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君に会いにいく良いわけ 2023 Aug.



ユタソロも橋ツアーも終わってしまった…。今日は8月14日。外は台風でえらいことなっている。

今回のツアータイトルが『The traveling show』という、優さんのソロ曲の中でも一番好きな歌だと発表されてから、ひそかに決めていたことがある。

行って帰るだけでなく、旅の中でライブに行こう。

2023年8月4日

会社を定時で後にし、港へ向かう。この日はとても暑くてそれは今も続いているのだけれど、ぼーっと立っているだけで汗がにじむ37度の酷暑の日だった。港へ続く電車では、楽しそうに海外の若者が話をしていた。フェリーに乗り込み、荷物を整理して甲板に出る。海を渡る風は陸より冷たくて少し重く心地よく、空を見上げると星が煌めく。30分ほど見上げていると、流れ星が見えた。明石海峡大橋の下をくぐるときは、口々に乗客がぉお…と感嘆の声を上げ一斉にスマホを向ける。

コロナ禍が始まったここ4年。旅に出ることはよくないことだった。ここ数年、旅に出たり人と会食したり、ライブに行くことがよいこととはされない日々が続き、とても悲しかった。私はこんなときだから行かないという、何気ない言葉に傷つくこともあった。行けない理由や行かない原因は人それぞれで、苦しい思いをした人もたくさんいると思う。だからこそ、やっと旅に出られると思ったときは嬉しかった、でも実は今日も少し怖い。

複雑な気持ちとザリザリとした心の表面に気付けたのが、今回のライブに行って良かった部分でもある。甲板で海を眺め船内の窓際に腰を落ち着けて、お酒を飲みながら夜の海を眺めていた。人と会うことやかかわることの億劫さはもともとあるものの、それに恐怖が絡むと足がすくむ思いがする。これはおそらくもう変わることはしばらくない。たとえ出かけることに制限がなくなったとしても、その根源がなくなったわけではない。それでもと出かける理由は、旅にしかないものがあるからだ。

誰も自分のことを知らない場所に身を置いて、静かにしているのは声をかけられないという安心があっていい。大阪のバーや居酒屋にフラッっと一人で行くと、最近は心を寛げて話すタイミングが減った人が増えたようで、酒の勢いに任せた酒飲みにとにかく話しかけられる。楽しいこともあるが、正直ちょっと辛い。その点、船の上でそんなことする人はおらず、おだやかな気持ちでお酒を楽しむことができた。関係ない人がざわざわと話している中で、ぼんやりお酒を飲むことが楽しい。晩御飯はバイキング形式で、おそらくカーフェリーとして活用しているドライバの方だと思う。おかずもごはんも山のようにとって、静かにたくさん食べられていた。じっと眺めるのも失礼なのでちらと見ただけだが、隣の席のお兄さんは本当にたくさん綺麗に食べられていて、心がスッとした。

目覚ましがなくとも一人旅は、きまって朝日の時間に目が覚める。甲板に出ると、美しい朝焼けが瀬戸内の海をキラキラと照らしていた。オレンジ色が水色に反射して、灰色の雲と透明な空気の中に放たれる姿は神々しくもあり、優さんの誕生日の朝に見られて嬉しかった。この景色は嫌なことがあったり、辛いことがあったときに思い出す風景の一つになる。

2023年8月5日

朝に港へ着き、博多へ向かう。福岡の街路樹ではクマゼミが鳴いておらず、爽やかな雰囲気がある。やっぱりこの日も酷暑だった。昼ごはんを食べる時間も惜しく、物販に並んでワインとグラスを買った。この日の宿はワンルームマンションをホテルにしたような作りで、広々としていてキッチンもあり過ごしやすい宿だった。浴衣に着替え、会場へ向かう。内容を観客が全く知らない初日特有の高揚感に包まれたライブハウスは入るだけで昂る。

今回のツアータイトルは微笑の代名詞ともなった名画を冠する「モナリザ」。真っ白のシャツとパンツに身を包んだ優さんは、いつも通りにこやかに少し眉をしかめて、バースデイソロコンサート定番のM1「The birthday song」を歌ってくれた。誕生日当日におめでうと伝えることができること。そして、舞台上で歌う人の生まれてきたことが嬉しいと、心から思った。会いに来るためにここまで色々あったけれど、来られて良かったと涙が出る。M2「ROSE」の色っぽい優さんに陶然としていると、舞台は始まっていった。

