⑤佐藤勝美さん(勝美内臓調整療法院)
こんにちは。
今回は高山村で『徒手療法』(手を使って行う治療のこと。てあて。)で患者さんの治療をされる
勝美内臓調整療法院の佐藤勝美さんにインタビューさせていただきました。
以前、村の中でお会いしてほんの少しお話ししたことはあったのですが、ゆっくりお話をするのは初めてでした。なのでちょっと緊張(笑)
でも話してみると、とてもおしゃべり好きな方でした!
(今回はインタビューの形式というより、佐藤さんが自分のここに至るまでの経緯や思いをまとめながら話してくださいました。)
↑勝美内臓調整療法院のHPです。
療法を始めるストーリー
ー 初めに療法を始めたきっかけを教えてください。
勝美さん:わたし、元々は美大で子供の絵本作家を目指していたんですよ。
高校も美術科のある高校で。。
絵本作家を目指していたけど、実家が大工だったので、親の大工を手伝っていた。高山村にきたのが、平成15年くらい。その時に、高山村の熊野地区の大工さんに雇ってもらって大工をしていたんです。
でも未熟で続かなかった。
それで大工を36歳くらいで辞めたんです。
以前からお薬とかに頼らないような健康管理に興味があったんですよね。
自分も薬を飲むと子供のとき吐いたりしたことがあったりして、大工でも強い防腐剤を塗ると気分が悪くなったりとか、割とそういうのが強かったので。。
自然とバランスをとりながら気持ちよく生きたいというのが強かった。
そういった中で健康を考えようと思っていたんですよね。
興味のあった療術業(一般的に整体やセラピストという分野。医療と暮らしの間にあり、その隙間を補填している業種)っていうのがあって、大工をきっぱりと辞めて、
といっても収入がないのは困るので、介護の仕事もしつつ。。
ー 介護の仕事は初めてだったんですか?
そうですね。
できるだけ人に触れたりとか、人と関わる仕事をしながら整体を勉強したほうが役に立つだろうなと思って、ヘルパー2級という資格を取ったんです。(介護の仕事に)勤めながら、週末東京の池袋の学校に通いながらみたいな感じでした。
ー 人に触る、人に関わるというのは普通のお医者さんとは違うんですか?
私、人と関わるのがすごく好きなんですよね。得意ではないのだけど。
子供の時はドラマの中に出てくるカウンター越しにグラスを磨きながら人の相談事を聞く、無口なマスターを見て、この人のようになりたいと思っていた。
子供の時もどちらかというと感受性が強かったのか、大人の言うことがなかなか納得できないけど、自分で表現したいものが確実にあって、絵を描いたりバンドとかもやってたりした。一方でスポーツもやってみたかったり。
やりたいことをずっーと、なんでやりたいかって考えるよりかはやりたいからやるという感じだった。
やりたいことをやり続けてきているから、いろんなことが起きるわけですよ。たまには人とぶつかったり、人に迷惑をかけたりとか、親にも心配をかけたりとかいろんなことがあった。そうしてでもやりたいことが確実にあった。
(最初は)絵本を書いていたりしてから、大工さんになった。
大工になって人と関わるみたいなことが始まった。(大工をやっていると)施主さんがいて、電気屋さんがいて、左官屋さんがいてみたいな。
20代半ばの時に沖縄の一番西まで行ったことがあったんです。田舎暮らしがしたかったので、日本の一番南にいって北に向かって歩いてたらどこかいいところ見つかるだろうと思ってた。
一番最初に行った与那国島ってところに馬がいたの。それで馬を飼う生活がしたくなった。
関わりをもってこそ人や動物も自然も元気になる。何か交流を通して回り出すものが起きてきた時に生き物って生きてられるんだなというのが、後からわかってきた。若い時は発散するように表現しようしようとしていたのだけど、そうするとエネルギーが切れるようになっちゃう。
この話を聞いた時に、今の自分の話をしているような気がしていてなんか少し耳が痛くなりました。
今は、徒手療法(てあて)というスタイルがしっくりきている。何かその人の健康や暮らしを整えて元気になってもらいたいとアプローチして、元気になったり笑ってくれたりした時にこの感じだと思った。
手に触れて回り出す何かが、人が元気になるとか繋がりが楽しいとかはこういうことなんだと思い出してきた。
ー 「回る」という表現わかる気がします。僕も自分のことを話すことはやっていたけど、逆側の相手の気持ちとか反応とかに目をやることを疎かにしていたことに最近気づいてきました。話を聞いていて、「回し」たくなりました。
うんうん
施術する勝美さん
予防医学というジャンル
主流の医療と佐藤さんの徒手療法(てあて)の違いについても教えてくれました。
病院に行ったら検査をして基準値がこれで、照らし合わせると数値が高いですね、低いですね。と言われる。
特に日本って病気か病気じゃないかの二つに一つみたいな感覚で健康が測られていると思うんだけど。そういうもんじゃないと思う。
コロナが流行する直前くらいの時に、世の中が不安定になってきている感覚が強かったので、もっとみんなに寄り添うところで健康を考えなきゃいけないと思い出し、予防医学というジャンルを勉強し始めたの。
そうはいっても私は、民間療法でお医者さんの資格を持っているわけではないから自分本位の自己満足になってもしょうがないので、回り出す感じ。相手が喜んでもらって、それが戻ってきた時に喜んでもらうことが大事だと思っている。常に相手にとってどうかなというところ見ていかないといけないと思う。
予防医学というジャンル。(それを広めようとするドクターが言っていた)健康って病気か病気じゃないかではなくて、自分の健康レベル1,2,3,4,5を上げていって自分の目指したいゴール(こういう生き方がしたい)それを目指していいんだよ。そこに健康があるんだよという考え方を知った。
冷静にいろんなことを勉強してくると日本の社会って閉塞感が強くて。
諸外国とかでビジネスにしろ何にしろ成功している人などは、自分が夢中になれることにどのくらい夢中になれるかっていう教育をされてるんだけど、
日本は評価されやすい、いい子にしていなさい。これしちゃダメだよとか自分の中から湧き上がってくるこうやっていきたいんだよを表現する場所が作られてなかったり、作られてるんだけど、経済的に余裕のある人はそう言ったところで生きていけるけどお金もなくて、そんな余裕がない人たちとの間に格差ができちゃっている。
私は、そんなに経済的余裕がなかったとしても子供たちがちゃんと将来を自分なりに夢見て成長期を過ごせるようにそこにアプローチしたいなぁというふうに思っているんです。
そんな人たちにアプローチするために、6月からオンラインサロンを作り出したそうです。
↓佐藤さんが運営しているオンラインサロン↓
治療をやっているんだけど、治療に頼らない方がいいよと言っている(笑)
その人がどのように生きたいのか、どんなふうに喜びを感じるのか。
それがあった時に私が初めて、できることがあったらサポートしますよ。というスタイルになってきているんです。
ー それは手を通してっていうことですか?
