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若い人たちの平和生活を祈りたい
町屋良平×ショパンコンクールかー、おもしろそう!と迷わず手に取った『ショパンゾンビ・コンテスタント』。意外にも「ヌメリ」ゼロ!逆にそれ故に相当にいやらしい女子描写がリアル。
ピアノコンクールが主軸の話なので、否が応でも『蜜蜂と遠雷』がチラついてしまう。あちらはどうにも昔の少女マンガっぽくて最初読むのをやめそうになりつつもそこはやはり恩田陸さんの力量で結局グイグイ引き込まれて泣いたりしたが、こちらは最初文体が気になりちょっと立ち止まる。でもそれもこの作品を象る上で必須なものだと納得して読み通す。
ああー、こうい若い人の暮らしっていいなぁー!としみじみ思う。語り手に息子を重ねてしまったりし、こんなふうに暮らしていればいいな、と思える平和さ。なんか安心して読めた。
ショパンの解釈について、小説の執筆について、ファミレスの仕事について、新鮮な発見もいっぱいあったのもよかった。嗅覚当たりだった。