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ならぬことはならぬ

お風呂から出ると妻が部屋を暗くしてBUMPのDVDを観ているが、間違いなく苛立っていた。

その状況を見て私は思った。

黙ってアイマスクとヘッドホンをして寝ようと。

めっちゃくちゃイラついて、怒っているのが分かったから。

スーパーサイヤ人的なオーラが溢れているのが私には見えた。

そのめっちゃ怒っている原因は息子の一言だった

第一希望ではないにせよ合格した大学があるのにも関わらず、ある言葉を言ったからだった。

そのフレーズは・・・・・【浪人】

妻の顔がどんどん険しくなっていくのと同時に、厳しい言葉遣いになっていた。受験が始まる前から、私達は息子に言ってあったことがある。

それが、絶対に浪人はさせないという事。

その理由には、経済的なこともあるが、浪人という事を考えてしまうと次があると気が緩んでしまうと思ったからだった。今回の受験は、正直言って勉強する姿勢、時間共に不十分だとわかっていた。そのことは、本人も認めていて油断というか受験をなめていたと言っていた。だからこそ、最初だけでなく、事あるごとに浪人は絶対にないと言っていたのに。

嫌な予感はしていた。学校の先生や塾の先生が浪人経験者で浪人した結果、世間的に良いと言われる大学に進学したという先生達の成功体験を何度か言っているのを息子から聴いていたから。

その話を聞くたびに、私と妻は思っていた。

「もうこれ以上、先生達に浪人しても大丈夫的な話、浪人の成功体験をしないでほしい」と

だがこういう時ほど嫌な予感は当たる。

案の定、本人は希望大学に落ちると思わなかったと言っていたが、常々甘いと指摘していたのだが、私達の言葉など全く聞く耳を持たなかったのも事実だった。

諦められないのか?

プライドが高いのか?

どんなに、息子に言われようとも覆ることはない

思い通りにいかないのが人生なのだ


だからこそ、知恵を絞り様々な工夫や方法を試さなければならない。

今まで大変なこともあったのは知っているが、親としても今回の浪人だけは絶対にダメなのだ。

大河ドラマの言葉を思い出した

【ならぬことはならぬ】


成功体験よりも失敗体験の方が嫌だけど、間違いなくその後プラスになる

今まで失敗だらけの私が言えることは

失敗から学んで次に活かしてほしいということ

まだまだこれから思い通りにならないことなんて、山ほど出てくる

挫折、逆境、いっぱいあるだろうから負けずに

前を向いて頑張って欲しいと思うのだが

親の気持ちは、思えば思うほど

なかなか上手に伝わらないのかもしれない



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