④倉田雅美さん(呑み喰い処 みょうが 店主)
こんにちは。
今回は、高山村に2軒しかない居酒屋さん(ランチ営業有)の『呑み喰い処 みょうが』店主の倉田雅美さんに夜の営業終了後に呑みながら、お話をお伺いしました。
https://www.instagram.com/myouga1015/
雅美さんと深く話をするようになったのは、今年の初めの方からでした。僕がインスタで「100人プレゼン」と題していろんな人たちに自分の企画を紹介していることを発信していました。
そんな中、みょうがでランチしてお会計をした後に
「西山くん、インスタ見たよ。面白いことやってるねー、羨ましいよ。」なんて声をかけてくれたので、それから色々話すようになりました。
2人で村内の移住者、地域おこし協力隊や村内の事業者さんを集めて飲み会を企画したりもしてましたが、サシで飲むのは初めて。
ワクワクしながらみょうがに足を運びました。
店に着くと美味しそうなおつまみと料理が並んでいてすぐさまビールが、
特に右上の「海老」と左下の「のどぐろ」が美味しかった
営業終了後だったので、片付けを済ませてから雅美さんも席につき、話を聞かせてくれました。
倉田雅美さん
西山が感じている雅美さんの魅力は、内に秘めた高山村愛とと村のおふくろの味を守り続けたいという思いです。
最近のお店の状況
乾杯をすませ
雅美さん:(ビールを一杯飲んで)いやー大変だよ。
色々こうにやってきて、今も嫁さんとオススメを今度どうしようと話をしているけど、やったとて人が来ない。寂しくてな。賑わいがなくて。
ー営業していて賑わいが好きなんですか?
商売しててさ、うまく回っていると楽しいんだよね。自分でメニュー考えます。お客さん来ますでお金も回ってくるから楽しい。
お客さんが来ねーと思っていてお客さんがバタバタきだすと準備していないからうまく回らないでイライラする。
何だよちくしょーみたいな(笑)
ー(笑)
正直さ・人間らしさが雅美さんの面白いところです。
今はコロナの影響などもあり、なかなか経営が厳しいそうです。
そんな中でも道の駅でみょうがの弁当販売を始めたり、新メニューを考案したりいろんな手を打ちながら頑張っています。
高山生まれ高山育ちで、高校を卒業して、一般企業に就職し、24歳から夢だった料理の仕事をはじめた雅美さん。なぜ高山村で飲食店を始めたのかを聞いてみました。
高山村で「みょうが」を開業した理由
ー なんで高山村で飲食店を始めようと思ったんですか?
村は食堂が無いから食べるところないじゃん。俺が始める前は扇屋さんしかなかった。
あとはちょっと上からかもしれないけど、村の人に美味しい料理を食べてもらいたかったんだよね。料理の修行をして、こんなのあるんだとかあったから。村で食べたことがないようなものがあったりした。それを食べてもらいたかった。
ー どんな料理屋さんで働いてたんですか?
調理師会っていうのがあったんだよ。調理師会がお店と繋がっていて、人が足りないといろんなところに派遣された。3箇所くらい行ったけど、どこもいいところいかせてもらって。
最初は懐石料理屋みたいなところで働くことになった。うなぎ割烹みたいな店で。調理場2つあんの。うなぎの調理場・和食の料理場みたいな。そこは当時の埼玉知事が夜な夜な飯食いにくるようなところで。最初からいいところいれてもらって、その後行ったのも大宮(埼玉)の料理旅館だった。
埼玉から群馬に帰ってくる時も、高崎の西口の一番いいようなところに入れさせてもらってね。
これを村でやったらいいなって思った。まだ若かったけど、村でこういう料理を食べさせてあげたいと思った。
ー なんで、高山村なんですか?
どっかでやっぱ村が好きなんだよね(笑)
上下関係、人付き合い。気楽さ。っていうか
俺、知らない人と喋るの嫌いなんだよね(笑)
都会でやったら知らない人いっぱいじゃん。繋がりとかそういうので商売できたらいいじゃん。
都会に住んでたこともあるけど、隣近所と世間話すらしたことなかったしさ。朝から晩まで仕事行って帰ってくるだけだった。地域のごみ拾いや川掃除みたいなのもいくけど、あまり話はしないし冷たいなぁって。
やっぱり、村の人とは繋がっていたいなぁと思うんだよね。
あまり直接口にはしないけど、高山村愛に溢れる雅美さん。
始めた当初のことを聞いてみました。
最初はさ、うまい刺身とか魚とか提供してみたけど、あんまり好まれなかった。
みんな「焼き鳥ねぇの。ラーメンねぇの。」って(笑)
やっぱり「カツ丼」とか「生姜焼き」とかわかりやすいのが好まれるんだよね。まあ、それはそれでそういうのやればいいだけ。お客さんの意見きいて取り入れた方が喜んでもらえるからさ。
村の知っている人から、表には出ないみょうがの裏メニューを聞くこともしばしばあります。今後どんなメニューが出てくるのか密かに楽しみにしています。(笑)
みょうがのこだわり
僕の大好きな、みょうがの定食に入っている小鉢。雅美さんの義理のお母さんが作っているそうです。それについても聞いてみました。
ー義理のお母さんの小鉢メニューは開店当初からあったんですか?
それはずっと俺の中で頭にあって、漬物ときんぴらごぼうとか春はふうき(フキ)を煮たのとか、秋はきのこ。そういうのすごいうまい人だったから。
嫁さんちの実家に行って、飯食うとさ、あーうまいなぁって。こういう、「おふくろの味」を残していきたいなぁって思ってた。
高山は米がうまい。義理のお母さんは漬物とか料理上手で。
俺の実家は、味噌屋から手作り味噌を取り寄せてるんだけどそれもうまい。ご飯と漬物と小鉢と味噌汁がうまい。
あと俺が頑張って生姜焼きと唐揚げとかうまく作ったら全部美味いじゃん。これは、自信があったんだよな。
こだわりの「米」「漬物」「味噌汁」「小鉢」
お米は毎朝ガス釜で炊いた美味しいお米を使っているそうです。
手作り味噌。
義理のお母さんのつくる漬物と小鉢。
これがみょうがの定食には必ずついてきます。
正直、僕はメインディッシュよりもこちらを楽しみにランチしに行くくらいです。
ー この先どんなお店になりたいですか?
もう一人、俺の代わりっつうたらあれだけど、パートさんが働けるようにしたいよね。そしたら2階も使ってお客さん待たせたり断ったりするのも減る。売り上げが上がって楽しくワイワイできるようにしたい。
店を外に広げるというより、村の飲食店として地域に根ざした飲食店を目指しています。それは「村が好き」という純粋な思いからの目標だと感じました。
また帰り際、こんなことを話していました。
村が衰退していくのも嫌だしさ。年寄りばかりになって人が増えないとか。何もできないけどさ、何かあるなら参加したいと思う。どこかで村のために何かできればいいなぁと思うんだよね。
黙ってみているのは、いやだ。今以上に何かしたいという雅美さんの村に対する熱い思いが表れています。
こだわりの料理を持ち、村のために頑張りたいという思いを持つ雅美さん。
がむしゃらに頑張っている姿が素敵でした。
みょうがは、一品一品が美味しいです。
ちなみに僕のおすすめは、「スタミナ定食」です。ぜひ食べてみてください。
忙しい中、時間をいただきありがとうございました!
呑み喰い処 みょうが
場所:https://goo.gl/maps/iCLeUghW8rZXncKy6
定休日:木曜
営業時間:11:30-13:30,17:30-21:00
TEL:0279-26-7405
読者のみなさん
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。