キッチン🍴三重の恵み🌿『田中佑樹』リレーコラム㉒テスト販売開始！

三重県四日市出身、西麻布、割烹「伊勢すえよし」店主の田中と申します。
『美味しい恵みを未来に残す』をコンセプトに、循環型社会を地元三重に生み出す「三重の恵み」の代表を務めております。
三重の恵みと今回のプロジェクト「キッチン三重の恵み」の概要についてはこちらをご覧ください。

このリレーコラムでは
　生徒たちのコラムで「進行状況と体験を伝える」
　田中のコラムで「その裏にある手間の見える化」
という形で、生徒と田中が交互にリアルタイムで投稿しております。

■プログラムの進行具合

①～⑦オンライン訪問＋会議
⑧～⑬商品開発案会議＋試作
⑭商品テスト販売スタート 　　←イマココ
⑮商品販売スタート

■ついに,ついに！！

今年の一月から動き始めたこのプロジェクト。
オンラインで生産現場を知るところから始まり、未利用魚を活用魚にするための商品開発が動き出しました。試作を重ねること30回以上。ついにテスト販売として店頭に並ぶ事になりました！

詳しくは、相可高校調理部新3年生の宿谷さんがこちらの記事にとても良くまとめてくれていますので是非ご覧ください。

テスト販売として述べ4日間販売をさせていただいたのですが、全日完売することが出来ました！（なんと土日は開始１時間以内に即完売！）

好調なスタートがきれて、一安心

宿谷さんの記事に書かれている通り、興味を持ってくださった方に「どのように商品内容を伝えるか」という課題が新たに見えてきました。
店頭で商品の魅力をしっかり説明できるようにしていきたいと思います。

■届けたい、想い

「水産現場の課題を”美味しく”解決」ということで今回のプロジェクトが動き出しました。オンライン訪問・会議を経て「全ての魚を活用魚にするための商品開発」が動き出し、ついにテスト販売にまでこぎつけることが出来ました。

全ての魚を活用魚にするためには、より沢山の方にこのプロジェクトを知ってもらうという事がとても大切だと考えております。

これまでのnoteでは、美味しい商品開発について主に記載してきました。

美味しい商品開発の傍ら、この活動を知ってもらう方法についても私たちは色々と考え作戦を立てて準備してきました。

今回は、私たちが「伝えるため」に行った二つのことについてもお話していきたいと思います。

1,お手紙

私たちは、この活動を伝える方法の一つとして「お手紙を渡す」という事を考えました。そのお手紙には、プロジェクトの概要と、私たちの想いが綴られています。

宿谷さんの記事でお手紙の構成やプロセスなど詳しく書いてあるので是非そちらもご覧ください！

完成したお手紙がこちら。

宿谷さんが仕上げてくれたのですが、お世辞抜きに素晴らしい仕上がりになったと思います！プロジェクト概要も少ない文字数で伝えられているし、一人一人の想いがしっかりと書いてあるし、手書きのぬくもりも感じられます。何よりかわいいくて見やすい！と思いました。素晴らしい仕上がりにしてくれた宿谷さんに拍手！！

実は宿谷さんに担当をお願いするまでの背景があります。

現在プロジェクトに参加してくれている相可高校の生徒は全部で8名、内三年生は4名参加してくれています。

三年生の中で、A班のリーダーを部長の杉森くんに、B班のリーダーを副部長の渡邉さんに担当してもらい、”おかき揚げ”は考案してくれた濱口君がメインに動いてくれています。

A班の中心としてこれまで試作に励んでくれていた宿谷さんですが、具体的な担当が無いのがもったいないなと私は思っていました。

他の三年生と同様、宿谷さんもバンバン活躍してくれています。しっかりと状況も見れるし、自分の意見もきちんと言語化して伝えることができます。

そして何より、絵がうまくてセンスが良い！

一番初めに商品案を発表してくれた時に、このチームには絵が上手い生徒が多いことに気付きました。宿谷さんもそのうちの一人。

そういった背景があり、今回お手紙を担当してもらうのは宿谷さんにと思いお願いをしたのですが、いい意味で予想を大きく超えた仕上がりになりました！

現在「三重のサチージョ」を三重の恵みのインターネットから購入できるように準備中です。商品と一緒にお手紙もお送りできるようにしたいと思っております。全国の皆様にも直接手に取ってご覧いただける日も近いと思いますので、どうぞお楽しみに！

さて、プロジェクトの想いを伝えるお手紙ができたわけですが、これをさらに効果的にお渡ししたいと考え、なるべく生徒が店頭に立てるときは手渡しでお手紙をお配りする方針で考えております。

地方のスーパーに白衣を着た高校生が手渡しでお手紙を渡しながら、商品説明を一人一人にしていく。

とても地道ですが、しっかりと深くプロジェクトを伝えることができるのではないかと考えております。

一人一人丁寧にお伝えしていきたいと思います！

2,動画

そして今回、このプロジェクトの紹介動画を店頭で流していただける事になりました！

こんなにも大きいスクリーンをご用意していただき、大々的に動画を流していただけました！

何はともあれ、まずは是非動画をご覧ください！

動画はこちら（*限定公開）

お手紙同様、こちらの動画に関しても、お世辞抜きに素晴らしい仕上がりになりました！約3分という短い時間できちんとプロジェクトの事も理解できるし、どのように生徒が取り組んできたかもよくわかります。同じ高校生の山本さんがカメラを回すからこその自然な生徒の姿勢もとっても良い。逆立ちしても私には作れません！山本さんに拍手！