私の場合は言葉以上に触れた時に感じる情報が多い。それは私の得意なスタイルなのかもしれない。人によっては、喋ることが得意な人もいるだろうし、一緒になってスポーツすることが得意なスタイルの人もいるかもしれないし、私は「てあて」。徒手療法を通して情報を交換するというところに特徴があるのかな。
あんまり喋りとか得意じゃないんだよね(笑)
ー そうなんだ(笑)
健康に向かうために積極的になる
色々、話を聞いたのですが、自分の中で面白かったのはこの話。
腰痛などで一番効果の高いのが、運動療法。
痛み止めとか、コルセットとかは海外ではあまり効果がないと言われている。
運動療法の一番いいところは、患者さんが健康に向かうためにより積極的になること。検査して薬出されては全部受け身じゃん。
自分ってこうやっていきたいよねにフォーカスしないと始まらんだろうというところ。そこがスタートじゃないかな。
私動物が好きなんだけど、動物の場合は、人に言われることもなくやっているわけ。生きることに夢中になっていかないと特に野生状態だと死んでしまうじゃん。
人間は複雑で便利な生き物になった反面、何のために生きているのかがよくわかっていないんだよね。
自分の苦しさをどこもわかってくれない。県外から来る人もいっぱいいるんだけど、窓口として存在していたいなと思う。
病院とかでは理解してもらえないような体の不調をちゃんと説明をして改善をしていけるような窓口を作っていきたい。
趣味について
ー 先ほど少し話をしていた与那国島での馬の話をもう少し聞きたいです。
与那国島で普通より小柄な馬がいる放牧場があって半分野生みたいな感じで保護されている馬がいた。与那国馬を保護している人がいて、その人とこれからどう生きていくんだ?なんて話をしたんですよ。
奥さんがカレー屋さんをやっていて、カレー屋も手伝いながら馬の牧場も手伝う生活が始まった。
当時、風の子って書いて「風子(ふうこ)」という馬がいた。ほとんど人を寄せ付けないメス馬で、その子を担当させてもらって、「風子」は特に気になっていた。
若い頃の勝美先生とメス馬「風子」
草刈って運んだりなんなり、知識はなかったんだけど、続けてた。そうするとだんだん(風子が)気を許してくれるようになって、乗せてくれるようになって、最終的に種付けをして子供を産むところまでやったの。
極端だけどその時点で、馬を飼った生活をしようと思ったんですよ。
馬と一緒に海で泳いだりとか、腕枕とかで寝たりとかしてた。
ー 馬と触れ合うというのも、動物は生き残るのに必死ということを感じながら触れ合っているんですか?
あんまり考えてないんだよね。人間と喋るとすごいぎこちなくなるんだけど、動物と馬とか犬とか集団を作る動物が好きなんだけど何にも考えないで済む。
馬の面白いところは三段階ある。
例えば、馬に乗っている時は人馬一体で一緒に走るぞって行かなきゃいけないし、だけどちょっと乗り手が強くないと馬になめられる。だけど降りた時は、乗せてくれてありがとうと馬のためにブラシを磨く。
やたらに強くなくてもいいし、優しく癒しだけ求めていなくてもいいし、一緒になってわっとできてもいいし、
体験として教えてもらったような感じですよね。
現在も勝美さんの所有する馬が種子島にいるそうです
現代社会における問題点から、どんな人でも窓口となって治療をしていこうと淡々と語られる佐藤さんの熱い思いを感じました。
現代主流となっている医療とは、異なった考え方で初めて聞く話も多く驚くことばかりでしたが、なんとなくわかるような気がするなぁと話を聞きながら頷いていました。
僕自身は、今のところ体に大きな異常はないので一般的な「健康」ではあるけど、予防医学というジャンルからすると「健康」なのか?(笑)
そんなことを考えさせられました。
どの範囲で「健康」を捉えるのか、その捉え方の違いで大きく変わってくるのだろうと思います。
このインタビューの後、実際に整体を受けたのですが色々言われたことが当たっていて面白かったです。
適度な運動と油物を控えなさいと言われました。笑
気をつけよう。
(このインタビューから、油物などを控えだしたのでかなり痩せました!笑)
勝美さん、お忙しい中ありがとうございました!
読者のみなさんも
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
勝美さんは最近、Youtubeも始められました。是非ご覧ください。