三重県の日本酒のこと
お米とその地域の水から造られた日本酒は五穀豊穣を祈るマツリの時には欠かせないものでした。美味しいお米の産地として知られる地域は美味しいお酒の産地でした。
日本酒の消費量は、若者のアルコール離れや酒類の多様化などにより減少の一途をたどり、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響などもあって令和2年の日本酒の製造量はピークであった昭和48年の約21%と減少しています。
三重県の日本酒の製造量は同様に減少していたのですが、平成18年を境に製造量が増加に転じ、令和3年では全盛期には及ばないものの15年前(平成18年)と比較して128%となっています(全国値平成18年の48%)。
三重県は他県と比べ産地としての規模は小さい(全国順位15位、シェア1.2%、令和3年)ものの、15年前と比較して製造量が増加している珍しい産地です。
また、他県と比較しても製造する日本酒のうち純米酒の割合が78%と高い産地でもあります。
三重県では、伊賀地域を中心に酒米の王様「山田錦」、北勢中勢地域を中心に酒米の横綱「五百万石」、中南勢地域を中心に在来種である「伊勢錦」が、そして県全域で三重県農業研究所育成のオリジナル品種「神の穂」などの酒造好適米品種が約120ha栽培され、そのほとんどが県内の34蔵に供給され、美味しい日本酒が醸されています。
また、酒蔵は地域や生産者と連携し、その地域で穫れたお米を使った特別な日本酒造りにも取り組んでいます。美味しいお米が日本酒を造り、美味しい日本酒が地域の田んぼを守っているのです。
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