「できるだけ語れることが多い作品を作りたい」新曲のMV制作をしてくれた監督に、制作の裏側インタビュー
「二足の草鞋をはきながら、しばらくは仕事と作品作りを頑張っていこうかなと思ってるんですよね」そう語るひろくん(西川ひろあきくん)は、私、はたなかみどりの新曲「素直になれない人のうた」のミュージックビデオの全てをクリエイティブディレクターとして支えてくれた人。平日は会社員として夜遅くまで働き、作品作りは土日のみしか動けないという制約の中でも、圧倒的なセンスと努力で最高のミュージックビデオを作ってくれた「ひろくん」に今日は制作の裏話をきいていきたいと思います!
どり:今日はインタビューを受けてくれてありがとうね。そして、本当に良い作品を作ってくれてありがとう!インタビューって実はあんまりしたことがないのだけど(汗)、今日はいくつか聞きたいことを考えてきたので、ありのままに聞かせてもらえたら嬉しいです!
ひろ:はい、よろしくお願いします!
たくさんの人を巻き込んで生まれた作品
どり:まずはじめにききたいのが、「作品作りを終えてみて率直に今どんな気持ちか」ってことなんだけど、どうかなあ?本当に率直に。めっちゃ疲れた〜とかでもいいよ(笑)
ひろ:(笑)そうですね、まず浮かんでくるのは、「みんなで頑張ったな」という感じがしますかね。撮影の準備から、色んな人と協力して、撮影もみんなで頑張った感じだったなあって。
どり:そうだよね。インスタでイラストレーターさんに手当たり次第にDMしまくって、素敵なイラストレーターさんに出会えたりね。作品に使うセットも私とひろくん含めて3人で作ってきたって意味では、まさに「みんなで作った」感じだよね。
ひろ:うんうん、当日の撮影もアシスタントで来てくれたみんなと一緒に人形動かしたり(笑)あとは、率直に感じたこととしては、元々思い描いていたようなものが作れた感がありますかね。イメージ通りだったというか。
複雑な心情だからこそ、ポップにしたかった
どり:その「イメージ通り」ってところもっと聴いてみたい。なんか、楽曲を聴いてすぐにイラストの人形を使った映像にしようって提案してくれたことを覚えてるんだけど、楽曲を聴いてから、その「イメージ」が湧いてくるまでの過程とかにも興味があったんだよね。
ひろ:そうですね。楽曲を聴く前の「作品作りをお願いするかも」と依頼してくれたタイミングまで遡るんですけど、曲がまだできていない状態で「ちょっと大人の女性の目線で作りたい」という話を確かみどりさんがしてくれたんですよね。
どり:ああ、確かに、言ったかも!記憶が曖昧だけど(笑)
ひろ:そう。その時同時に、「アニメーションとかも興味があるんだよね」ということも教えてくれて。でも正直その時はアニメーションって難しいかなと思ったんです。僕はアニメーションとかやったことがなかったから。でも、音楽きいた時に「確かにこれアニメだったら可愛いかもな」と思って。それで、アニメはできないけど、せめてその世界観を作れたらとおもって、「イラストレーターさんに依頼して、人形を作ろう!」というところに辿り着いた感じですかね。
どり:なるほどね〜。それで、イラスト人形の提案をしてくれたんだ。
ひろ:そうなんです。楽曲の歌詞の中でおそらく伝えたいことは、どっちかというと複雑な感情だからこそ、「元気に伝えたい」という意図があってポップな曲だったのかなと思ったので。イラストってポップだしメッセージ和らげてを伝えることができるのかなって思った感じですね。
どり:すごい。本当にその通り。複雑だったり、女の子の嘆きみたいなことを歌ってる曲がからこそ、曲は思いっきり明るくしたかったんだよね。さすがです(笑)
ひろ:いえいえ(笑)まあ、そんな感じもあって、構成を作っていった感じですね。
大変だったのは「世界観」を作ること
どり:次に聴いてみたかったのが、今回の作品作りで大変だったこととか、ぶっちゃけ苦労したことかな。どりのレスが遅すぎて大変だった、とかでもいいよ(笑)
ひろ:いやいや(笑)大変だったのは、「世界観」を作り上げることかなあ。今回は手作りでセットとかも用意したじゃないですか。それが、自分が普段関わっている世界観だったら簡単にイメージが湧いたりするのかなって思うけど、今回は普段あんまり触れないようなイラストや世界観だったから、作り込みがすごく大変でしたね。
どり:そうだよね、普段は海に釣りに行ってるイメージしかないもんね!
