キッチン🍴三重の恵み🌿『田中佑樹』リレーコラム③　友栄水産訪問を終えて

このリレーコラムは、もともと生徒たちが繋いでいく予定でしたが、
二度目の緊急事態宣言が発令、そして10都府県で延長になり、プロジェクトに大きな影響が出ました。
そのため、生徒と田中の往復書留形式で進めていくことにいたしました。

このコロナ禍での動きというのは、本当に誰しもが慣れない環境下です。
普段よりさらにコミュニケーションが必要で、それぞれが思っていることと
なぜ今プロジェクトがこのうように進んでいるのかもきちんと分かるようにしたいと思い、
生徒による投稿→田中による投稿→生徒による投稿→田中、、、、
という形で進めていきたいと思います。

■状況と対応

1月7日、東京都など1都3県に対し政府の緊急事態宣言が発出され、
13日には愛知県や岐阜県、大阪府などもその対象区域に追加されたことを受け、三重県においては1月14日付けで独自の三重県新型コロナウイルス「緊急警戒宣言」が発出されました。そして2月5日にこの三重県独自の緊急事態宣言の延長が発表されました。

これを受け、県の教育委員会より、『３月７日まで県内での活動についても
自校内の活動とし、昼食を伴わない午前または午後のみの活動とする。』という方針がでました。

この発表を受け、キッチン三重の恵み予定していたプロジェクトを
どうするか考えないといけない状況となりました。

安全と健康を第一として、止める、もしくは延期が妥当ではないかと、発表当時考えていました。

しかし、今一度考えてみると、

「コロナ禍でも水産現場の課題は引き続き、存在する」
「物流は止まらない」「地球の負荷は減らさねばならない」

そう思ったのです。

そうは思ったものの、安全と健康を確保した上で、どう進めるか？

ヒントは、一番初めに三重の恵みがスタートした時のやり方にありました

■改めまして自己紹介

三重の恵み代表の田中佑樹です。
東京西麻布で小さな割烹店「伊勢すえよし」を営んでおります。
コンセプトは「三重県の旬の食材を使った懐石料理が楽しめるお店」。
「三重にはすごい生産者が沢山いる」ことをとにかく沢山の人に知って
もらいたいと常々考えております。

コロナ禍で新しく「三重の恵み」を立ち上げました。
『美味しい恵みを未来に残す』をコンセプトに、様々なプロジェクト
を実施しております。

私のnoteのアカウントで三重の恵みのプロジェクトの話や、伊勢すえよし
のことについても書いてありますので、ご興味ある方は覗いてみてください。

https://note.com/isesueyoshi_t

■オンラインの課題

今回のお題は『水産現場の課題を美味しく解決せよ！！』

全てのお魚を活用魚にしよう！！

という取り組みです。

冒頭でお話しましたが、現在は緊急事態宣言の真っただ中。
コロナの一刻も早い収束を祈っておりますし、なにより生徒たちの安全を担保するために今は「移動できない」状況です。

オンラインでリモートで進めるしかありません。

オンラインで今回のプロジェクトを進めていこうと考えていくときに色々な課題が見えてきました。

水産現場の方々はとても忙しい方々ばかり
ネットに対して不慣れな方も多い
電波も届かないかもしれない

など思いながら、今回協力していただく皆さんにご相談をしてみました。
その皆さんとは

・今回の課題を教えてもらった生産者の方々・加工場の方
・学校での指揮をとっていただいている相可高校の先生
・訪問予定だった漁協の方や、地元のスーパーの方
・取材していただいている、中京テレビさん、NHKworldさん

という方々です。

同時に、三重の恵みのチームの、クリエイティブディレクター、WEBデザイナー、PRのメンバーとも議論を重ね、様々な角度からアドバイスがありました。

皆さんに相談をしてみたところ、「キッチン三重の恵み」の
プロジェクトを皆さん応援してくださっていて、快く相談を聞いてくださいました。

沢山のご協力を頂きまして、オンラインで進めるための課題を、
一つ一つチームとして解決していきました

■前回の友栄水産振り返り

昨年の11月に友栄水産の橋本純さんに相可高校に
来てもらい、私と共に授業をしてもらっていました。
＊私はオンラインでの授業参加
そして今回、実際に友栄水産に訪問してみよう。と計画をしていましたが、お伝えした通り、緊急事態宣言により、リアルでの訪問が中止となり、オンラインでの訪問となりました。

