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関電 1年も経たずに計画破綻 今すぐ老朽原発3基を止めて!


六ヶ所再処理工場が27回目の完工延期で計画破綻

関電が昨年10月に福井県に提示した「使用済燃料ロードマップ」が(タイトル画像)1年も経たずに破綻しました。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20231010_1j.pdf
六ヶ所村の再処理工場の完工予定が2年半伸びて2026年度内となり、計画にあった2026年度からの六ヶ所再処理工場への使用済核燃料搬出ができなくなったからです。

今年度内に新たな計画を提示できなければ老朽原発3基の停止を約束

関電の森望社長は杉本福井県知事と面会し、今年度内に実効性のある計画を提示できなければ、美浜3号、高浜1、2号の運転は実施しないと約束しました。

運転開始40年をこえる原発3基の即時停止を

9月9日には福井県議会の全員協議会が開かれ、資源エネ庁や関電の幹部が呼ばれ、発表から1年も経たずに、計画が見直しになったことで信頼が失われたこと、昨年末に停止する約束だった運転開始40年を超える美浜3号、高浜1、2号を今すぐ停止するように多くの議員さんが訴えました。

◆ 力野議員「昨年も同じような説明を聞いた」「1年も経たないうちにこれは無理だという説明」「1年も経たずに約束を反故にしたということで正直怒っております」「昨年の今の時点に戻って、中間貯蔵施設が決められなければ、美浜3、高浜1、2を止めるという覚悟であった」「約束が反故にされたわけですから、次のロードマップを示すまで3基はただちに止めていただきたい
◆ 渡辺大輔議員「いきどおりでいっぱい」「関電社長の不退転の決意とか約束とかそんなに軽いものなのか」「『2023年末までに県外の地点を決定する。それができなければ3基止めます』ということだった」「それでようやく2023年10月に示されたのがロードマップ」「それが今回破綻したのだから今すぐ3基をとめなくちゃいけない
◆ 大和議員「停止する覚悟はあるのか」「これをストップしないと話ができないといううことを持ち帰っていただきたい
◆ 森議員「止めるべきだという先輩議員たちの声、私もそのとおりだと思う」「ロードマップはみなさんから出してきたもの」「みなさんの方から止めさせてもらいますといって、新たな計画を練って少しでも早く稼働させてくださいというのが不退転の覚悟ではないか
◆ 仲倉議員 「今回ほど裏切られたという気持ちになったのは初めて」「最後の通告」「福井県の原子力政策の大転換してしまわねばならない」「40年超えの3基を止めるという話があるが、こんなものプールがいっぱいになったら止まる。こんなものは覚悟とはいえない」「今日の会議は言い訳にしかなってない」「こんな会議を開く必要はない」「次の回答が間違ったらとんでもないことになる」

2024年3月段階で、27回目の完工延期は確実だった

以下の東京新聞の記事(2024年3月10日)によれば、今年3月5日の段階ですでに、六ヶ所再処理工場を9月までに完工することは「大変厳しくなって」いました。

記事より引用***「今まで何をやってきたのか」。2月29日の規制委の審査会合で、事務局の原子力規制庁の担当者はあきれた。原燃は一部の項目で説明の準備が間に合わず、具体的な議論ができなかった。関西電力出身の原燃の决得(けっとく)恭弘執行役員は「はっきり言って『自分ごと』になっていない。遅ればせながら、そう感じている」と、基本的な意識の問題をさらけ出した***
関電のロードマップ発表の4ヶ月後には、関電執行役には計画の破綻がわかっていたことになります。

26回目の完工延期発表時すでに難航が指摘されていた

ちょうど2年前の2022年9月に、日本原燃は26回目の完工延期を発表しました。その時点では明確な完工時期を示すことができず、12月末になって、ようやく2024年度上半期と具体的な時期を明らかにしました。しかし12月段階で、「2024年9月までに」という完工予定は本当に実現できるのか危惧されていました。

この記事から引用すると
「稼働に必要な原子力規制委員会の審査は、申請から2年がたった今も序盤のままで終わる見込みはない。今後、1年半で完成にこぎつけられる可能性は低い」
「今月21日に、ようやく1回目の申請分が認可されたが、残りの設備数は約2万5000点に上る。原燃が26日に申請した審査は、類似の設備をまとめた上で設計や工事計画が妥当かをチェックする複雑な内容であるため、再びの難航が予想される」
発表の段階からすでに2024年度上期の完工は無理だろうと指摘されていたのです。

老朽原発を止めて

関電は何度も福井県知事との約束を反故にしながら、自分たちのやりたいことだけを推し進めてきました。関電と福井県との中間貯蔵施設をめぐる約束は、嘘とごまかしの黒歴史です。今年度末に関電が実効性のあるロードマップを示すことができるとはとうてい思えません。
今すぐに老朽原発3基をとめてください!

*気になる乾式貯蔵施設の貯蔵量の話*

乾式貯蔵施設と燃料プールとの合計貯蔵量=原則として増やさないのは貯蔵容量?それとも管理容量?

以下のnoteに書きましたが、昨年10月発表のロードマップには「実効性を担保するため、今後、原則として貯蔵容量を増加させない」との記載があります。原発サイト内に作るという乾式貯蔵施設と従来の使用済核燃料プールの貯蔵量の合計が貯蔵容量を超えないようにするということかと以前関電に質問したところ「貯蔵容量1万1千体を原則として増加させない考え」という回答を得ていました。

しかし、9月9日の福井県議会全員協議会で、野田議員の質問に対して水田関電副社長が「乾式貯蔵施設を作ったときに、プールから乾式貯蔵施設に使用済燃料を移します。そうするとプールには空き容量ができます。でもその空き容量は空き容量として使いません。トータルの管理容量は変わりません」と回答。
野田議員は「今後貯蔵容量と書かずに管理容量と書いていただきたい。そこをしっかり県民に説明していただきたい」と指摘しました。
原則として超えないのは「管理容量」なのか「貯蔵容量」なのか。水田副社長が回答したように「管理容量は変わらない」なら、サイト内乾式貯蔵施設をつくることで、使用済核燃料の増加問題を解決することはできません。
これについては、毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たちと日本消費者連盟関西グループから関電に質問を出します。回答がきたら、noteでご報告します。

* 関電と福井県の中間貯蔵の「約束」をめぐる黒歴史はこちらを


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