ひろ:ですね(笑)なので、逆に助けられたとこで言うと、みどりさんが「こんなミニチュア買ったよ〜」って色々小物を送ってくれたり、みどりさんがFacebookなどにあげているイラストとか色合いとか見ながら、「こんな感じかな〜」とイメージを湧かせていました。
どり:なんと!Facebookまで見てくれて、ありがとう!でもさ、撮影とかしながら「ひろくんってなんでこんなに女の子の好きそうなセンスとかわかるんだろう?」とか驚くほど疑問に思ってたから、なんか謎が解けた感じ!やっぱり世界観作りは苦労してたんだねえ。
ひろ:いや〜そりゃもう大変でしたよ(笑)普段休日といえば海の上で魚くさい生活をしていたりするので、今回は「なりきろう!」と思ってました。
どり:なりきるってなんか役者みたい!でも、そうは言っても、普段全く違う生活をしている中で、作品作りのアイデアの引き出しの多さみたいなのにびっくりするんだけど、どうやって引き出しを増やしているの?
ひろ:そこで言うと、引き出しの量はまだまだなんですけど、ただ、平日の仕事が広告関係なので、そこで女性商材系の広告とかに触れていると、ヒントの見つけ方がそういうところで勉強できている感じはしますかね。
どり:なるほどね。じゃあ、平日の仕事での経験が作品作りにも活きてるわけだ!
「作品」と共に裏側の「ストーリー」も伝えたい
どり:じゃあね、次の質問!今回の作品に囚われず、「作品作り」全般においていつも大事にしていることとかってあるかなあ?
ひろ:いつも大事にしているのは、「できるだけ語れるものが多くなるようにしたいな」ということですかね。
どり:語れるものが多く、ってどんなイメージ?
ひろ:例えば、もちろん「ミュージックビデオ作りました」だけでもいいけど、できたらもっと、「作った時にどういう人が絡んでいて、どういう意図でこの画にしていて、どういう意味でこの場面が写っているのか」とか。語られることによって「なるほどね」って気づけることが多いような作品作りを心がけてはいます。
どり:ふむふむ。
ひろ:例えば、今回でいうと、みどりさんの実写の撮影の時の地面って、服や物が散乱していてめちゃくちゃ汚れてるじゃないですか。それは、「やるべき声の渦の中で願いが聞こえない」という歌詞のシーン(家事とかタスクがいっぱい降ってくるイラストのシーン)と絡めていたりとか。そういう意図みたいなものを大事にはしてるかな。
どり:なるほどね!確かにひろくんが撮影の時とかに、「このシーンとこのシーンの世界観を繋げたくて」みたいな言葉を何回も言ってたのが印象に残ってるかも。
ひろ:ですね。そういう「意図」は大事にしています。あとは別の視点で言うと、今回はイラストレーターさんにも協力してもらったと思うんですけど、「こうやって出会ったイラストレーターさんで、こんな風に協力してくれて...」とか、裏側で話せることが多ければ多いほど、「あ、なるほどね!ただ作っているだけじゃないんだ」ってストーリーみたいなものが伝わったりとか。作品そのものも大事だけど、その奥にあるストーリーも含めて伝えたい感じはあります。
どり:面白い!作品作っている人って、あんまり裏話とか話さずに、「作品の中で伝える」ことありきな感じの人も多いと思うんだけど、そのストーリーを言葉でも発していく感じとか面白いなあって思った。
ひろ:はい、だからみどりさんにも、作品のことを語れるタイミングがあればぜひ語ってほしい!なんで語って欲しいかというと、そのほうが記憶に残りやすいかなって思うから。ただ映像を見るだけじゃなくて、そのほうが映像に「深み」が増すと思うんですよね。
今回の作品のこだわりポイント
どり:では次に、今回の作品の「こだわりポイントや見所、おすすめのシーン」などについて教えてもらえるかな?監督的な推しポイントをぜひ(笑)
ひろ:推しポイント(笑)そうですね、好きなシーンは2番の終わりの間奏のシーンかな。間奏はすごく元気な感じがより伝わるなあと思っています。みどりさんの迫力のある演奏が魅力かなって。
どり:恐縮です(汗)イラストのシーンとかはどんな感じ?