「モナリザ」は会いたくても会えない日々が続き、そして、会いに行くのにも勇気がいるライブなど、ここ数年の舞台の軌跡を内包する作品だった。観客居住地域限定のライブ、一つずつ席を空けソーシャルディスタンスを設けたライブ、声を出さずに静かに聞くライブ。安Pが「無観客での配信ライブは笑い声がないんですよね。アイドルの二人にあんな静かな舞台、可哀そうすぎるんです」と悲しそうに言っていたことを思い出した。安岡優と安岡優っぽい人のかかわる舞台には笑いが欠かせない。かっこいいなぁとニコニコする笑顔もあれば、面白いってゲラゲラ笑うこともある。パンツだって飛ぶ。一つひとつの舞台は楽しい思い出として記憶されているけれど、心の端っこにある特別な嬉しさや逡巡。その複雑な感情の一つひとつをほどくような構成だった。

ゴスペラーズ25周年のライブがツアー途中で終わり、予期せぬゴールを迎える。そのときもいつもと変わらず、優さんは「また会いましょう」と約束してくれた。

ゴスペラーズの曲で、優さんが作詞。未来へ漕ぎ出す君を静かに見守るM3「Seven Seas Journe」のバンドアレンジにグッときた。グループの時とは違うロックな曲調に優さんの熱さを思う。7つの海でも越えていけると叫び、会える時を待つファンの気持ちを盛り上げてくれるようだった。ソロライブに来るたびに、この人本当はロックの人なのかもしれないと感じる。熱く甘く、時に切なく。ドラマチックな曲が実は似合う。

このライブでは、何度も、何度も「僕のモナリザ」と呼び掛けてくれるシーンがある。静かに微笑む一人ひとりの君を、繰り返し呼ぶ甘やかな声。フルオーケストラと一緒に歌われた時にも思ったけれど、自分の気持ちを表現するだけでなく、気持ちを受け取って微笑んで渡すという心の翻訳をしてくれるところが本当に素敵だ。

M4「Luz」は日本語で言うと光を意味する。スマホをポケットから取り出し、画面を光らせて客席に背を向けるとモナリザに語りかける。-遠く離れたあなたにも、大切な日々を守っているあなたにも。会いたいって思うだけでいい、笑って。この曲とM5「Door」は、寂しい、会いたいと思う二人と、光を求めて次のステージへ踏み出す人が描かれている。この4年、優さんは折に触れ「僕たちはずっとライブをしているから、来られるようになったら来てください」とメッセージを送ってくれた。そして、会場に足を運び舞台を見上げるモナリザ一人ひとりに「会いたかった、君の笑顔と歓声が宝物だ」と笑いかけてくれる。誰一人、こぼさない。来る人には特別な時間を、来られない人には次の約束を。

M6「モナリザ」は声優・小野大輔さんの提供曲として生まれた曲だった。小野Dが歌うならと作られた歌詞は演者とその観客の愛について語るストーリーだった。

―その静寂さえも物語に残そうと思う。

歌の前、ほんのひと時だけ、優さんは役者として舞台に立った。板の上でなんとも言えない微笑みを浮かべる。ホッとしているようで、少し寂しいようで。これからを思う笑顔のようで少し泣き顔ような満足気な表情。スポットライトに照らされた姿に、コロナ禍で追いかけてきた後ろ姿を思う。

モナリザの微笑む姿に自分を思う人々を擬え、静寂の中で微笑む人との思い出を忘れないと歌う声。優さんの作品は歌だけで完結するのではなく、その周辺コンテンツのブログや動画なども目を通して全体像が朧げに見えてくるというものだった。

あの表情を見るだけで、大変だったコロナ禍も舞台装置として昇華されていくように感じた。歌う声に複雑な気持ちが気化して、自分の体から抜けていくような不思議な感覚。その許されたような愛されているような心持ちは、舞台を見上げる人だけの宝物だ。

