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思い出しメモ

私は小学生の時から書くことが好きで、よくノートに色々書いていた。

中でも鮮明に覚えているのが、マックスバリューの入り口とかに置いてあるレシピが書いてある紙を全種類持って帰ってはノートに全て書き写すというものだ。
ノートの右側に料理名、材料、作り方を全部書いて、左側にはその料理の写真を切り取ったものを貼って完成。これをノート3冊分は書いていたと思う。ただ面白いことにその中で実際に作ったものは片手で数えられるくらいで、ほぼないに等しい。

私はなんであんなに一生懸命レシピを書き写していたんだろうと考えた。まずは書くことそのものが好きだったこと。鉛筆を持ってただひたすら文字を書き写すことは楽しいのか?と思うけど、とにかく文字を手で書くことが好きだったらしい。
あとは、料理を作る工程を知ったり見たりするのが好きだった。当時はキューピー3分クッキングも大好きでよく見ていた。材料を切ったり焼いたり味付けしたりする工程が見てて面白くて、それが映像であれ誌面上であれ、好きだったんだろうなあと想像する。

でもそんな幼い頃の私が実際にキッチンに立って料理をしたことはほとんどない。何故か考えてみた。当時から料理を作るのはお母さんのやることで、私は手出ししてはいけないと思っていた。料理に興味はあっただろうに、自分もやってみたいと言い出せなかったんだと思う。本当はやってみたかったんだな。お母さんの邪魔をしてはいけないとか迷惑になるとか考えていたのかなと思う。それは中学生になっても、高校生になっても同じで、逆にどんどん自分の気持ちが言えなくなっていたので実家で料理をすることは全くなかった。

それでいてなんであんなに熱心に、作る予定もない料理のレシピを毎日毎日必死に書き写していたか、別の理由もある気がしている。それは、未来の自分のためだ。
大人になった私がこれをみて料理をしている姿を想像して、一生懸命レシピノートを書いて作っていたんだと思う。その感覚は確かに今でも少し覚えていて、思い出したというか、それがきっかけでnoteに書き残そうと思った。幼い頃の私は、今は自分で料理をすることはできないけど、大人になったらできるはず。そんな小さな希望がほんのちょっとでもあったと思うと、少し泣けてくる。大人になって一人暮らしを始めたきっかけも、自分の生活の軸を自分で回していきたいと思ったからだ。自分の食べるものを自分で作りたいも軸の一つで、確かに私は自炊が苦ではない。周りは、自炊していてえらいね〜と褒めてくれるけど、そんな大層なものではなく、ただ自分は自炊が好きなんだなと、この記憶を思い出してさらにその思いが強くなった。

小学生の時の自分に、大丈夫!大人になったら好きなものを好きなだけ自分で作れるようになってるよって伝えてあげたい。

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