届かなかった言葉の供養を ― なきごと「黄昏STARSHIP」
光の消えた夜道を歩き続けた2021年。
色々なことが画面越しで処理される便利さを実感しつつ、人の温もりを忘れていくなかで私の居場所になった一枚のCDがある。
〈疲れ切った日常にほんの少しのなきごとを。〉
という想いで、音楽を届けているなきごと。
2nd ミニアルバムである本作は流した涙を包み込み、受け入れてくれるような作品です。
私の心を言語化してくれたこの言葉に何度救われただろう。
心の隙間に沁み入る言葉と声、朽ちる苦しさと寄り添う温かさが溢れる緩急のついたメロディ。
なきごとが奏でる音楽がそばに居てくれるなら、私はまだまだ大丈夫だ、と思える。
寝れない夜や死にたくなった夜を過ごしてきたあなたに届いてほしい。
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こんな言葉を携えて昨年の前職時代、某CDショップの従業員が年間の1枚を選ぶアワードに投票しましたが選ばれなかったのでここで供養する。
数ある音楽の中で、私にとっての2021年の1枚はなきごと「黄昏STARSHIP」でした。
2021.04.07発売/なきごと「黄昏STARSHIP」