就活の軸は『スーツを着ない仕事』で始まった。どんどん"卒業"していくシンプルな生き方。
タイトルを見るとなんだか偉そうな感じなんだけど、今から書くのはただの振り返りの日記だ。
私は今新卒フリーランス4年目。教育大学で音楽の先生になる資格をとったのに教師を辞め、就活をして、民間企業に内定を頂くも内定は辞退し、卒業間際の3月にフリーランスとして生きることを決意。
3年間はグラフィックファシリテーターという仕事などに明け暮れて仕事をしていたのだけど、半年前から、昔からやっていた音楽活動を再開し、本格的にシンガーソングライターとしての道に進みはじめた。
自分のキャリアだけでもめまぐるしいのに、さらに謎なキャリアを進む借金850万を背負わされた夫(笑えない)と、わりと波乱万丈な付き合いを経て結婚まで果たした。
また、住処も、
東京でのシェアハウス→沖縄と東京と千葉の3拠点生活→千葉と東京2拠点→千葉に本格移住
といった感じで、ここ数年の引越しの数は数えきれない。ぐるぐる目が回るような人生を送ってきた。(今は比較的落ち着いている、と思う)
まあさくっと書くとそんな人生なんだが、最近新卒の子や大学生と接する機会があったりして、自分のその頃をふと振り返ってみた。
そしたら、そういえば就活するときの最初の軸は『スーツを着ないで働けること』だったのを思い出した。
合同説明会に一度だけ行ったのだけど、その時に鳥肌が立ったのをいまでも覚えている。みんなが同じ黒いスーツを着ているのが気持ち悪かったんだよなあ。それをみて絶対スーツを着て働く会社は嫌だ、と心に強く誓った。
そして、『言われたことをただやる仕事』も向いていない気がしたので、おのずとベンチャー企業という選択肢が残った。そしてベンチャーではないが、ベンチャー気質のある一部上場企業に内定をいただいた。
めちゃくちゃ働きやすかったし、成長もできたし、人も大好きだったし、クリエイティブな環境で、充実していたのだけど、やっぱり自分には雇用されることが合わないことに気がついたり(なんかうまくできないんだよね)、
命をかけてやることではないかもと思ってしまって、10ヶ月位インターンもして悩んだ挙句に、その会社に入社することは辞めてしまった。(ああ、もったいない)
そして、卒業間際に、悩んでいたときに泣きながら閃きが降りてきて(やばい)、思いついたのがフリーのグラフィックファシリテーターという生き方だった。
フリーランスになった私は、『決まった時間に出社する』ということと、『満員電車に乗ること』を卒業した。たぶん大学生の時の自分には、これはあまり想像ができなかったと思う。決まった時間に出社しなくても働けたり、ましてや時給1000円とは全然違う単価で働けるなんて驚きだった。(人が働く時は、全部時給1000円くらいが基準だと思っていた)
うん、よく考えたらお金という概念とかもこの辺りで卒業した気がする。金額=価値ではないということへの気づきとか、時給や月給に換算しなくてもいいんだってこととか、、フリーにならないとあんまり気づけない感覚だった気がする。
こうして暫くはせっせと働いていたわけだけど、2020年4月に住処を地方に移してからは、生活スタイルも圧倒的に変わった。時の流れがゆっくりになったというのかなあ。このあたりで起きた変化は『働かなければいけない』という思い込みからの卒業だった。
田舎に移住してからは、音楽制作をしながら、畑をしたり、猫と遊んだりする日々。週に一度は仲の良い友達にあうけど、人に会うのはそのくらい。ほとんど制作をしている。
仕事の量は大幅に減らした。10こ以上プロジェクトを並行して進めているような暮らしから、一気に定期的にやっている数個の仕事のみを残し、他の仕事は減らして行った。そしてそのタイミングで、3年半続けたグラフィックファシリテーターという肩書きも卒業した。
グラフィックを卒業するときに、『今流行っててニーズもあるのにもったいない』(実際仕事もわりと多かった)という周りの声や、自分の中の声があって実は1年近く葛藤していたんだけど、それでも今の自分には必要ないと思ったので、卒業した。なんでかっていうと、手放すものを手放さないと、必要なチャンスが巡ってこないということを、今までの経験で感じていたから。不思議だけど、ほんとにそうなんだよね。
もちろんある程度の収入は減ったが、暮らせないほどではなく、ささやかだけど貯金はできている。田舎に来て生活費が下がったのも大きい。
何より時間が大幅にできた。人生で一番今が時間があって、8月は2日しか働いてない。こんなこと言ったら怒られそうだけど、それでも罪悪感などは、ない。
東京にいるときには、周りの人たちもめちゃくちゃ忙しそうだったし、働くのが当たり前な空気があった。働かないとやることもなくて暇だった。でも田舎だと忙しい。畑もあるし、家事も忙しいし、、(何より音楽制作には時間がかかる)
まあ、『制作してる時間も働いてるやろ!』と言われたらそうなのだけど、、でも朝は夫と毎日ミーティングをしてチェックイン(お互いの気持ちや体の状態を共有する時間)をし、スケジュールを立てる。
ご飯はほぼ毎回二人で作って一緒に食べる。
その間も愛猫のとらきちはずっと家にいるので、とらきちを愛でる時間も大事な時間だ。
そんなことをしながら、音楽制作をし、家事をし、、とやってると不思議と暇な感覚もない。でも忙しいって感じでもない。心をなくすと書いて"忙しい"という感じになるけど、心はなくなってない感じがする。たぶん。
そんなわけで、『働かなければならない』からも卒業した。もちろん仕事は0ではない。だけど、月に実質2日だけしか働かなくても生きていけたというのは、自分にとってはとても勇気になる。
そんなわけで、『スーツを着ない仕事』を軸にして就活していた時代から5年程経ち、少しずつ自分の卒業したいものを手放して行った結果、わりと自分の本質的なやりたいことに近づいてきている気はする。(夢目標的にはまだまだよ)
そんな感じで、『これはいや!』のエネルギーのものを自分から素直に取り去っていくことは、逃げでもなんでもなく、マジで大事な気がするのだ。何かにNO!を言いたい時には、必ず他のものへYES!と言っているということ。
私の場合は、"スーツを着て働きたくない=自由な働き方がしたい"とか、"満員電車に乗りたくない=健康を大事にしたい、自分のリズムで動きたい"とか。そんな感じで。ほかのものを大切にしたいー!と自分の心が叫ぶときに、『これはいや!』となるのだと思う。
だから、どんどん取り去っていったらいい気がする。向き合いたいものであれば向き合ったらいいけど、どうでもいいしきたりや、好きじゃないシステムや文化などは、従わなくてもいい気がするんだ。そうしないと、心が死ぬ。
そんなわけで、次は何を手放すのかわからないけど、どんどん人生シンプルになってきてる気がする。そして、もちろん沢山悩みはするけど、生きやすくなってきてる気もする。
(まあ、、公務員や企業に馴染めなかっただけの結果論ではあるんだけど。。)
なんか、そんな生き方も別にあってもいいかなーと思う。そして、その後からシンガーソングライターを再スタートする、なんてのも、恥ずかしいけど、まあ、仕方ないよね。このタイミングだったんだからね。
別に見本となる生き方でもなんでもないけど、書きたくなったので書いてみました。誰かの何か励みになっていたら、嬉しいな。これからも音楽、頑張るよ!
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