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桜に思う

今夏
50才になる息子が
京都大学に入学した春…
その年
まだ
桜は満開で美しさを
誇っているかの風情が
あった….流石というか
艶やかな平安神宮の桜
ひらひらと舞い散る
哲学の道沿いの桜
桜の下にはしびとが眠る
と云われる異世界の
有り様か?あまりに
儚く美しくって凄まじい。

京の都の長いながい
歴史に彩られるときの
来し方を想う……
いくつもの戦乱を越して
今にあり人々を
魅了し続ける都のありよう
どの季節に訪れても
見るもの全てが
期待を裏切らない凄み。 

息子は大学時代
能を舞い 小鼓を打ち
笛を吹く…人になり
私も母と何度となく
能の世界を旅した。

ビートルズが1日中
流れる家で育ち
中高一貫校では
演劇部に所属して
美しい女性を演じていた。

コペルニクス的転換?
朗々と謡いあげる様に
圧倒されて
母と新幹線で博多に
戻る事もしばしば。
桜の開花宣言が
待たれる….今日….
早くも卯月の声が
そこにある。

『日はながし
   卯月の空も
     きのふけふ』

     加賀千代女作


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