
僕を満たすパンの話。
いいことも、悪いことも日常には起こりうる。そんな当たり前のことを、深々と考える半月だった。とにかく仕事が大変で、大変で。もう本当に冬のリビエラに逃げたいと思っていた。プライベートでも本当に辛いことが続いて、基本的にはお酒を飲んでやり過ごしていた。
さて、閑話休題。パンである。それもローカルパンである。最近、東海地方に行く機会が多くて、三河安城とか刈谷とかあのあたりに行って、あんかけスパや米の入ったカレーうどんなどを食し、炭水化物富豪としてしばらく過ごしていた。

炭水化物というか糖分を多めにとらないと私は頭が全く動かない。あのあたりのごはんにとても助けられたのである。さすがでんぷんエリート産出国、三河。

私は、マツコの知らない世界の「ローカルパンハンター」の回を見過ぎて、画面の中に出てくるパンをほとんど覚えてしまった。そして、どこの地方に行っても「なんかあるかなぁ」とスーパーや駅でパン棚をのぞくようになった。駅前の商店街で、いい感じのパン屋があったら一つ二つ買い求める「パンハンター仕草」を身につけてしまったのである。 楽しい。これが望外に楽しい。

ローカルパンハンターのテレビと、ローカルパンハンターのインスタにはかなりのパンが紹介されている。 わりと、どこにいってもローカルパンハンターが紹介していたパンがある。見つけて食うとだいたい旨い。さながら、「進研ゼミで習ったところだ!」と快哉を上げる中学生のような喜び方をしてしまう。
先日も駅前の商店街をふらふら歩いていたら、いい感じのパン店をみつけた。

みて、このパン。「ブドーパン」「パピロ」。

見たじゃん?これローカルパンハンター進研ゼミでやってたやん!!! おお、思わずガッツポーズ。そして買い求める。 裏を返し、賞味期限を確認。パピロのほうが先だったので次の日に会社で食べるが、「みどりさん、そんな大きいわんぱくパンどこで…」と部下にジッと見られてしまった。 そう、ローカルパンはデカい。っていうか、おそらくローカルパンハンターが楽しんで食べているローカルパンがでかい。
それ一つで満足できるよう、ずっしりと。あるいはふわふわ大きく、たっぷり、ぎっしり、確かな満足がローカルパンの心意気なのである。 うまそげなデカいパンは、せっかくだからと買い求めすぎると、賞味期限が来てしまう。この辺りが本当に考えどころなのだ。でんぷんエリートは旅先で複数個召し上がるそうだが、そんなパンばかり食べられない…。なんかこう、他のモノも食べたい…。となってしまう、でんぷんパン以外でも摂取したい素人は、いつもここで悶絶している。
ああ、賞味期限の短い大きなローカルパン。
3個買うと、絶対冷凍する羽目になるローカルパンよ。
道端のベンチで、地元の牛乳と一緒に食べていると、青空いっぱいにローカルパンハンターの笑顔が浮かぶ。
本当に、ファンだからとか好きだからとかそういうのではなく、シンプルに「ローカルパンハンター、半分食べてくれませんか」と思っている。
あなたの好きなパン、とても大きい。
ローカルパンを探すようになって、カレー屋さんに酒井さんを連れていく黒沢カレーのおじさまの気持ちがとてもよくわかる。 美味しいものは人と分け合るからさらに美味しいというアレではなく。 でんぷんいっぱい食べられるエリートが後輩にいると、本当に心強いよね。
ほんと、菓子パン5つもあんなスラっとした身体のどこに入るのかしら…。
今日はリョーユーパンの地方でライブだという。私の好きなリョーユーパンは「大きか銀チョコ」です。

おしまい。