年末年始♪そのまえに…知っておきたいお酒との上手なつきあい方
忘年会や新年会など、年末年始は普段より飲酒の機会が増える方も多いのではないでしょうか。
「飲みすぎには気をつけよう」と意識していても、
ついつい飲みすぎてしまうこともありますよね。
また、ご自身にとってどのくらいのお酒が適量なのか
理解している方は少ないかもしれません。
今回の記事では、適度な飲酒量や飲みすぎによる体への影響、
飲みすぎを防ぐための方法についてご紹介します。
●適度な飲酒量の考え方
適度な飲酒量は「お酒ごとの純アルコール量」や、
「年齢・性別・体質によるアルコールの体への影響の違い」を
理解することがポイントです。
それぞれについて詳しく説明します。
・純アルコール量
お酒の種類によって、濃度(強さ)は異なります。
そのため、適度な飲酒量は飲んだお酒の量(ml)ではなく、
純アルコール量で考えるのが基本です。
以下の表をご覧ください。
純アルコール量は、以下の計算式で求められます。
純アルコール量(g)= 酒の量(ml)× 度数または% / 100 × 比重(0.8)
ビールの場合、計算式は500(ml)× 5 / 100 × 0.8となり、
純アルコール量は20gと求めることができます。
最近はメーカーのサイトで、
純アルコール量を記載する取り組みも始まっていますので、
計算がややこしい方はサイトを参考にするのもおすすめです。
・年齢・性別・体質による違い
お酒の影響を受ける度合いは、
年齢・性別・体質によっても違いがあります。
そして、影響を受けやすい高齢者や女性、分解能力が低い人は
次で説明する依存症になりやすい傾向があるといわれています。
◇年齢による違い
・高齢者は体内の水分量が減少しているため、
若いころよりも影響を受けやすい
・20歳代の若年者は脳の発達途中であり、
健康問題のリスクが高まる可能性がある
◇性別による違い
・女性は体内の水分量が少ない点や、
アルコールを分解する力が弱い点から男性よりも影響を受けやすい
◇体質による違い
・アルコールの分解能力には個人差があり、
同じ量でも動悸や吐き気などを引き起こす可能性がある
●適度な飲酒量とは?
これまでみてきたように年齢や性別、体質による違いがありますが、
厚生労働省は「節度ある適度な飲酒量として1日平均純アルコールで約20g程度」と定めています。
普段よく飲むお酒の種類を上の表で確認して、適度な飲酒量を意識しましょう。
◇飲みすぎが体に与える影響
少量のアルコールはリラックスさせたり
会話を弾ませる助けになったり、
心臓や血管の病気を予防するなどプラスの作用があります。
一方、大量のアルコールはさまざまな病気のリスクを高めることが分かっています。
◇病気のリスク
大量の飲酒を続けると、
アルコールの代謝に関わる肝臓に負担がかかります。
自覚症状のない脂肪肝の段階で飲酒をやめれば
肝臓の状態は良くなりますが、
飲酒を続けると病気は進行して
アルコール性肝炎や肝硬変を引き起こしてしまいます。
お酒の飲みすぎは肝臓の病気以外にも、
胃逆流性食道炎、心筋梗塞、心不全、脳梗塞、アルコール性末梢神経障害など、
さまざまな臓器に障害を引き起こす可能性があります。
また、高血圧や脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症といった生活習慣病も
お酒の飲みすぎが関連していることが多いといわれています。
◇依存性
長期間、大量のお酒を飲み続けることによって、
お酒なしではいられなくなる病気がアルコール依存症です。
全国で100万人を超える患者さんがいるといわれており、
誰もがかかる可能性のある病気です。
はじめのうちは快楽を得るために飲酒をやめられないという状態ですが、
次第にお酒がきれると不安や不眠、イライラ、汗をかくなどの症状がでてくるようになり、
生活にも大きな支障をきたしてしまいます。
●飲みすぎないための方法
飲みすぎを防ぐためには、
飲酒状況を把握した上で、お酒との付き合い方を見直したり、
アプリなどツールを活用したりする方法があります。
順番に取り組んでいきましょう。
◇現在の飲酒状況を把握する
まずは、現在のご自身の飲酒状況を把握することが大切です。
1日に摂取しているアルコール量と週何回飲んでいるかをもとに、
1日平均純アルコール量を計算してみましょう。
例えば、ビール中瓶1本500mlを1日2本、
週に5日飲んでいる人の1日平均純アルコール量は以下のようになります。
20g(中瓶1本500mlの純アルコール量)× 2(本)× 5(日)= 200g(1週間で摂取している純アルコール量)
200g / 7(日)= 約30g(1日平均純アルコール量)
1日平均純アルコール量が20gを超えている方は、
お酒との付き合い方を見直す必要があるでしょう。
20g以下の方も、1週間のうちお酒を飲まない日(休肝日)を設けることがすすめられます。
