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マイコプラズマ(技名ではない)
マイコプラズマ、という単語から何を連想するだろうか?
お医者さんからその名前を告げられた時、私は京都の舞子さんがプラズマを放出してバトルする、愉快な絵面を想像したのを覚えている。
なんなら付き添いで来ていた父親も「お前の病気格好いいな」と感心していた。
そう、マイコプラズマはれっきとした細菌の名前である。
学名はMycoplasmaといって、これが体に入り込むと肺炎の症状が出てしまう。当時の私はそりゃあもうゲホゲホと咳き込み、長いこと学校を休む羽目になった。確か一ヵ月以上は咳き込んでたんじゃないかな?
恐ろしいことにその数年後には百日咳というこれまた強そうな病気にかかり、病名からもわかる通り百日以上ゲホゲホしていた。この時もしっかり肺炎になり、レントゲンに映った私の肺は気味の悪いモヤがあちこちに出来ていた。
数年以内に二度も肺が曇ったせいか、どうも私は呼吸器の調子が悪い。すっかり後遺症が残ってしまったようだ。それもあって空気の綺麗な田舎で暮らし続けている。
まあ都市部に住んでた頃よりはマシとはいえ、今でも季節の変わり目には咳が出るのだけど。
けほんけほん、なんて綺麗なものではなく、ゲボッ、ゴホェッ! みたいな感じ。命を削ってる音だ。普通に怖い。
あんまり咳が続くとアバラ骨が痛くなってくるし食欲も落ちる。外出の機会も減る一方だ。おかげで私は色白で華奢なので、そこだけは得をしたと自分に言い聞かせている。この咳には何か意味があったのだ、と思い込まないとやってられないのだ。これは咳ユーザーにはわかってもらえるはず(咳ユーザーってなんだろ?)
実は今も、咳をしながらこれを書いている。なんだか喉の奥がむずむずして空咳が出る状態だ。私は痰が絡まない咳を空砲と呼んでいる。威嚇射撃のようなものだ。痰が絡んだら実弾入りということである。世界平和のためにも実弾射撃は避けたいので、病院で咳止め薬を処方してもらっている。
中枢性鎮咳薬とかいう難しい名前で、麻薬成分が入っているらしい。こういうのをかき集めてトー横キッズがオーバードーズするんだろうな。私なんて毎日「お薬飲みたくないよ~」と泣き言を漏らしてるのに、世の中には自分から大量摂取する人間もいるんだから不思議なものだ。
……薬、美味しくないよ?
どうせならチョコとかグミとか、もっと美味しいものをキメればいいのに。ハリボーグミを噛みまくれば口内環境も改善されるんじゃないかな。
ああ……お腹いっぱい、お菓子が食べたいなあ。でも食欲、湧かないんだよねえ。最後にお腹がパンパンになるまで食事をしたのはいつだろう? 夏バテもあるんだろうけど、慢性的に具合が悪いのもあって食が細くなっている。
まさか自分がこんなに虚弱体質になるとは思わなかった。本音を言うと健康な人はいいなぁと羨んだり、夜中にメソメソすることもあるけど、本を読んだり文章を打ったりすると悲しい気持ちが消えているから我ながらチョロい。
私が文章を書く理由は完全に自分の精神安定のためだと思う。なぜかはわからないけど頭の中を他人に見せるとスッキリする。……思考の露出癖ってこと? も、もうちょっと良い言い方を考えなきゃ……。
ネーミングって大事だ。世の中には格好いい名前をもらうことで、細菌ですらイカしたイメージに変わるのだから。マイコプラズマ。この名前、絶対初めて聞いた人はプラズマをバチバチ出してる舞子さんを連想すると思う。
「直撃どすえ~」
「10倍火力のぶぶ漬けどす~! 帰っておくんなまし~!」
こんな感じのセリフを発しながらバトルしてる映像が浮かぶのは、私だけじゃないはずだ。