夜のパーティ

ライブが終わり、優さんの誕生日を祝うパーティーが開催された。参加者の中には遠く青森から訪れた方や、ジェームスのチケットを譲ってくれた方もいた。初めて会う人も多くて、にぎやかな宴になった。結局夜中まで続いたパーティーでは最終的にテキーラを飲みながら、久しぶりに推しの話をした。パーティーのタイトルを「私たちがモナリザだっ!」と命名した。舞台を見上げた一人ひとりの全員がモナリザとして慈しまれ、大切にされたライブの後だったから。本当は博多のドンキで人数分の「今夜の主役」タスキを買って、全員につけてもらおうと思ったが、やめてしまった。今でもこっそり買って11本持っていけばよかったなと思っている。今度は誰にも内緒で用意していこう。

2023年8月6日


この日は台風上陸の2日前。迷走台風のため、結局は博多のライブには影響を及ぼすことは少なかった。沖縄から来られなかったモナリザがいるのは本当に気の毒で、最近のライブは荒天との闘いだなとも思った。友人と別れ、港へ向かう。途中で福津の駅に立ち寄り美味しいうどんをいただいた。駅では夕焼けが美しい浜の絵ハガキを売っていたので、思わず1枚買い求める。炎天下に海へ出かける勇気もなく、優さんと同じように春の海を見に行こうと考えている。昨日のライブを思い出しながら、この日はあちこちで一人になるタイミングを狙って泣いていた。

コロナ禍のライブは出かけるに勇気が行った。もし何かあったらどうしよう…と思うこともあり、まぁ大丈夫だろうというタイミングと、これは行かないほうが良いのかもしれないと迷うことも多かった。気持ちにはグラデーションがあり、ずっと辛いわけではないが、ずっと気楽にらんらんらんらーんというわけでもなかった。

それでもなお出かけたのは、ライブがあるなら絶対見たい。という渇望のようなものだった。人と触れ合うことが推奨されない日々を過ごし、少しずつ辛さや寂しさ、空虚さで心がいっぱいになっているときに、ライブを見るとその瞬間は100%楽しかった。それと同時に、いま推さないと次のライブがなくなるかもしれないという恐怖も正直あった。サマソニで大盛況の8月20日現在では、こんなことは杞憂なのだけれど、去年の今頃はライブ文化が衰退するのではないかと怯えていたりもした。

ライブ配信は便利だけど、それはあくまでも視聴であって知識や経験にはなるが体験には成りえない。現場の高揚感やその日だけ空気が体験として肌に刻まれることは現地で参加しないと絶対に無い。それは圧倒的にデータのトラフィックが違いすぎて、比べることも難しい。ちょうど昨日、響歌を22.2chの環境で聞いてきたけれど、音を食べるならあの環境が最適だと思う。ライブ賛歌はインターフェースが違いすぎて別次元の話だと思っている。気温や匂い、湿度や天気、他人の笑い声や歓声、拍手。振り返るときに光る汗と静かな横顔。大きな背中、柔らかいシャツが翻る速度、ハラハラと床に落ちるハンカチ、愛らしいおでこを空に向けて歌いだすときの笑顔。そのどれもが特別に良かった。

優さんの震える指先と、何度も何度も繰り返し練習してきただろうに、ここぞの時に甘神する歌もセリフもMCもすべて良かった。「歌、噛んでないんだからいいじゃんっ!」の小声に、会場のモナリザたちが「嚙んでたよ、優」と静かに微笑んでいたことも良い思い出として記しておく。準備万端の歌君が昂って気持ちが先走ってしまう瞬間は、いとしさしかないと思うから。

旅の帰り道。船に乗り、また夜の海を眺める。泣いてばかりでは仕方がないのだけれど、ホッして嬉しくて少し怖くて泣けて仕方が無かった。星空を眺めようと甲板に出ると、台風前で雲が凄い速さで流れていった。雲間から星がきらめき、暗闇になれるころには星座も分かった。普段、暗闇に目が慣れて星座が見えるまで夜空を見上げることは無い。旅の良さはこういうところにもあるのかしらと星屑の街を聴く。船の中ではパソコンを開いて食堂で仕事する人や、甲子園や夏のスポーツ大会へ応援に駆け付ける高校生などもいて賑やかさと静けさのコントラストが心地よかった。この日からすこし天気が崩れる。朝日を見ずゆっくりと寝て、そのまま仕事にでかけた。

