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特集エッセイ

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就職氷河期世代に向けた、エッセイを発信します。
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#三重県

風呂を出て、人に会う

風呂を出て、人に会う

文・ハネサエ.(OTONAMIE)

年々、体力なのか気力なのか、はたまた根性なのか、ただのやる気なのか、そのあたりの頑健ななにかが枯渇していっている気がする。

毎日小学校へ通っているうちの3人の子どもたちが、私の8000倍くらい立派でめまいがする。
私はもう、毎日7時30分に家を出て、重たい荷物と水筒を持って、1キロ以上ある道のりを歩くとか絶対にできない。
暑い日も寒い日も、晴れの日も雨の日も

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「ご縁と呼ぶにはあまりにも」

「ご縁と呼ぶにはあまりにも」

文・ハネサエ(OTONAMIE)

もしかして、私は途方もないことをしているのでは、そんなことを思ったのは短大2年生の夏頃だった。
2003年。時はまさに、就職氷河期と呼ばれる時代だった。

出しても出しても通らないエントリーシート、運よく通った書類審査も面接で振り落とされる。大口採用をしているという企業ならどうにか紛れ込めるんではないか、という甘い期待を頼りにかたっぱしから受けて、かたっぱしから

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