Viva Aging
何度か書いているが、歳をとるのが楽しい。
世間ではエイジングが敵のような、若さ万歳的な概念が一般的かもしれないが、歳を重ねる度にひとつづつ荷物を下ろしているような身軽さが増す感じがする。
確かに歳をとると身体能力は落ちてくる。毎日走ってる私でもそこは避けられない。例えば視力の低下。老眼鏡はもっていなかったが、スマホの文字はどんどん見えづらくなっている。ついにiPhoneの文字のサイズを大きくした。太字にもした。でも見えづらい。この間、とうとう老眼鏡を購入して鞄に忍ばせている。昔、おばあちゃんが孫の私に「裁縫の針に糸を通して」とお願いしてきた気持ちが今になってよくわかる。目の筋肉低下しているのだろうなと思う。(鍛えようがあるのかな??)
変な話、小便もそうだ。勢いよく出せたのに、いまはめっきりその勢いが低下しているのがわかる。毎日走っていてもそこの筋力は鍛えられないようだ。
歳を取るというのはこうやってどんどん能力が低下していくのを受け入れざるを得ない状況である。そしてきっとどんどん加速化していくのだろう。
それなのに、いや、それだからかもしれないが、筋力低下の反面、心は満たされている。若い頃よりずっと。若い時は悩むことが多い。歳を取るとその悩みが半減するのだろうか。見た目で勝負することがなくなるからなのだろうか?いや、歳をとっても身繕いはなるべくきれいでいたい。そこの感覚は歳とは関係ないと思う。
それでは何故、心は軽くなるのだろうか。
ひとついえるのは歳を重ねてできた友人や仕事先で知り合う人に恵まれていると思う。その人たちとの歴史がどんどん刻まれ、信頼が深くなる幸せがある。
次に子供たち。成長するにつれ、人格も形成され、今後どのような人生を送るのかとても楽しみな一つである。それを見守れる幸せがある。
となると人との関係が心を満たしてくれているのかもしれない。
もっと突き詰めると自分の性格なのかもしれない。私は非常に忘れっぽい。嫌なことがあっても一晩寝たら忘れられる。喧嘩を例えしても怒りを持続できない。この忘れっぽさに加齢が重なり、きっと相当なスピードをもっていろんなことを忘れているのだろう。
言葉は大切にしたいが、「あれ、あれ」「それ、それ」で会話をついしてしまう。
幸せは忘却の先にあるのか。ちょっとカッコつけて書いてみた。
とにかくよくわからないが、歳を重ねるごとに幸せだと感じる瞬間が増えている気がする。歳を取るってなんて幸せなことなんだろう。Viva aging.