2023年8月9日


博多から帰ってきて大荷物のまま出勤し、翌日から盆休みに突入。1日家で旅支度をした後、青春18きっぷを握りしめて朝から在来線に乗る。最近、企画乗車券で電車に揺られるのがなぜか楽しい。若いときは家業の手伝いや自分の仕事の関係で長期の休みが取れず、最近になってやっと気兼ねなく休めるようになったからかもしれない。見慣れた車窓の景色から少しずつ離れ、山を越えて海に出る。普段ほとんど海や山を見ることが無いので、それだけで心が晴れる。

関西から関ヶ原を越えると、駅名票のラインがブルーからオレンジになっていき、車内の方言も少しずつ変わっていくのが楽しい。電車でもエレベーターでも、大きめの声でしゃべっているのは、西の人のことが多く、東に向かうにつれて車内は静かになっていく。この日は富士山のふもとに泊まる。一気に東京に行くと少し疲れるので、どこかで1泊して朝早く江戸に入るのが好きだ。静岡に入ると、NHK大河「どうする家康」ののぼりがあちこちにある。岡崎や刈谷などにも近いうちに訪れて、えびすくいを踊ってみたい。

もともと魚介類が好物なこともあり、海沿いに旅に行くのが好きだ。合わせて温泉をこよなく愛しているので、日本は本当にどこに泊まっても楽しい。スーパー銭湯でも山奥の温泉でも、海辺の温泉でもじつはどこでもいい。

静岡で美味しいマグロを食べて、スーパー銭湯の温泉に入りながら博多のライブを思い出していた。優さんの誕生日は大抵良い天気で、台風の前でも帰るまでは傘がいらなかった。いつもならわりと旅先であちこちに行くのだが、今年は本当に暑くて、旅先の室内で過ごすことが多く、温泉のカフェで本を読んだり、ぼんやりと外を眺めたり。忙しい日常から遠く離れて、とにかくぼーんやりするのはいいなぁとまたしても考える。静岡のスーパー銭湯はお刺身が美味しくて、日本酒を追加しちびちび飲む。旅先でライブを観ると、非日常が二倍になる気がする。特にソロライブはいつも5人グループで見ている人を一人で見るというのもあり、非日常感はさらに増す。

バンド紹介もMCも一人。スポットライトの似合う人だけど、見ているほうも緊張する舞台だ。そんな中、グッズ紹介だけは宇佐美さんが登場されて、うふふと和んだ。今回のグッズはスパークリングワインと一緒にフルートグラスが販売された。グラスは向かい合わせで乾杯するときに、相手が見ている方向にモナリザが向くように工夫されている。だれか大切な人とお酒を楽しむこと、それは例え目の前に居てない人とでも乾杯できるような仕様だ。なんとも優さんらしい。この日は「Summer Breeze」のPV公開日。ホテルでひとり大盛り上がりした。あの一瞬だけこちらを見る酒井さんに、キュッと心臓をつままれるような気持ちになる。この日はPVの余韻に浸りながら、富士宮名物の焼きそばを食べて眠りについた。

2023年8月10日

優さんの誕生日やライブの前後は、平和を願う日があり、戦争の無い日が来てほしいと旅の中で思った。ウクライナとロシアの戦争がこんなに長く続くとは思わなかった。ゼレンスキー大統領の面差しがコメディアンのときと全く変わっているのをニュースで見て胸が痛む。

この日も浴衣に着替えて、ライブ会場へ向かう。実はこのツアーが始まる前、ゆたかのライブだからゆかたでと行こうと思いついた。「浴衣着るんやし、団扇作ってや」と友達に頼むと、旅先の優さんを描いた団扇を作ってくれた。美しい日の光に向かって、旅に出かける広い背中が素敵なイラストを背に美しい声を聴いて幸せな気持ちだった。東京の会場ではロビーに聡元さんがいらっしゃったので、ほっとして座席へ。映画館仕様の座席はフカフカで気持ちよかった。暗転し、優さんが出てくる。博多はライブ感、渋谷は舞台感をより強く感じた。満員御礼のライブでは、二回見た舞台なので落ち着いて見られるかと思ったが、そういうわけでなはなく、同じ曲で泣いていた。

