キッチン🍴三重の恵み🌿『田中佑樹』リレーコラム⑮　試食プレゼン！

三重県四日市出身、西麻布、割烹「伊勢すえよし」店主の田中と申します。
『美味しい恵みを未来に残す』をコンセプトに、循環型社会を地元三重に生み出す「三重の恵み」の代表を務めております。
三重の恵みと今回のプロジェクト「キッチン三重の恵み」の概要についてはこちらをご覧ください。

今回のnoteでは、前回出た課題の整理、田中佑樹による試作、ぎゅーとらさんへの試食プレゼンのお話をしていきたいと思います。

■プログラムの進行具合

①～⑦オンライン訪問＋会議
⑧「商品開発案実食」
⑨「第二回試食会」
⑩試食プレゼン　　　　←イマココ
⑪～⑭商品開発会議
⑮商品販売スタート

■「第二回試食会」で出た課題の整理

詳細は相可高校調理部１年生の石井くんがまとめてくれたこちらの記事をご覧ください。
その時に出た課題を整理すると・・・

・おかき揚げ（揚物総菜）
時間経過によるあおさの磯臭さ
おかきの粒の大きさのムラ

・おかき揚げ（冷凍総菜）
揚げずに完成する商品の開発

・時雨煮
他の商品との差別化

この課題に対するアプローチ方法を私が試作する事にしました。

地元スーパーのぎゅーとらさんにも参加していただく試食プレゼンまであと一週間。
時間が無い中で、課題解決の策を練り、試作を重ねて味見や分析、生徒の皆さんとの意見交換を行い、試食プレゼンの準備を進めます。

■田中佑樹作成の試作改良案

・おかき揚げ

今回、私が提案したのは”つなぎ”の新バージョン。

三重の特産品であるあおとは別に、香りのよい茶胡麻味ダレをつなぎの粉に混ぜ込んでみました。これは三重の恵みの伊勢まだいのかぶせ茶漬けで使用しているタレです。
前回までのおかき揚げの案も試作し、生徒さんに食べ比べてもらうことにしました。

茶ゴマダレ

この茶胡麻味ダレには三つの”三重の食材”が入っております。
・かぶせ茶
・九鬼産業の練りごま
・伊勢蔵の醤油
もともとＢ班の濱口くんからの提案は、田舎あられを衣にして、茶塩をつけて食べるというものでした。
濱口くんのアイデアを応用し、茶塩ではなくかぶせ茶の粉の入った茶胡麻ダレを直接つなぎに練り込む手法を取りました。すると、練りごまの油分の効果で、揚げずにオーブンで焼き上げて完成させることができました。
この茶胡麻味ダレは、もともと「伊勢まだいのかぶせ茶漬け」用に伊勢志摩冷凍さんで製造してもらっていたものなので、加工数を簡略化することができ、課題の克服に加え、三重の特産品を使うというオリジナリティも出す事ができます。
まさに一石三鳥！
生徒の皆さんから意見を聞いたところ、磯の香りたっぷりの「あおさ味派」と誰からも好まれるだろうという意見の「茶胡麻ダレ味派」との好みが分かれたので、二種類ともぎゅーとらさんに味見していただく事にしました。時間経過によるあおさの磯臭さという課題があるため、その点も含めてぎゅーとらさんに意見を聞いてみたいと思います。

おかきの粒の大きさのムラは、ザルでふるって大小を分けることに成功しました。これにより、”衣”の粒の大きさを均一化することができます。

さらに、このおかきの粒の小さい方を”下粉”として活用してみると、おかきの風味がアップして香ばしさが増し、揚げた後にサクサクとした食感が持続するようになりました！

＊下粉：衣揚げにする時に、衣を付ける前に材料に付ける小麦粉のこと

・時雨煮
今回は、オリジナリティを出すために”三重の調味料「伊勢蔵の味噌」「伊勢志摩産サトウキビシロップ」”を使用した時雨煮を提案しました。

醤油・味噌蔵の伊勢蔵さん

伊勢志摩産　情熱のさとうきびシロップ

もともとの商品案は、愛知の八丁味噌と黒糖での調味という形でしたが、他の佃煮の商品との違いを出すための工夫として、”三重の調味料”を使用しての佃煮を提案しました。
伊勢蔵さんは伊勢すえよしで使わせて頂いてもらっているこだわりの味噌醤油蔵です。
さとうきびシロップは、伊勢志摩産のサトウキビで作った甘味料です。
三重県産の調味料を組み合わせる事によって、美味しくオリジナリティを出す事ができると考えました。

上記の「おかき揚げ」と「時雨煮」の二点、田中佑樹作成の試作品を相可高校の皆さんに味見をしてもらい、何を送るか話し合いました。
ぎゅーとらさんへの商品説明の練習もおこない、全力で試食プレゼンに挑みます！

■試食プレゼンでの地元スーパーぎゅーとらさんの感想

詳細は相可高校調理部１年生の小倉くんがまとめてくれたこちらの記事をご覧ください。

ぎゅーとらさんから出た感想

・おかき揚げ

５時間たってもサクサクで美味しい
ギマも美味しいし、小魚も美味しい
あおさ味よりも茶胡麻味の方が好印象
オーブンver.では、衣の改良が必要
ギマの骨を取り除かないと難しい（三枚おろしにする必要有）
原価が合うのかどうかの計算

・三重のサチージョ

アヒージョ美味しい
〆のパスタも美味しい
パスタソースよりもアヒージョとして販売する方が良い
パスタと一緒にもしくは、パンのコーナーでのセット購入を促す販売を検討してみたい
原価の計算をしてみよう

・時雨煮

小魚の小骨感、内蔵の口当たり感が気になる

といったご意見・感想を頂きました。

■感想・まとめ

新たな改善点も見つかりましたが、反応としてはとても良かったです。生徒の皆さんの努力の賜物です！
感想としては特に「三重のサチージョ」の反応がとても良く、相可高校での生徒たちによる手作りの限定作成、限定販売を想定していたのですが、伊勢志摩冷凍さんでの大量に仕込める方向で話が発展しておりました！
嬉しい誤算です！
全ての商品案に対して、ぎゅーとらのお二人も、真剣に、プロのバイヤーとして、しっかりと味見してくださった中での高評価でしたので、大変喜ばしいことです！

これでレシピ開発について、大枠は固まりました！今後生徒と共に微調整を行っていきます。
微調整と言ってもこれがとても時間がかかる作業。
今出ている課題解決、レシピ化、原価出し、原価削減、加工場にバトンタッチ、等々、生徒の皆さんと一緒に行っていく事がまだまだ盛りだくさんです！！

レシピ沢山の人に商品を食べてもらい、「全てのお魚を活用魚に！」していくために、最後まで気合いを入れてレシピ開発をしていきたいと思います。
それと同時に、商品を販売する際のポップや、ワンポイントシールなどもこれから作成していきます！！
商品を買ってくれた方にどうやったら私たちの活動を伝える事ができるのかについても皆で考えていきたいと思います。

■次回予告

課題解決をしながら「レシピ化」「食材原価計算」を行います！！
伊勢志摩冷凍さんに、バトンタッチできるようにしっかりと生徒の皆さんと共に進めていきます！