行き過ぎたルッキズムを考える
今日は美容のお話はちょっとお休み。
今の若い子たちをみているとちょっと心配になることがあってNoteに記しておこうと思う。
韓国アイドルが全盛期のこの時代。容姿にすべての価値基準がおかれてるようなこの風潮。やれ整形だ、やれ骨切りだ、やれ脂肪吸引だ、ダイエットだ・・・。とSNSでは情報が溢れかえっていて、いい年のわたしまで「なにやらいじったほうがいいいのだろうか?」という気にもなる。
もちろんわたしも、肌をきれいにしたいなとか、少しでも清潔で疲れてみえないように努力はしている。なので「同じじゃん」とおもう方がいるかもしれないけれど、それはまた「顔をごっそりと変える」というのとはちょっと違う。
このあいだ自分の若いころの写真を見直してみた。ふっくらした頬、はりのある肌。それだけで可愛いな、きれいだなと素直におもった。年を取ればいやでも頬はこけていくし(これは骨の委縮の影響や肌の筋力の低下、コラーゲンの減少など様々な要因があるらしい)頬がこければ、顔も小さくなる。
顔のエラや頬骨を気にする若い子がいて、削ったり調整したりするみたいだけど、本当にやめたほうがいいとこの年齢になって真剣に思う。年齢を重ねるにつれそういった凹凸が、顔のタルミを少しやわらげてくれたり、ひっかかりになってタルミが抑えられたりするとも聞くし。
(実際自分はエラがないばかりに、頬のコケが非常に目立つ気がしている)
それに、絶世の美女「オードリー・ヘップバーン」なんてエラはりまくってるじゃん。そういう人って横顔がとっても美しいんだけどな。
かくいう私も、来月ボトックスとヒアルロン酸注入を予約してみた。頬こけとタルミ、唇の厚みがどんどん薄くなることに危機感を覚えたからだ。「ホラおなじじゃん整形じゃん」と思うかもしれないのだけど、顔を変えるというよりも、足りなくなった部分に少し手を加えてちょっと前の自分に戻りたいというのが、わたしの本音。それもあまり派手にやらず、ちょっとだけでいいと思っている。
「あれ?なんか最近調子よさそうですね?」と思ってもらえる程度でいい。「最近つかれてます?」って言われることが多くなったってことは、肌がたるんで影ができて疲れてるように見えるってことだろうから。そこをクリアしたい。
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若いころはそこそこ綺麗だといわれてきた。
ちなみに整形はしていない。祖母からは「あなたの顔は将来商売道具になるから大事にしなさい」と、小さな頃からいわれ続けてきた。「あなたに似合うから」と素敵な洋服もたくさん買ってくれた祖母だった。(これはどんな仕事に就いても美しくいることで損することはないだろうという意味でそういっていたと思うし、身内びいきもあったとは思う。)
ただ、実際その通りだった。
就職氷河期・大不況といわれた時代にも就職を勝ち取り、非正規雇用が多いといわれる私たちの年代でもしっかりとした職につくことができている。大した学歴があるわけでも、とびきり頭がいいわけでもないのに。
顔だけでというわけではないだろうけど、新卒の就活時に容姿が武器になった可能性があるとは思っている。
この「そこそこ綺麗」は、実は私にとってずっとずっと呪いのようなものだった。綺麗でいなければ自分の価値が下がってしまう恐怖。綺麗でいなければ、仕事までなくなってしまうのではという行き過ぎた不安感。美人でいなければ価値がなくなってしまうのではという焦燥感。
ただ、若いうちはそういった恐怖も不安感も「そこそこ綺麗」が吹き飛ばしてくれていた。「そこそこ綺麗なmieさんは仕事もできるね!」がわたしのモチベ-ションにもつながった。だから仕事も楽しかったし、当時が一番仕事面でも成長できた気がしている。(もちろんコンプレックスはたくさん持ってた。お肌の悩みなんかはずっとありました。)
綺麗だね、かわいいね、仕事もできるね。から数十年が経過したある日。いよいよ自分がカテゴリー的に「おばちゃん」といわれる年齢に入った直後、わたしは壮大な鬱になってしまった。綺麗、かわいいが失われ「コンプレックス」だけが残った自分。
鬱になったのは容姿の劣化だけが問題じゃなくて、もっといろいろと要因があるのだけど、自分が年を重ねていくことや容姿が劣化していくことに対しての不安感も大きかったように思う。
幸いにして家族や友人の支えがあって、数年かかった鬱から脱し今を迎えているけど、今でも自分の顔をみて「あぁ」と思ってしまうことは事実だ。これはわたしが若いころからずっと追い求めてきた「美しくいること」の代償なのだろうと思う。わたしは「美しくいなければならない」という呪いからまだ開放されていない。そしていつ開放されるのかもわからない。また鬱になってしまうことだってあるかもしれない。
人間だれしも歳をとり、体力も容姿も劣化しやがて死を迎える。これは整形を重ねても何をしても抗うことのできない人間の摂理。わかってはいるが、老いることへの恐怖がぬぐえない。この呪いはいつ解けるのだろうと、今この瞬間も考えている。
今の若い子たちに、同じような思いをしてほしくないと切に願う。整形するなとは言わないし、美しくいることをやめろというつもりもない。ただ、あまりに行き過ぎた容姿へのこだわりは、未来の自分を不幸にしてしまうと思っている。
という、おばちゃんのお小言でした。
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