就活に再チャレンジ! 就職氷河期世代の挑戦をサポートする「マイチャレ三重」
年齢を重ねてからの就活は、とても難しいもの。興味を持った求人は、年齢や必要なスキルなどが規定に当てはまらず、応募できる会社の数も少ない。ひとりで求人情報を見てはため息をついている…そんな方もいるのではないでしょうか。
今回ご紹介する「マイチャレ三重(以下、マイチャレ)」はそんな方にこそ、ぜひ利用して欲しい場所です。キャリアカウンセリングの資格を持つ支援員が在籍し、仕事の探し方から、自己分析、書類の作成方法や面接対策まで、就職氷河期世代の就活に対して、手厚いサポートを受けることができます。
今回はマイチャレで受けられるサポートについて、支援員の方からじっくりとお話を伺いました。就活のミニ講座や、マンツーマンのキャリアカウンセリングなど、多様な方法でサポートを受けることができるマイチャレ。自分ひとりでは見つけられなかった突破口を探しにいきましょう!
適性を理解し、自分に合う仕事を見つける
津駅に隣接しているアスト津の3階にある「おしごと広場みえ」内に「マイチャレ三重」があります。
施設の前では、就職氷河期世代を対象としたイベントのチラシなどの就職に関する情報を入手することができます。
まずは窓口で登録をすませます。就職氷河期世代に該当する人は、自動的にマイチャレのサポートを受けることになります。マイチャレを利用できるのは、「転職を考えてる人」「仕事に就いていない人」など、特に制限や決まりはありません。就職氷河期世代であれば、どんな方でも相談をすることができます。
例えば、以下のようなサポートを受けることができます。
ハローワークの検索システムを利用して相談員と一緒に仕事を探したり、サポートステーションが開催している職場体験プログラムに参加することもできます。マイチャレだけでなく、関係機関と連携して、就職をサポートしてくれるのも心強いですね。
「例えば、転職したいという相談があった場合、やりたい職種や条件が決まっている方は、応募書類の書き方や面接の練習などのサポートを行い、希望の仕事につけるようにサポートします。しかし中には、『何をしたいかわからない』という方も。そういった方には、まずは自分の特性を理解するために、自己分析を受けていただくなどをおすすめしています。その結果に基づいてキャリアカウンセリングを進め、自分に適した仕事を一緒に探すこともできますよ」(マイチャレ支援員)
マイチャレを含む「おしごと広場みえ」には、提携しているサポーター企業が500社ほどあり、その中の一部の企業へインターンシップや職場見学に行くこともできます。
▼県内企業の魅力が発見できる「みえの企業まるわかりNAVI」
相談者からの希望があれば、支援員が職場見学に同行することも。
「例えば『小さい頃からものづくりが好き』とおっしゃる方は、製造職に向いていたりするんです。だからといって、製造業というくくりだけで仕事を決めてしまうのではなく、作業の内容やスピード、職場の環境や雰囲気もしっかりと見て、自分に本当に合う仕事なのかを見ることも大切です。私たちは客観的に判断して、アドバイスするようにしています」
また、久しぶりの就職や慣れない環境下でのストレスを軽減するために、就職後も継続してキャリアカウンセリングを受けることができます。相談者の中には、過去の就職先でメンタル不調に陥ってしまい、なかなか社会復帰できない方もいます。そのため、仕事への不安を吐露できる場所を確保することも大切な支援だと考えているのです。
※おしごと広場みえサポーター企業:若者などの人材確保、定着に積極的に取り組む企業を「おしごと広場みえサポーター企業」として登録し、企業ニーズにマッチした就職支援情報や各種企画を優先的にご案内しています。
それぞれの壁を乗り越えるために
就職氷河期世代の中には、コロナウイルスの影響によって「自営業をしていたが、たたむことになった」「非正規雇用のため、解雇された」といった相談者も増えているそう。また、「独身で将来が不安」「親の介護にかかる費用を工面したい」などの理由から、正規雇用を目指す人も。しかし、現実はなかなか厳しいもの。
「年齢を重ねていくと、人柄も経歴も素晴らしいのに、なかなか就職につながらないというケースもあります。それがあまり続くと、それがかえって心の傷になることもあるため、少しでも採用に繋がるようなサポートを心がけています」
今年から、就職氷河期世代に特化した「就活対策ミニ講座」も始まっています。
「大学ではキャリアセンターなどで、応募書類の書き方や自己理解ための適正検査、求人情報の読み取り方、などを細かく学べるのですが、就職氷河期世代の方は就活の基礎を学ぶ機会が少なかった人も多いようです。求人情報のどこを見てどのように企業研究をするのか、合同企業説明会をどのように見て回ればいいのかなど、講座ではそういった情報も盛り込み、お伝えしています」
また年代によっては、Webエントリーの方法がわからないという方も。自分のパソコンやスマホを持ってきて、マンツーマンで教えてもらうこともできます。「就活対策ミニ講座」は一コマ約50分で、自分が受けたいものだけをピックアップして受けることができます。
受講された方の中には、「履歴書の正しい書き方を初めて知りました」という方も。マイチャレの支援員は、キャリアコンサルティング技能士や産業カウンセラーの資格を持つ方もおり、就活のプロフェッショナル。他にも新卒未就職者の支援事業や障害者の就職支援に携わった経験もあり、さまざまなバックグラウンドを持ち就活者に対する知識を持っています。
また、長期間無職の方やひきこもりの方など、仕事につくことに消極的な段階からサポートも行っています。
「ご本人は仕事に就くことに消極的なため、親御さんやご兄弟が将来のことを心配されて、相談に見えるケースもあります。マイチャレでは仕事に関するサポートしかできませんが、それでも相談に来ていただくことで皆さんの状況に合わせた制度や関連機関を紹介することができます。オンラインでも相談を受け付けていますので、対面での相談は難しいという方もぜひ利用してください」
就職氷河期世代の就活は難易度が高く、一人では険しく辛い道のりかもしれません。けれどあなたのことを想いサポートしてくれる人がいるならば、その道が少しなだらかに、足取りも強く歩んでいけるかもしれません。
「やはり1人でできることには限りがあると思うんです。面接の練習をいくら1人で頑張っても、誰も指摘もしてくれない。だから、面接練習の相手のようなものだと思ってもらって、気軽にマイチャレを利用してもらいたいですね」
文・三上由香利(OTONAMIE)