三重県【度会町】地域おこし協力隊募集に関する体験会の報告
2024年11月23日24日の2日間にかけて「度会町 地域おこし協力隊募集体験会」が開催されました。
今回、度会町で募集する地域おこし協力隊は「ふるさと納税からはじまる度会町ファンづくり」がミッションになっています。
このミッションは今年6月から始動し、ミッション組成の時から度会町役場の担当者と、私たち(三重県地域おこし協力隊サポートデスク)と一緒に、県内の先行事例の視察や、全国の活動事例、3年後の出口など調査をしながら、何度も打ち合わせを行い、一緒に考え、このミッションを作りました。
求める人物像を明確にすることにより、間口が狭くなり参加人数は限られてしまいましたが、それでもこの仕事に興味を持った方2名の方が今回の体験会に応募してくださいました。
詳しい募集内容についてはこちらをご覧ください。
この体験会は、地域おこし協力隊として活動するため、実際に現地を見て、一緒に働く方(事業者)に会って、直接話をしてもらい、住む場所や働く環境を体験してもらい、「思っていたものと違った」といったミスマッチを防ぐための機会にするため体験会を開催しています。
今回のミッションは「度会町のふるさと納税」に関連することなので事業者さんの働く場所を伺い、実際会い、商品の見て、話を聞いて、着任後に関連する事業者、物、場所にこだわったツアー内容になっています。
三重県地域おこし協力隊サポートデスクでは、協力隊の募集にあたりの選考の一環ではない事前に来ていただく体験会(見学会・研修会)の実施に力を入れています。その理由については以前に書いた記事を読みますと、より理解できますのでよろしければご覧ください。
体験会1日目
自己紹介・地域の紹介・募集概要・地域おこし協力隊についての説明
まず最初に、度会町役場の会議室にてレクレーションを行いました。スタッフと参加者で自己紹介から始まり、度会町役場から「地域の紹介」や「協力隊の募集内容・要項の説明」を行い、その後、私たち(三重県協力隊サポートデスク)より「地域おこし協力隊制度」について説明させていただきました。
地域おこし協力隊として着任した時に「思っていたものと違った」とミスマッチにならないように「行政の想い」を聞いて、「協力隊としてやってほしいこと」をまず理解していただくことが大事です。参加者の方も真剣に耳を傾けていました。
「有限会社 大河内」へ工場見学
一番最初に訪れたのは、度会町でステンレス製品やオーダーメイド金属加工製品を扱っている工場「有限会社 大河内」。ステンレスで作られた立派なオブジェや特許を取得した製品など他には見られないものがたくさん展示されていました。
社長の山本さんに案内していただき、工場内も見学。ふるさと納税品の商品やその制作秘話など貴重なお話を聞かせていただきました。
帰り際には、可愛らしいネジ玩具もいただきました!
宮リバーパークを散策後、Fukui coffeeへ
次に向かったのは宮リバー度会パーク。
度会町に流れる宮川に沿った長さのある公園です。そこにある「バザールわたらい」を見学しました。ここにはふるさと納税として扱われている商品が多く並んでおり、地元で採れたお米やお茶などの特産品を見て、「これも度会町で作っているんだ」と参加者は商品を見て楽しんでおられました。
また、宮リバー度会パークの近くにある「Fukui coffee」にも訪れました。
お店を一人で切り盛りしている福井さんに開業の経緯やお店のこだわり等お話を聞きました。ふるさと納税としても扱われているコーヒーを翌日の朝食用に購入し、先輩移住者として度会町の魅力の話をしていただきました。
ここでは度会の特産品であるお茶を使った「度会ラテ」が有名。ほかのラテアートも非常に繊細で飲んでも美味しく、見て楽しむこともできます!
