助産所実習〜なかなかハードだけど学びが多い!〜
今日は、助産所とは?助産所実習はどんな感じ?という話をします。
以前、看護職ではない友人に「今度助産所で実習させてもらうんだ〜」と話すと、「ジョサンジョ?なにそれ?」と聞かれたことがあります。
「ジョサンジョ」とは?
そもそも助産所とは…
看護職の中で唯一開業して良いと認められているのが助産師なのですが、
その助産師が助産業務などを行う施設を指します。
助産院ともよばれます。
お産介助をしている助産所もあれば、
産後ケアや乳房マッサージをメインとされている所もあり、
具体的に提供しているサービス内容は助産所によります。
助産所で出産してる人はどのくらい?
データは古いですが厚労省によると年間の出生数と出生場所は下記の通りです。
参考までに、2022年の出生数は79万9728人なので、0.7%となると、年間5600人の方が助産所で出産されていることになります。
助産所で産んだ方の反応
助産所を選ぶ割合は1%にも満たないんですが、助産所で産んだ方の多くは「また産みたい」と思われるようで、複数出産する方が多いと言われています。
実際、私が助産所実習中に関わらせていただいたお母さんたちも、お産が「面白かった」「楽しかった」と話されていました。
中には分娩中に「痛いけど、でも楽しい」と話している方も(強者)。
そして、「また産みたいです!」「次は2年後にします!」など産後すぐに次の子の話まで。
決してスムーズに生まれたからとかではなく、23時間以上かけて産んだ方も同じことを言っており、”あんなになかなか出てこなくて大変な思いされてたのに!?”と、個人的には驚きました。
助産所は病院と比較して、お産中も施設ルール的な制限が少ないため「私がやりたいこと」を自由にやれていることから、「私が産むんだ!」という主体性が出て、お産に前向きになっていくのかもしれません。
そして、自分がコントロールしている、という感覚が、お産が辛かったとしてもポジティブな気持ちを生み出すことにつながっているのかもしれませんね。
※病院も助産所もどちらも良いところがあるため、どちらが良いというお話でありません。
※病院で産むお母さんたちが主体的ではない・前向きではないとかいう
話ではないです。
助産所実習はどんな感じ?
さて、助産学生は助産所でも実習をさせてもらうので、ここからは助産所実習の話をしますね。
下記は施設や学校によって異なります。
◆実習期間
学校によって期間はバラバラ
私が聞いたのは、3週間、4週間、5週間。
ちなみに私はお産の関係で7週間でした。w
◆主な目的
・妊娠中期〜後期くらいの妊婦さん1-2人を産後1ヶ月〜1年まで継続的に受け持たせていただくことで妊娠期から産後までを繋がりを持ってみることができるようになる
・助産所での分娩介助技術やベビーキャッチを学ぶ
・助産所の機能と役割を学ぶ
・助産所で行われている事業を学ぶ などなど
◆内容
・妊婦健診
・分娩介助を助産師さんと一緒に
・ベビーキャッチ
・母乳外来
・産後ケア
・2週間、1-2ヶ月健診など。
・産前産後の母児自宅訪問(訪問看護)
受け持ちの方のケアは基本的に全て入らせていただいていましたが、受け持ちの方以外でも、妊産婦さんご同意の上でケアに入らせていただいていました。
◆通い?or泊まり込み?
私は通いでした。自宅が遠い場合は助産所に宿泊させてもらう学生も少なくありません。
◆お産が近いとどうなる?
オンコールなので産婦さんが陣発や破水疑いで助産所に来るとなったら、夜中だろうとなんだろうと向かいます。
土日祝日はなく24時間いつお産があるかわからないため、私はお風呂に入る時もスマホを持ち込んでいました。
施設によっては、お産直前になったら向かう、というところもあるかもしれませんが、私は前駆陣痛の可能性があっても産婦さんが助産所に来るとなった段階で向かっていました。
◆私の体験談
1)休みがないまま、実習期間の延長
私は7週間実習させていただきましたが、後半4週間は土日なしですw
本当に、”毎日”行かせてもらっていました。笑
この毎日いくっていうのが、期間が決まっていればまだ良いのですが、、、
大前提として、お産が終わらないと実習は終わりません。
そして、必ずしも分娩予定日が実習期間内とは限りません。
どういうことかというと、実習期間外が分娩予定日でも正期産に入る日(37週時点)が実習期間なら受け持ちさせていただく、というのが私の先生の方針でした。
予定日(40週)には実習期間が終わっているのですが、それまでに生まれていない場合は実習期間が延長になるんです。
実習期間を超えてもお産が終わるまでは終われないため、見通しが立たない感じ・いつ実習が終わるのかわからない感じが正直きつかったです;;
でも、学生を受け入れる側はもっと大変だと思います。
妊産婦さんと助産師の皆様、本当に本当に本当に、学生にお付き合いいただきありがとうございました…!!!
2)40時間寝ないでお産
お産がゆっくりの方だったため、通算40時間はまともに寝れてなかった中でお産を助産師さんと一緒に介助させていただきました。
気を抜くと瞼がゆっくりおりてきそうになるため、とにかくとにかくこれまで以上にお産に全集中しました。
(でも、産婦さんは同じくらい眠れていないし痛いので、私なんかより全然辛かったはず…!)
お産が無事終わって少し経過した頃には、安心で意識がぶっ飛びそうでした。
3)先生厳しいw
助産所の院長先生(助産師)が学生に対して厳しめだったのと私も不出来なことが多くたくさんたくさん怒られました。笑
1日1オコじゃ足りないw
でも、このご時世怒っていただける機会ってなかなかないから、ビクビクしながらも感謝の気持ちでいっぱいで。。。
睡眠不足や終わりが見えない感じから、実習4週目くらいからしんどすぎて人生やり直そうかなと思う日々でしたが、だんだん「私はなんてラッキーなんだ」と思うようになっていました(どMかもしれない)。
もちろん怒られるのはすごく嫌なんだけどw
実習が終わる頃には耐性がついている自分がいて、絶対負けるもんかって思ってました。
助産師は命を扱う仕事なので厳しいくらいがちょうど良いかもですね。
あ、ゆとり世代代表としてもう一回言いますけど、もちろん怒られるのは嫌です。笑
自分を改善するのみですね。
◆終わりに
病院のドクターによっては助産所で産むことを反対する方もいますし、私も以前までは助産所でのお産=怖い・安全じゃない、と思っていました。
でも私が行かせてもらった助産所は、ガイドラインを適切に守り、医療介入がない分いろいろな面で慎重に対応し、必要時はすぐに病院へ搬送して母児の安全確保に努めていました。
何より、利用した方の満足度がとにかく高くて産んだ直後からお産を考えていたので、少子化対策の鍵は助産所が握ってるんじゃないかななんて思ったりもしていました。
あとはこれだけ言いたい。
助産所で働く助産師さんがとにかく素敵で。
自律して働かれていて本当にすごい!(語彙力ごめんなさい)
ということで、今日は、助産所とは?助産所実習はどんな感じ?という話でした。