この動画がスーパーの売り場で流れる事により「キッチン三重の恵みのプロジェクトを知ってもらう」という目的が大きく前進していくはず！

皆さんも本当に是非、動画ご覧くださいね！

ということで、この動画を作ってくれた放送部の山本さんをご紹介いたします！

店頭で流していただいた動画のOPより

実は三月頃から相可高校放送部の山本さんと顧問の先生に、「このプロジェクトを伝えるための記録」というのを手伝ってもらっておりました。

先日、中京テレビさんでキッチン三重の恵みについて放送していただいたのですが、コロナ禍で移動ができない状況により取材の方が学校に入れず困っておりました。そんな中、山本さん始め放送部の方々が記録の協力をしてくださる事になりました。
実際に、中京テレビさんの放送の際には、放送部の方々が撮ってくれた動画がたくさん流れました。

＊こちらに中京テレビさんで放送された内容が記載されています

テレビの業界の事は無知な私ですが、これって凄いことなのではないかと思いました。高校生と料理人による地域課題解決のプロジェクトを、高校生が記録して、テレビで報道される。本当に凄いことだと僕は思ってます！コロナ禍だからこそ産まれた「新しい放送の仕方」なのではないかと。

計画していたことがコロナ禍ではうまく進めらない中、私たちも幾度となく計画変更してまいりました。その都度みんなで考え、やり方を変えて、めげずに少しずつ前に進んできました。その中でこの放送部山本さんの協力は、とても素晴らしい取り組み方だと思います。

さて、きっかけはコロナによる取材協力で放送部の山本さんと接する事になりましたが、記録の協力をしてもらっているうちに、山本さんのこのプロジェクトに対しての接し方が変わってきたのに気付きました。どんどんと、熱心に、そして前のめりになっていったのです。

そんな時に、スーパーにて動画が流せるかもしれないというお話をぎゅーとらさんとさせていただき、これは！と思いました。

是非山本さんにお願いさせてもらいたいと相談したところ、二つ返事で「やります！」と答えていただきました。

山本さんは、私たちと同志であり、仲間であると確信した瞬間でした。ちなみに次回のnoteはその山本さんが書いてくれる予定ですのでお楽しみに！

■テスト販売その後

・サチージョ進捗

無事テスト販売にて好調なスタートを切ったサチージョですが、その後、次回の販売の連絡が来ません。問い合わせてみたところ、検討中でまたお知らせしますとお答えいただきました。

テスト販売で良い実績ができたので、”テスト販売→レギュラー販売”という流れでスムーズに商品販売がスタートできると私たちは思っていました。そして、その次の週も販売の連絡がなかったため問い合わせてみたところ、再びお返事は検討中。どうも雲行きがおかしい。

担当のバイヤーさんにお時間を頂き、詳しくお話をさせていただく事になりました。
「実は、価格・ボリューム感・味と納得できる商品内容になってないのです」とのご報告をいただきました。

価格が高い

内容量が少ない

味が未熟

ということで、商品開発として未完成の状態だったようです。

しかしここまで、幾度となく原価を落とすための工夫や、味の改良をしてきたため、この課題をクリアするためには抜本的な改革が必要です。相可高校の西岡先生、伊勢志摩冷凍の石川さん、そして私の大人チーム三人で何度も会議をして、仕組み、加工場所、レシピなどゼロベースで見直して在り方を模索しました。伊勢志摩冷凍さんでの作成だと加工にかかる工数に制限があるのに加えてどうしても加工賃がかさんでしまいます。バイヤーさんからいただいた課題、特に価格を解決するためには相可高校の生徒に作ってもらうしかない！となりました。相可高校での作成ができると、より複雑な加工にも対応できます。加えて製作にかかるコストをグッと抑えることが出来て価格を下げることができます。

価格が高い　→　相可高校が作成することにより、解決！

内容量が少ない　→　生徒たちの工夫で、解決！

味が未熟　→　レシピをさらに美味しく更新して、解決！

「価格」については相可高校作成で解決できるめどはつきましたが、「内容量」「味」については、さらなる工夫と試作を重ねる必要があります。

正直、商品開発が未熟だったのは悔しいですが、改めて「全ての魚を活用魚にするための商品開発」として素晴らしい商品に仕上げていこうと思いました。絶対にプロジェクト成功させる！三重県の未利用魚を活用魚にできるかどうかがここにかかっている。生徒たちと共に最後の最後まで気合を入れた商品開発をしていきます！

キッチン三重の恵み＝全国の活用魚モデルに！！世界全体に循環を巻き起こす！これが当初から描いていた私たちの目標です。

なんとか、9月頭に改めてバイヤーさんに試食プレゼンをさせてもらえるように進めております！ここで、素晴らしい商品を試食してもらい、絶対にレギュラー販売にしたいと思います！

■次回予告

【番外編】三重県知事表敬訪問！
放送部の山本さんが書きます！