M7は「RAINBOW」だった。ひとつ前のアルバムに収録された『アオペラ』への提供曲で、リルハピが歌う。がむしゃらに青春を送る彼らへ、大人になったゴスペラーズが未来を贈る歌だ。虹が見えたら走りだせばいいと、ゴスペラーズバージョンはとてもしっとりと静かで、すがすがしい雨上がりを歌うが、ソロバージョンはそこへ力強さが加わる。一緒に行こうと大きな手を差し出され、歩き出すような感覚があった。

優さんはモナリザのハンカチで身をぬぐい歌い出す。

僕のモナリザ。
新しい旅を始めよう。
もう、雨はやんだんだろう。

と穏やかに会場を眺める視線に胸を打たれた。

心に雨が降っているとずっと閉じこもっていることもできるけれど、一緒に行こうと手を延ばされ、おそるおそる外へ連れていってもらうような気持ち。

雨がやんだのか、それとも。

その答えはモナリザそれぞれの胸の内にだけあり、
たぶん一人ひとりの答えは違うと思う。

行こうよと手を伸ばされ、新しい旅の扉を開いてもらった気がした。

M8の「ボーダーライン」は僕らの境界線なんてどこにも存在しないと熱く激しく歌い上げる。

アンコールは「 The Travelling Show (must go on.)」だった。ライブの表題曲で、一番好きな歌を最後に聴く。

歌いながら優さんは各列の前に立ち、一人ひとりに顔をクシャクシャにした笑顔を向けて、大きく手を振っていった。トラベリングショーは架空の主題歌の曲で、旅をしながらライブをする人を歌う曲だ。

ずいぶん長い間一人になってないと仲間を見渡して苦笑し、鞄の中に詰め込んだ歓声と拍手を糧にまた次の旅に出る。

優さんの教えてくれる旅は、楽しくて孤独で少し切ない。

旅とはなんだろうと思いながら、最後の曲を聴いた。

旅とは、私が旅に出る理由は

好きな何かに会いに行くことだ。

それは、好きな人だったり好きな景色だったり、
好きな食べ物だったり、好きな時間だったりする。

汗だくでスポットライトを浴びて、
指を震わせ空を指す。

君が会いに来てくれるから、また旅に出られるよ。

そんな風に笑って、優さんは帰ってきた。

最後に、コロナ禍で私が書いた2021年8月22日の文章、「君に会いにいくいいわけ」を引用したい。

歌う方も歌われる方も、いろんなことを考えながら少しずつ前に進み、時には立ち止まることがこれからもあると思う。そいうときに、思い出したい瞬間がいっぱい詰まったツアーだったと感じている。記憶をなくした彼女はあれからどうなったんだろうなと思うけど、記憶を取り戻しても忘れたままでも、新しい毎日を幸せに過ごしたんだろう。

明日を信じること。そして、立ち止まっても、時が来れば自分たちのペースで少しずつ前に進むこと。誰かに抜かされたり、置いていかれたりしても、深呼吸して自分の人生を生きていきたい。そんな強さをもらったツアーだった。

歌う口実を考えて、
また私の街に会いに来てくれるなら、
私は会いに行く、いいわけを考えたいと思う。
自分を誤魔化す言い訳じゃなくて、良い理由。
そんなことを考えて、次のライブを楽しみに。


私が旅に出る良い理由

それは、安岡優に会いにいくこと。

そして、ゴスペラーズに拍手と歓声を届けにいくことだ。

優さんが雨があがったんだろと尋ねてくれたなら、
虹が綺麗ですねと手を振ろうと思う。

2023年9月9日から新しい坂ツアーが始まる。
「HERE & NOW」という新しい旅でまた、好きな何かに出会えるはず。

次の旅も楽しみに。



おしまい。


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