ひろ:そうですね、イラストのシーンは3つ異なる色のセットを用意したんですけど、そもそもイラストが可愛いし、一つ一つ人形も表情が違うので、そこはちゃんと見て欲しいですよね。
どり:うんうん。本当に、表情とか動きの違いも面白いよね。あとは、私はラストのサビの盛り上がり感が一番好き!1番とか2番のサビと雰囲気が全然違う感じだなって思った。イラスト部分は人形がいっぱい出てきて楽しいのはもちろんだけど、実写で私が歌っている方もすごく動きがあって。仕上がった作品みたときに、「ひろくん天才やん!」って一番感じたのがそこだったかも。
ひろ:(笑)でもそれはみどりさんの動きとか表情につられて、ああいう動きをした感じですよ。だからみどりさんが元気だからああなったという感じ!準備していたというより、その場の空気感で即興的に動いているから。
どり:まさに一緒に作ってる感じだ!
素直になれなかった中学生のバスケ部生活
どり:さて、次に全く毛色の違う質問で、しかも私が興味本位で聞いてみたいだけの質問なんだけどね、ひろくん自身が素直になれなかったな〜というエピソードってある?
ひろ:んー、えっとですね、基本僕は素直じゃないので、その基本は置いておいて(笑)、中学の頃バスケ部の頃の話します!
どり:バスケ部だったのね!どうぞ!
ひろ:そうなんです。実は、バスケ自体がそんなに好きじゃなくて、でもずっと3年間やり続けちゃって。なんか変なプライドで辞めなかったっていうエピソードがありまして。
どり:なぜ(笑)
ひろ:実は入部のきっかけが友達に「一緒にバスケ部入ったらこのボールペンやるよ」って言われて。そのボールペンが妙に妙にほしくて釣られて入部したんです。そんな入部のきっかけって正直アホみたいで恥ずかしいじゃないですか。だから、それを隠し通して本当はそんなにバスケ好きじゃなかったのに、3年間偽り続けたっていう…
どり:そのボールペンもらった瞬間だけ切り取ったら、逆に素直すぎる少年やけどな(笑)
今後は「海の現状を伝えるドキュメンタリー」を作りたい
どり:次はひろくん自身が今後どんな風に活動していきたいと思っているのかっていうことを聞いてみたいかも。
ひろ:そうですね、今は口コミベースでMVを作ったり、企業さんの紹介動画とかをお願いされたりしているんですが、今後はドキュメンタリー動画なんかを撮っていきたいですね。
どり:ドキュメンタリー!いいね!
ひろ:はい、特に僕釣りが好きなんで海に通ってるんですけど、海の環境とかに意識を向けられるようなドキュメンタリーを今後は撮っていきたい気持ちがあります。あんまり堅苦しい感じではない作品を作りたいなあと思っている感じですね。あとは、それに関連してプロダクトなども今後は作って行けたらいいなあと思っていたりしますかね。
どり:めっちゃいいね。ひろくんらしい。応援したい!
最後に視聴者の皆様に伝えたいこと
どり:いやあ、楽しかったよ。時間をとってくれてありがとうね。最後に、今回の「素直になれない人のうた」のミュージックビデオをみてくれる皆さんに何か伝えたい言葉はある?
ひろ:みどりさんはこの先絶対超有名になるんで、今のうちにファン第一世代の僕らでめちゃくちゃ応援しまっくっちゃいましょ!ってことですかね!
どり:優しすぎる(涙)ありがとう。その期待にこたえられるように頑張るよ!!!本当に今回は作品作りに関わってくれてありがとうね!
ひろ:ありがとうございました!!
CREATOR'S PROFILE
西川ひろあき/週末クリエイティブディレクター
釣りが大好きで、海の環境を良くしたいという思いが強く、
人と環境の研究をするために水産系の大学へ入学。
しかし性格上研究に向かなさすぎたので、研究職につくことはなく卒業。
ならばこの思いを多くの人に伝える仕事をしよう思い広告代理店に入社。
現在社会人4年目。仕事の傍、非営利団体スポーツフィッシング推進委員会(SFPC)に所属し、釣りのイベントを手伝ったり、週末は未成熟の脳味噌となけなしの機材を持って撮影の仕事に携わる。
インスタグラム:https://www.instagram.com/hiroaki__mage/
新曲「素直になれない人のうた」はこちらから
【MVはこちら】
https://www.youtube.com/watch?v=gnty7hsbwMw
【配信ストア一覧】
Spotify↓
https://open.spotify.com/album/2LOctPg4d56nxWDwfr0EBC
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