◇お酒との付き合い方を見直す
お酒の量を減らすための具体的な方法には以下のようなものがあります。
できそうな方法を取り入れてみてくださいね。
・お酒を飲む前に、今日飲んでいい量を決めておく
・飲みすぎてしまう相手と場所をなるべく避ける
・一口飲むたびにコップをテーブルに置き、ゆっくり飲む
・目標を家族やまわりの人に宣言して、見守ってもらう
◇アプリを活用する
日々の飲酒量を記録して、
お酒の量を減らすのをサポートするアプリも開発されています。
純アルコール量の自動計算や、
目標設定の機能がついているものもあります。
●お酒とうまくつきあうためのポイント
ここまでで自分の体質やアルコールの適正量をみてきましたが、
実際にお酒を飲むときにも
少しでも二日酔いを軽減したり
肝臓へのダメージを抑えたりする方法があるといいですよね。
ちょっとしたポイントをお伝えしますので
参考にしてみて下さい。
・飲酒前に乳製品を摂る
⇒胃の粘膜を保護してくれます
・お酒と一緒にタンパク質を摂る
(枝豆、豆腐、肉、魚など)
⇒アルコールの分解力を助けます
・お酒と一緒に水を飲む
⇒肝臓への負担を軽減できます
量に気をつけながら、こうした飲食のポイントもあわせて意識すると
さらに良いですね。
簡単にできる方法ですので、ぜひ試してみてください。
●お酒に関するQ&A
ここからは、お酒に関する身近な疑問を2つご紹介します。
Q:飲酒後にお風呂につかってもいいの?
A:お風呂につかるのは危険なので控えましょう。
飲酒直後・お風呂につかっているときはどちらも血圧が低下します。
そのため、飲酒後にお風呂につかると、
血圧が下がりすぎて倒れてしまう危険性があります。
さらに、お風呂につかると全身の血流はよくなりますが、
アルコールを分解する肝臓に送られる血液は
相対的に少なくなってしまいます。
肝臓に血液が送られにくくなると、
アルコールの分解が進みにくくなり、
酔いがさめにくくなる点からも
飲酒後はお風呂につかるのを控えるのがおすすめです。
シャワーを浴びる場合も、
足元がふらついて転んでしまう可能性があるので、
座りながら浴びるようにしましょう。
また、お酒により脱水状態になっていることが考えられるため、
入浴の前後には水分をたっぷりと補給しましょう。
Q:二日酔いにシジミ汁が良いと言われる理由は?
A:シジミには肝機能向上、余分な水分の排出などの働きが知られています。
シジミにはオルニチンやタウリン、メチオニンなど
肝機能を向上させる成分が豊富に含まれており、
二日酔いの定番食材として知られています。
また、東洋医学では体内に必要以上に水分がたまってしまうことが
二日酔いの原因となると考えています。
シジミには余分な水分を体の外へ追い出す働きがあり、
西洋医学・東洋医学の両面から二日酔いを助ける作用が分かっています。
シジミ以外にも、海藻や豆類、キュウリやゴーヤなどのウリ科の野菜は
水分の循環を良くする作用を有することが知られています。
二日酔いになってしまった日はシジミとあわせて摂るのがおすすめです。
●まとめ
今回は、お酒の飲みすぎによる体への影響や依存性の問題、
飲酒量を減らす方法についてご紹介しました。
少量の飲酒は、
健康へのメリットやコミュニケーションの助けとなることもありますが、
飲みすぎは禁物です。
健康で長く過ごせるように、
お酒との上手な付き合い方を身につけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考:厚生労働省(e-ヘルスネット)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-003.html
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38541.html
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html
減酒.jp
https://gen-shu.jp/what-is-alcohol-dependence/
https://gen-shu.jp/app/
アルコール依存症治療ナビ.jp
http://alcoholic-navi.jp/understand/condition/disability/
http://alcoholic-navi.jp/understand/condition/
アース製薬
https://www.earth.jp/ofuro/faq/015/index.html
クラシエの漢方
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=2720
第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/38_futsukayoi/index3.html