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YAMAHA QX3の使い方

昨今のレトロ機材ブームに乗ってうっかり買ったはいいけど使い方全然わからんという人に向けたニッチな記事です

概要

YAMAHA QX3とはかつてYAMAHAから発売されていたDigital Sequence Recorder、いわゆるミュージックシーケンサーです
本機発売の少し前に制定されたデジタル楽器の通信規格であるMIDI対応の機器をコントロールする機械です
開発には浅倉大介氏も関わっていたらしいですね

具体的に何が出来るかというと──
シンセサイザーや音源モジュールの自動演奏、複数機材やマルチトラックレコーダーとの同期、MIDI機器の設定を内蔵FDDで保存、など多岐にわたりますが
ここでは音楽の自動演奏に的を絞ります

必要な物

  1. 音源
    必須です。
    QX3は以降に発売されたQYシリーズと違って単体では音が出せません(クリック音だけ)
    音源は大きくわけてふたつあります
    MIDIに対応したシンセサイザー(鍵盤楽器の形が望ましい)か、音源モジュール、トーンジェネレーターと呼ばれるラック型の機材─ソフトシンセでも良いですが
    選ぶポイントは「マルチティンバー」に対応している事でしょうか
    複数のチャンネルに別々の楽器の音を割り当てて鳴らせます。
    QX3は16チャンネル対応です。

  2. MIDIケーブル
    音源とQX3を繋ぐケーブルです。
    もちろんUSBではありません、MIDI専用(多分)のケーブルが存在します。
    QX3と同時代から2000年くらいまでの機材なら普通に対応しています、最新の機種でもちょっとイイ機種ならまだ差込み口が付いてます
    パソコンのソフトシンセやガジェット機材にも繋げますがMIDIインターフェイスなどを中継しなければいけない場合が多いです。

機器の接続

音源内蔵シンセ(鍵盤)の場合
QX3のMIDI OUTからシンセのMIDI IN
シンセのMIDI OUTからQX3のMIDI IN
シンプルです
この接続であればデータの入力も鍵盤から行えますしリアルタイム入力も可能です。

音源モジュールの場合
データの入力を全てQX3本体で行う場合は
QX3のOUTから音源のINで完結できますがリアルタイム入力ができません。
鍵盤などを使って入力する時、データはQX3で受信しますが音源への送信はPLAYキーを押すまで行われません
どういう事かと言うと・・・

実際に鳴る音を聴きながらの入力ができない

という事です。
ではどうするかと言うと──
エコーバックをオンにします。
仕組みについては置いといて

QX3電源投入時の画面(PLAYモード)で
JOB COMMANDキーを押して12と入力します

PLAY/REC MODE JOB 12 ECHO BACK

2か3をテンキーから選択します

これで入力時も音源が鳴るようになります
※シンセサイザーとの接続でこれを行うと信号がループしたり二重鳴りをするのでオフのままが良いでしょう

入力してみよう

ここではステップ入力のやり方だけを説明します

データ入力用キーボード
コントロールとチャンネルセレクター

[EDIT]キーを押します

データを入力するチャンネルを選択します
[1/9]ボタンを押すとチャンネル1をSHIFTキーを押しながらだとチャンネル9が選択されます
※他のボタンも単独で押せば左側の番号、SHIFTキーと合わせて押せば右側の番号のチャンネルが選択されます

EDIT MODE [ CHANGE ]

(ディスプレイは交換しているので本来の色と違いますが・・・)

[INS]キーを押します

EDIT MODE [ INSERT ]

[INSERT]と表示されていれば入力待機状態です。
あとは、この↓動画の冒頭でも解説されてますが、音の長さ高さ強さを入力していく流れになります

音の長さ
鍵盤入力でも本体入力でも最初に入れなければならない項目です。
音符キーを押すとその値が「ステップタイム」としてセットされます
ステップタイムは音符の長さを数値化したものでQX3の場合は四分音符=96になります。
上部パネルにも印字されています。

音の高さ
便宜上音程と呼びますが要するに音名です。
QX3ではドレミファソラシではなくCDEFGABに加えてオクターブの数値がセットされます。(C..3のように)
鍵盤入力の場合はそのまま確定で入力されますが本体入力の場合はENTERキーを押すまで入力されません。

音の強さ
ベロシティというやつです、デフォルト値では64になっていますがSHIFTキーを押しながら音符キーを押すと(緑の印字部分が適用)ベロシティを変更できます。
カーソルを移動して直接数値を入力する事もできます。
鍵盤入力の場合は鍵盤を押す前にここを決めたほうが良いです。

全ての入力を終えるとステップタイムぶん進みます。

間違えた場合は?
SHIFTキーとDEL(緑印字)を押すとステップバックして入力されたデータを削除します。

本体で入力する場合は都度ENTERキーを押さなければならないのですが鍵盤で入力する場合は指定した音符の長さぶん自動で進んでくれます。
入力が終わったらINSキーを押してCHANGEモードに戻すかEXITキーを押してPLAYモードに戻ります

──この通りQX3には実は「ステップレコーディングモード」という名前のモード自体は無いのです
「エディットモード」で「ステップ入力」が出来るという事なんですね
説明書にはしっかり「ステップレコーディング」という項がありますが

再生してみよう

PLAYモードでPLAYキーを押すと今打ち込んだものが再生されます。
再生のオプションとしてはSHIFTキーを押しながらPLAYキーを押すとリピート再生になります(綺麗にループしませんが)

(つづく・・・?

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