RUCIENや鈴木水産を見学後、焼肉「おどり場」にて食事
ふるさと納税の商品でもある「お菓子のじかん RUCIEN」で交流会で食べる用のお菓子を購入しました。お店の外にも甘い香りがただよい、ついついたくさん買いたくなるようなお菓子の種類の豊富さでした。
鈴木水産へ。
鈴木水産は伊勢・志摩・南伊勢の新鮮な魚介が並ぶお店です。物販の他にもバーベキュースペースや食堂があるなど食事も楽しめるところです。こちらで扱っている海鮮もふるさと納税で購入するこもができます。
焼肉おどり場にて、懇親会です。スタッフからの度会町について話を聞きながら、参加者とスタッフが和気あいあいと楽しく食事をしました。
類農園にて交流会・宿泊
1日目の最後は類農園にて、交流会を行いました。
度会町の歴史の話があったり、地域おこし協力隊についての質問が出たりと夜遅くまで度会町の魅力について盛り上がりました。
体験会2日目
朝食は「おんじや」のおにぎり
朝8時に宮リバーわたらいパークで参加者を待ちかまえていたのは、おいしい3種のおにぎりと、温かいお味噌汁です。おにぎりは、度会町のふるさと納税返礼品にもなっているおんじやさんのお米「ミルキークイーン」を使ったおにぎりです。おんじやさんの陰地夫妻は移住者で、2015年から度会町でお米づくりをしています。ミルキークイーンはもちもちした食感と、冷めても美味しいのが特徴です。参加者からも、スタッフからも「おいしい!」の声が続出でした。
茶畑を眺めながら移動
度会町の特産品のひとつが伊勢茶です。町内を移動していると至る所に茶畑が見られます。ちなみに、有名メーカーのペットボトルの緑茶の茶葉もここ度会町で栽培された茶葉を使っているそうで、大きな加工場もありました。また、日曜日でお休みだったため訪問できませんでしたが、ふるさと納税の返礼品になっている御山杉の製品を扱っている世古林業さんの加工場の前も通り、度会町役場の方が会社や製品についての説明をしてくださいました。
度会ウィンドファームへ
次に訪問したのは度会ウィンドファーム、風力発電所です。発電所の前には展望所があり、高所から度会町だけでなく、周辺の地域を一望することができます。度会ウィンドファームには25機の風車があり、柱の長さは80mで、羽の長さは30m、羽の回転速度は新幹線と同じくらいなど、度会町役場の方が、クイズを交えながら説明してくださいました。度会ウィンドファームで発電された電気は、ふるさと納税の人気の返礼品です。電力が返礼品というのはユニークですよね。
森添遺跡
最後に訪れたのは、度会町ふるさと歴史館(旧小川郷小学校校舎)です。町内でも貴重な遺跡である森添遺跡について、説明をしていただきました。橋を作っている最中に遺跡が見つかったことや、橋ができるまでは、児童たちは渡し船で小学校に通っていたこと、出土品から朱の原料である辰砂の産地として有名だったので全国各地から人が訪れていたことがわかるなど、とても興味深いお話が聞けました。
昼食と意見交換
2日目の昼食は、2年目の度会町地域おこし協力隊の山本さんがバターチキンカレーとポテトサラダを振る舞って下さいました。こだわりの詰まったお料理に、おかわりする人が続出し、自然と話も盛り上がりました。
昼食後には、参加者、行政の方、現役地域おこし協力隊の方、私たち(三重県地域おこし協力隊サポートデスク)のメンバーで2日間の体験会を振り返り、意見交換をしました。参加者の方からは、「度会町の人たちのエネルギーや企業努力は他にないものだと思う」「子どもたちの未来を残そうという考え方がいい」「自然が多いのは癒やされていい」など、度会町の印象や、定住するためにやってみたいこと、度会町のために自分ができることの展望などを語っていただきました。参加者のお二人とも、訪れた企業の方たちの思いに心を打たれた様子だったのが印象的でした。
今回の体験会では度会町役場職員(5名)度会町地域おこし協力隊(3名)三重県地域おこし協力隊サポートデスク(4名)事業者や地域の方々(10名ほど)と2日間ではありましたが多くの方に協力をいただき開催することができました。地域おこし協力隊になりたい方にとって、自治体職員の方や協力隊経験者、地域の方と大勢と触れ合っていただくことで、度会町の魅力に感じて「協力隊をしてみたい」と思っていただけたら嬉しく思います^^
最後に
この体験会では、実際に着任後の活動を意識しながら参加者と雑談ベースで対話を積み重ねて、度会町地域おこし協力隊について知っていただきました。度会町の協力隊募集に興味がある人が地域を知りを協力隊の活動目的を理解してもらうことが大事であり、体験会を通じて「実際にやってみたい」と思った方が応募していただけたらと思います。
この体験会を通して、参加者、自治体職員、地域の事業者さん、協力隊、三重県地域おこし協力隊サポートデスクの全員で協力隊の活動内容や目的を共有することができ、ミスマッチを防ぐ取り組みになっていると思っています。
この体験会に参加したことで、応募に繋がらなかったとしても、それはミスマッチを防いだことになり、お互いにとってもいいことだと考えています。
このような活動を通して三重県地域おこし協力隊サポートデスクとして「一人でも多くの方・市町のミスマッチを防ぎ、定住・定着につながていきたい」と考えています。
私たち(三重県地域おこし協力隊サポートデスク)が地域おこし協力隊の募集から関わりを持てることで、希望者の段階から、採用後、任期中、研修、交流会を通して同じ三重県の地域おこし協力隊の仲間として相談相手にもなれますし、協力隊になる前から退任後までサポートしてあげれる関係作りにもなっています。
地域おこし協力隊のミスマッチを防ぐためには、募集の段階でこのような取り組みを行うことがとても重要だと思っているので、今後もこのような活動を仲間たちと協力して励んでいきます。
(文/写真 飯島/五十嵐/峠/中尾)