自粛しております。)

■今回のプロジェクトについて

今回のプロジェクトの課題は｢水産現場の課題を美味しく解決せよ！｣です。私達は未利用魚という言葉に注目して、未利用魚を使用した商品の開発を行います。

伊勢すえよしの田中佑樹さんの指導の元、相可高校調理部の有志8名が参加します。ふたつの班に分かれて商品開発を行っていく体制となっています。私はA班のリーダーとして、自分の持っている技術を生かしながら頑張っていきたいです。

今後はリレー方式でプロジェクトについてリアルタイムに投稿していきます！

■今回の授業について

今回の授業は、三重県南伊勢町にある友栄水産の橋本純さんにお話を伺いました。友栄水産さんは、伊勢まだいの養殖をはじめ、つぼ網漁やとれた魚を店頭販売したり、漁村体験のできるゲストハウスの経営も行なっています。

 ⚪︎伊勢まだいについて

リアス式海岸の近くに養殖場を設置しており、黒潮の影響を受け、やや高い水温のなかで伊勢まだいを養殖しています。

餌には魚粉の他、伊勢まだいの最大のポイントである伊勢まだいの素を混ぜたものを使用しています。伊勢まだいの素には三重県特産の伊勢茶や海藻・柑橘類が混ぜ込まれていて、油分を抑えたさっぱりとした味わいになります。

台風が近づく情報が入ると、すぐさまいかだをリアス式海岸の内側に移動する準備を始めます。いかだが崩れないようにするためです。厳しい自然を相手にする漁師さんの苦労がみえました。

また橋本さんのお話で特に印象に残っていることがあります。 伊勢まだいを養殖している海はとても透き通っていて綺麗です。しかし養殖を行う環境としては、プランクトンが少なくあまり良くないのです。少し濁った海にはプランクトンが生息していて栄養素のある海と言えます。養殖をする時には後者の海の方が良いのだそうです。私はこのことが意外で驚きました。

  ⚪︎つぼ網漁について

定置網漁の派生で、小型なため少人数での作業が可能となります。網を魚が通るところに落とし、翌日に引き上げるという方法です。日によってばらつきがあり、捕れる日には大きい魚がたくさん入っているのですが、捕れない日には全く魚が入りません。訪問させていただいた日は 
マトウダイ 1尾・イスズミ 2尾・アジ 4尾・伊勢まだい(養殖からの脱走)1尾
が捕れました。下の写真はとれた魚を学校に送っていただいた時の写真です。

私の知り合いもつぼ網漁をしており、手伝いをしたことがありますが、上記のように様々な種類の魚やタコ・カニなども入っていました。しかし市場で売れるほどの数は取れず、この方法では未利用魚と呼ばれる魚の割合は多くなるのではないかと考えました。

  ⚪︎未利用魚について

未利用魚とは
    ・漁獲量が少なく市場で販売できない魚
    ・利用価値の無い魚
    ・キズがついている
  と言った理由で市場に出回らない魚のことをいいます。本当は食べられるのに、流通・需要と供給の関係により販売されない魚が発生しています。

友栄水産さんではこのような魚を干物やみりん漬けにして販売しています。そのため、他の業者さんに比べて未利用魚の消費率は高く、とれた魚の約80%は販売できます。
しかしそれでもなお販売できない魚が存在します。私達はその魚たちを今回のプロジェクトで利活用していきたいと思います。

■感想・まとめ

⚪︎三重県の強み
海の幸・山の幸の両方がとれ、美味しいものが多くあると思います。しかし課題として、海の幸である魚の未利用魚の認知度が低く、もったいない状況がなかなか改善されていかないのではないかと思います。今回のプロジェクトで未利用魚について広く知ってもらい、少しでも改善していきたいです。

⚪︎訪問の感想
私は今回のプロジェクトで未利用魚という言葉を初めて知りました。漁をしてとれたものは全て市場に売られるのだと思っていましたが捨てられる魚もあるということを知り、もったいないと思いました。他の利用方法がないのか、探してみたいと思いました。
他の人の意見では、｢海の一部の魚を人間が大量にとって食べているのだと気づいた。｣｢とれた全ての魚を使えるようにしたい｣などの意見も出ました。

⚪︎次回予告

外湾漁協さん・伊勢志摩冷凍さんへオンライン訪問させていただきます！
定置網漁を勉強し、水揚げや漁港の見学をします。つぼ網漁との違いや、とれた魚がその後どうなるのかを学びたいです。伊勢志摩冷凍さんではどのようなものが加工できるのかを知り、商品開発にも活かしていきたいです。

2021.1.20
三重県立相可高等学校  杉森