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ものもらい姫
今日はとっても良いことがありました。おかげで帰宅してからずっとルンルンしてるんですが、何が起きたかを順を追って語っていこうと思います。
実は私、先週から右目のまぶたの裏にものもらいができちゃったんです。
腫れも痛みも悪化する一方で、ついに膿が出始めたんですね。自分の膿で視界が霞むって最悪です。朝起きたらものすごい量の目ヤニが出てるし、気分はもののけ姫の乙事主です。あの目ヤニだらけの盲目のイノシシです。
それの一体どこが良いことなんだ? と不審に思われてそうですが、ここからが本編です。
ついに耐えかねた私は眼科に行くことにしたのですが、どんな治療を受けるかは事前に調べておきました。どうやら患部に針を刺して膿を抜くのが一般的らしく、出血も覚悟しておいた方が良いとのこと。
うわあ……。
目から色んなものを垂れ流すのが確定している以上、化粧はしない方がいいでしょう。なのでスッピン、そしてまだ雪が残ってるので防寒最優先のもこもこコーデ。こんな地味な格好で外出するのは久しぶりですよ。
この姿、誰にも見られたくないなぁ。
というわけでコソコソしながら眼科に行き、まぶたの裏にブスリと器具を刺されてきました。
もう痛いなんてもんじゃないです。
器具で膿を絞り出されている時、本来の予定では「いやぁ……っ」みたいな可愛い悲鳴を上げるはずだったのですが、口から出てきた言葉は、
「いだだだだだだ」
でした。
こういう時に地が出るんでしょうね。いだだだだだ。悲鳴まで乙事主に寄せなくてもいいのに。
そうして治療が終わるなり眼帯を着けられ、点眼薬を貰って帰路につくことになりました。
帰り道は暇だったので文庫本を読みながらのろのろ歩いていたのですが(雪道を読書しながら歩くのは雪国出身の人以外真似しないでください)
そしたら男子高校生の集団とすれ違ったんですね。
彼らは私を見て言いました。
「おい、あの人本読みながら歩いてるよ」
「参考書かな? 頑張るな~」
「親が厳しいんじゃね」
えっ?
ちょっと待って、ちょっと待ってね。
あの男の子達……2X歳の私を見て、参考書を読みふける現役の学生と勘違いしたの?
へ~。
そっかあ~。
スッピンで地味な格好してる私は、学生さんに見えちゃったかぁ(照)
も~~~。
しょうがないな~~~。
きっとすごく視力が良くて心の綺麗な少年達なんだろうな~~(照照照)
思わず振り返って「お姉さんが晩御飯奢ってあげようか?」と言いそうになりましたが、そんなことをしたら経済力のある社会人だと一発でバレるので、女学生と勘違いされたまますスタスタと立ち去ることにしました。
そうして超ご機嫌なまま帰宅し、今に至るというわけです。
もはや目の痛みなどどうでもよくなりましたね、ええ。
彼らのおかげでしばらくは気分良く過ごせそうです!