オンライン訪問の記事はリレーコラム②の杉森部長の
記事がありますので、是非ご覧ください。
https://note.com/mienomegumi/n/nf3903200ec12

実際にやってみた僕の感想ですが

オンライン訪問すごくよかったです！！

〇なにが素晴らしかったかと言うと…
その１『全員がきちんと見れた』
画面越しなので、理解しにくいかなと心配していたのですが、
その逆でした。生徒全員がしっかりと生産現場や漁を画面上で見ることができて、しっかりと理解できた様子でした。もし実際に訪問していた場合、後ろの人と前の人では見れる事が変わってきます。生産者さんの横に立った人と8人後ろ側で見る人とでは当然、見れるものが変わってきます。

その２『生産者さんの声が全員がきちんと聞こえた』
加えて、生産者さんの声がきちっと聞けました。これは、実際に訪問していたとしたら、外で海の上なので風が強く、後ろの方の人は何言っているかわからなかったでしょう。

その３『全員がきちんと理解できた』
上記の通り、きちんと全員に情報が行き届くため、全員理解がしっかりできました。むしろオンラインの方が、きちんと全員が理解できるのではないかと思ったほどです。

その４『全員が積極的に質問をすることができた』
これは、zoomの特性の影響もあるかもしれませんが、一人ずつでないと話せないため、きちんとみんなが生産者さんに直接質問をできました。生産者さんも、作業をしながらではないため、しっかりと一人一人の質問に対して時間をとった形で丁寧な受け答えをしていただく事ができました。

〇しかしながら、残念だったことも…
その１『どうしても五感で感じることができない』
海の温度や、潮風のつよさ、青い色の深さ、太陽の角度、
このようなことは実際に訪問した時に感じれることだと思います。

と、たった１つ。結果は大満足です。

〇まとめ
授業後に生徒に聞いてみたところ、コロナが落ち着いたら友栄水産に実際に
行ってみたいと口をそろえて言っていました。まずは今回のオンライン訪問で、しっかりと全員がこだわりと背景を理解できたことが、この興味に繋がっていると思います。

彼らが自分たちの意思で生産者さんの所に訪問するという事ができると、
自主的に動くという次のステップを踏んだことになります。

「プロジェクトだから訪問する」のと「自発的に訪問する」では
まったく意味合いが違うのです。
もちろん、きちんとした手順で訪問をする事が前提にありますが、
彼らが友栄水産を自発的に訪問したと報告をしてくれるのを、私は今から楽しみにしています。

■友栄水産訪問を終えて

生産者である橋本純さんも、「キッチン三重の恵み」のプロジェクトを
応援してくれていて、「生徒のためなら」「課題解決のためなら」と
たくさんの協力をいただきました。

事前撮影は友栄水産の橋本純さんにやってもらったり、そのデータを私の方に送ってもらったり、zoomの撮影風景の準備や、事前打ち合わせもなど快くご協力いただきました。

こうした【手間の見える化】が、こういった環境下で頑張る全国の人達に向けてのヒントになるかとも思います！僕らも、協力の上に成り立っていることを理解することが続けていく上でもとても大切なので、今後もやっていきたいと思います。

改めまして、みなさんの協力があって素晴らしい授業ができました！！
ありがとうございました！！！

■次回予告

「安乗漁港にて定置網漁について、入札について、未利用魚・
低利用魚について」

を外湾漁協さんにご協力いただきオンライン訪問を予定しております。

そして、その次は
「加工について、未利用魚でできる加工について」

を伊勢志摩冷凍さんにご協力いただきオンライン訪問を予定しております。

友栄水産オンライン訪問を経て、やり方が見えてきました。
このプロジェクトを止めずに、引き続きオンライン訪問で進めていく事にいたしました。
準備は大変ですが、きっちりと生徒にも現状を見てもらって、
解決策をみんなで考えられるようにしたいと思っています。

2021.02.05

三重の恵み代表　田中佑樹